インターンシップ実習生レポート    2005年夏版



中央大学法学部法律学科 宮本純さん



 自分がインターンシップに参加した理由は大学生としてもっと見聞を広めようと考えていたからです。もともと政治には関心があったため地域政治の現場はどんなものなのだろうかという気持ちもありました。森さんの下でのインターン活動を通じて、自分は西東京市の現状を知ることができたのですが、そこから国に依存してしまう地域の実情をも眺めることができ、道理で国の財政も火の車になるわけだなと感じてしまいました。また、森さんと会ったばかりの頃の話ですが、とあるオブジェの近くにあった元市長の名前が彫ってある石碑の前で森さんが「これどう思う」とおっしゃられたのですが意味がわからず首をかしげていると、森さんはこう言いました「市民の税金で造ったものなのに市長の名前をわざわざ入れる必要ないよね」と。つまり、元市長が自分のお金で建造させたものではないのになぜ名前を入れる必要があるのかとおっしゃられたのです。自分の地元にもそのような建造物がいくつかあったもののそこまでは全く考えが及びませんでした。
 インターン期間中のことを思い出してみると、「情報の徹底公開」「身の丈にあった政治」「市民自治」など森さんが行っていることや語ってくれたことはすごく当たり前のことでした。裏を返すとそのようなことさえも未だにできていない現実があるのです。議会における森さんはいわば孤立無援です。それでもこうして活動しておられるのは、森さんの意見に賛同してくれる多くの住民がいるからだなと今改めて感じます。かのリンカーンの名言を拝借すれば「市民の、市民による、市民のための政治」を実現させるために日夜奔走する森さん。その姿は世間一般の議員のイメージとは全く異なっていました。
 最後に、自分はこのインターンで市民による地方政治の可能性を見ました。まだまだ市民が主体となってはいませんが、完全に市民が政治に対して受身となっているとも言い難い。だが、実現のためには役所、議会の側にも市民の側にも課題は多数あります。今回のインターンでは政治に関心の高い中高年の方々によく出会ったのですが、この高い関心を次の世代の時にも持続させていかなければ市民主体の政治は絵に描いた餅に終わってしまうのかもしれない。
 果たして今の自分ができる最善のことは何なのだろうか。一市民としてそのようなことを考えさせられた夏でありました。 (中央大学法学部法律学科一年 宮本純)




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