陳情第13号 住基ネット第2次稼働に伴う住基カード導入に関する陳情                             (平成15年3月10日受理) 提 出 者 西東京市南町            西東京市民の個人情報を守る会 代 表  小 崎 令 子 陳情趣旨  昨年8月5日に住民基本台帳ネットワークシステム(以下住基ネット)が第1次稼 働を開始しました。しかしながら、福島県矢祭町、杉並区、中野区、国分寺市、国立 市が離脱をしており、横浜市では市民選択方式を採用、また、埼玉県志木市では市民 アンケートを実施し、市長の諮問機関・住基ネット検討調査会が「接続を望まない人 の離脱を認めるべき」として、市民選択方式の導入を求める中間報告をまとめ、横浜 市に続いて市民選択方式を導入する可能性が強まっています。逗子市では、個人情報 保護委員が市屎に「市民と個人情報保護運営審議会の意見を問いて改めて方針を決め る」と要望する意見書を昨年11月に提出し、市民から意見募集を始めています。他方、 福島県岩代町における住民基本台帳データの盗難事件が発生したほか全国3,200余の 自治体のうち実に35%近くが住基法上必要な処置である個人情報保護条例を制定して いないなど、セキュリティ体制は万全であるとは言いがたい状況にあることは申し上 げるまでもありません。  また、1月に韓国を初め世界各地で発生した大規模なネットワーク障害は記憶に新 しいところです。サイバーテロの危険性も排除できません。もしも被害を受けた場合には、 市の信用の失墜と金銭的ダメージははかり知れないものとなります。  そんな中、今年8月25日に第2次稼働の開始が決まったことから、自治体は希望す る市民に住基カードを発行することができるようになります。住基カードは、公共サー ビスのみならず、連携ICカードとして将来的に民間での利用も視野に入っており、 従来の6情報(住所・氏名・性別・生年月日・住基コード・変更履歴)に加えて、さ まざまな管理情報が1枚のカードに蓄積されていくことになります。リスクは分散す るのが現代の常識であるはずですが、これでは逆にリスクを一元的に集中させるもの となってしまいます。一方、技術面においては、住基カードとして使用するスマート カードとその業務端末のセキよリティレベルを疑問視する技術専門家の指摘があり、 このような状況下での住基カードの導入には強い懸念を持たざるを得ません。  住民基本台帳処理事務は自治事務であり、国ではなく自治体がその責任と判断で行 うものです。市民の個人情報を守るためには、本市においての住基カードの導入には 慎重でなければなりません。スマートカードと業務端末のセキュリティには細心の注 意を払い、中でもスマートカードの物理インターフェースについては、公的分野にお ける連携ICカードの普及に関する関係府省連絡会議による「公的分野における連携 ICカード技術仕様」にのっとり、セキュリティ評価・認証をされたISO/IEC 15408のEAL4以上の保証レベルを有することが現時点での要件となります。  市民が求めるのは、市が事業を策定するに当たっての「あらゆるリスクを排除し万 全の態勢で臨む」というかたい決意です。よって、以下の項目を陳情いたします。 陳情項目  1 住基カードの導入を検討するに当たっては、スマートカードは「公的分野における   連携ICカード技術仕様」にのっとりISO/IEC 15408のEAL4以上のセキ   ュリティ基準を満たすこととし、業務端末のセキュリティもあわせて、リスク評   価を経て万全のリスク管理態勢を整えることを条件としてください。