インターンシップ実習生レポート    2006冬版



早稲田大学 肥田真理子さん



 インターンをして一番印象的だったのは、市議会議員には会議の期間以外は、自由な時間がものすごく多いということだった。
 中には、その自由な時間とお金を自分のために使って、次のキャリアへの準備期間に使っている人もいた。私達市民の代表として、さまざまな活動をするべきなのに本当にそれでいいのかと疑問に思った。
 その点で、森さんは議員さんらしくない議員さんだった。
 議員報酬の使い道を細かく、しっかりと示し、講演会や街頭演説、ビラ配りなど本当に様々な活動をしていた。足の先まで冷たくなり、手が上手く動かなくなるような寒さの中、2時間もの街頭演説。正直きつかった。何万枚というビラを自分の手で一軒一軒回って、ポストの中に入れていくビラ配り、考えるだけで気が遠くなりそうだった。
 市議会議員というと華やかなイメージがあるけれど、それとは逆に地道な作業がたくさん待ち受けていた。市民の代表として選ばれているのだからこれが本来あるべき姿なのかもしれないが、なかなか継続してできるものではない。ものすごいエネルギーが必要だ。
 森さんをここまで動かしているのは何だろうと考えたことがある。今振り返ってみると、今の政治や世の中に対して一種の「怒り」があって、それが森さんの原動力なのではないかと思った。道路を勝手に拡大してしまうことへの「怒り」。税金が無駄に使われることへの「怒り」。
 今の世の中で、特に若者の中で、このような「怒り」を感じる人はどれぐらいいるのだろうかと思う。「どうでもいいよ」と無関心にしている人があまりに多くなっているのではないか。私もそのうちの一人だった。「怒る」ことは生活する上で余分なエネルギーを使うから、無関心でいた方が「楽」だからだ。
 すべてのことに対して「怒り」という感情が出てくるのは、やはり疲れてしまう。だからといって、感じる心をなくしてしまっては、世の中はなかなか良くなっていかない。本当は、自分の暮らしに直結することだから、無関心ではいられないはずだ。
 「森さんはどうして議員さんをやっているんですか」という私の問に対して「議員を辞めるために議員をしている」とおっしゃったことがある。
 市民の一人一人が、政治に関心を持ち、より良くしていこうと行動する世の中。そういう世の中になれば、議員さんの役割は確かにどんどん小さくなっていくだろう。
 自分達の暮らしは自分達の手で作っていく。そのために、無関心はやめること、「本当にそれでいいのか」と「怒り」を感じること、そして声を出していくこと。
 これがインターンシップを体験しての私が学んだ一番大きなことだ。これから接するあらゆるできことに対して、少しづつ実行していきたいと思っている。




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