陳情第6号 普通学級に通う障がい児の介助員についての陳情                            (平成15年2月24日受理) 提 出 者 西東京市柳沢                   はっきいねっと代表 坂 口 和 隆 陳情項目  1 障がいを持つ子どもの学習権を保障し、安全確保のため、普通学級に通う障が   い児に行政の責任のもとに一日も早く介助員を配置していただきたい。  2介助員の配置に当たっては、当事者の要望を必ず反映させていただきたい。 陳情趣旨  私たち「はっきいねっと」は、西東京市とその周辺に在住する障がいを持つ子どもの 親たちを中心とした集まりです。主な活動の一つには、障がいのある子もない子も 分け隔てなく、自分の生まれ育った地域で、ごく当たり前に「学びの場」が得られる ような環境整備を広く呼びかけることがあります。  現在、世界的にインクルージョンという考え方が大きな流れになっており、我が国 もその方向に進んでいます。地域で生活している子どもたちの中には、障がいのある 子もない子もいます。インクルージョンとは、そうした子どもたちのそれぞれの違い を認めた上で、そのすべてを包み込んでいく教育を進めることを言います。そして、 そのような教育がすべての子どもの健全な発達を促すものであるという考え方を示し ています。  西東京市でも、何名かの障がい児が普通学級で学んでいます。しかし、学校内にお いて介助か必要な子どもは、公費による介助員ではなく、すべて保護者や地域ボラン ティアによる介助が前提となっています。そのため、保護者には、肉体的にも精神的 にも大きな負担が強いられます。例えばボランティアのスケジュール調整、急なキヤ ンセル時のかわりのボランティアとの調整、学校からの通知事項の連絡等の負担が大 きく、また、ボランティアの調整がどうしてもつかなかった場合は、保護者が仕事を 休んで介助することもあります。今の西東京市の障がい児の教育は、このような保護 者の大きな負担の上で成り立っている一面があります。  2002年9月の市議会において「介助員制度」に関する陳情が全会一致で採択されま した。しかし、半年近くたった今も教育委員会からは実施要綱等の連絡は何もありま せん。4月の新学期、新入学を控え介助を必要とする普通学級に通う障がい児を持つ 保護者は大きな不安を抱きつつ毎日を過ごしています。  2000年6月から7月にかけて、武蔵野市の市議が調査した結果によると、東京都の 区・市の半数近くは何らかの形で介助員を配置しています。渋谷区・品川区・中野区・ 町田市・清瀬市では、介助員の配置を区や市の制度として定めています。その他の区 でも市でも制度としては定めていませんが、臨時職員や嘱託員が必要に応じて介助を 行っています。インクルージョンの流れを受けて、近隣の区・市では確実に普通学級 に通う障がい児の環境整備を進めています。  しかるに当市の教育委員会は、このように近隣自治体の大多数が何らかの形で介助 員を配置していることを知りながら(学務課がみずから調査をしています)、なおかつ 昨年9月今回と同趣旨の陳情が市民の意思を反映した市議会で採択されたにもかかわ らず、具体的なアクションを起こしていないようです。  子どもの成長は待ってくれません。一日も早く当然整備すべき教育条件の一環とし で介助員を配置していただきたい。そしてその配置の仕方も遠足・運動会等の特定行 事のみでなく、通常の学校生活を網羅したものとしていただきますようお願いします。  障がいの有無にかかわらず安心かつ安全に子どもたちが学校に通えて、ともに学び 合う、このことがこの町の教育環境の向上につながり、ひいてはこの町の発展につな がるものであると信じております。