陳情第55号 中央防災会議に浜岡原発震災専門調査会の設置を求める意見書に関す       る陳情(平成15年11月19日受理) 提 出 者 西東京市田無町             だいすき西東京の会  代表 藤 川 敏 明  東海地震震源域の真上にある浜岡町には原子力発電施設4基があり、1基が建設中 です。本来は、過去に大地震があった場所には原子力施設は建設できない決まりが、 原子力委員会・「原子炉立地審査指針」(昭和39年5月)にあるのに、中部電力株式会社 はこの指針に反して原子力施設を建設したものです。  指針には、  原則的立地条件(1)大きな事故の誘因となるような事象が過去においてなかったこ とはもちろんであるが、将来においてもあるとは考えられないこと。  基本的目標 a 敷地周辺の事象、原子炉の特性、安全防護施設等を考慮し、技術的 見地から見て、最悪の場合には起きるかもしれないと考えられる重大な事故の発生を 仮定しても、周辺の公衆に著しい放射線障害を与えないこととあります。  この中にあって、現在「阪神・淡路大震災」より数十倍の規模の東海地震の発生が 100%の確率で予測されており、そして国による直前予知対策や震災軽減対策がとられ ています。  前記指針にある、大きな事故の誘因となる事象とは大地震であり、大津波であるこ とは明らかです。これは、駿河湾が過去において巨大地震の記録を重ねてきたことか ら、前に述べたように、浜岡町は原発施設が建設できない立地であり、このため、こ の地にある原子力発電施設は地震による損傷が十分予測できるものです。  中部電力は、「発電用原子炉施設に関する耐震設計審査指針」により安全を主張して いるのですが、しかし、未知の大地震に対して「絶対に壊してはいけない原発施設が 安全である」とは決して言えません。  東海地震で浜岡原子力施設が損傷を受ければ、大混乱の中では補修することができ ず、このことから原子炉崩壊、放射能放出の極めて過酷な事態に陥ります。空中の放 射能はその後、雲になって運ばれ、翌日には200キロメートル、300キロメートルもの 範囲を含む地域に放射能災害を発生させます。東京を含む各地が地獄となり、指針の 基本的目標は完全に失われます。  中央防災会議には東海地震に関する専門調査会があって、東海地震の警戒宣言が発 せられた際の対応措置が決められていますが、この中には浜岡原発損傷による検討は 何一つなく、最も重大、深刻なことが抜け落ちています。  中央防災会議は、原発損傷後の補修方法、放射能放出、周辺市町村、国への報告、 国の対応、被災が予測される市町村の対応、被災者の救援、退避の誘導、原発施設の 封鎖、それらのシミュレーションを行い、対策を立てなければなりません。これは国 を挙げての対応となります。果たしてこれにより広い地域の放射能災害が教えるのか どうかわかりません。しかし、中央防災会議でこの検討は早急に行われなければなら ないと考えます。浜岡原発が崩壊すれば、東京はもとより国が失われます。私たちは 背筋の凍る思いで生きています。 陳情項目  原発震災は未然に防げるのか、内閣総理大臣及び防災担当大臣に対して「中央防災 会議に浜岡原発震災専門調査会の設置を求める」意見書を提出してください。