陳情第20号 東京大学農学部附属農場の移転問題に関する陳情                            (平成15年3月10日受理) 提 出 者 西東京市芝久保町            東大農場・演習林の存続を願う会 代表 宮 崎 啓 子 陳情事項  東大農学部附属農場の移転問題に関し、東大に説明を要請し、市民にその正確な情 報を公開していただきたい。 趣   旨  21世紀は環境の世紀と言われています。  1992年、田無市議会は「東京大学附属農場の移転と都立公園の設置を求める決議」 を可決。この議決は日刊紙全紙で取り上げられ、結果的には農場の存在を市民だけで なく、広く都全体に知らせることになり、「自然保護、市民自治、大学と周辺市民のか かわり方を考えよう」と当会を創設、市議会に提出された4件の農場の存続を願う陳 情を結集して東大の有馬朗人総長、鈴木農学部長、演習林長、農場長に要望書を提出 しております。  その後、市の「緑の基本計画」「都市計画マスタープラン」の策定に当たっては、市 の「時代の温度差により……」という説明で、農場・演習林は市の緑の核として位置 づけられ、市の目標とする緑被率30%を支える最大の緑地として、また広域遊難場、 幼児からお年寄りまでの生涯学習の場、総合学習観察会の場、憩いのオアシスとして 市民の「たからもの」となっています。 1993年来、毎月ー度も欠かさず行われている 当会の観察会の報告集は938種の植物を記録し、その中には「東京都の保謹上重要な野 生生物種」が34種も含まれ、農場・演習林の生き物たちデータ集の493種の記録ととも に、この森と農場10万坪の自然度の高さ、生物の多様性をあらわしています。  今、東大側の事情により、東大農場の移転問題が浮上しています。‘92年の東大より の文書では、「この農場の教育・研究場の重要性を市が認識されていないのではないか と危惧している」と書かれていますが、今回の農場移転問題に関して、市民は、東大 はこの農場の環境資源、市民の教育資源としてのかけがえのない重要性を認識してお られないのではないかと危惧しています。  西東京市議会におかれましても、この都市の中に奇跡的に残る森と農場が一体とな った生態系一都市の中の里山のかけがえのない価値を認識され、東大に対し、東大よ りの文書の“市民に開かれた大学農場、農業教育研究メッカとしての農場)’の方針に 変更があるのであれば、移転決定以前に説明、情報の公開の要請をしていただきたく 陳情いたします。  あわせて市民にもその情報を公開してくださるよう要望いたします。