議員提出議案第15号    食品安全条例(仮称)制定に関する意見書  上記の議案を会議規則第14条の規定により提出する。 平成15年9月26日                   提出者 西東京市議会議員 森 下 典 子                   賛成者 西東京市議会議員 浅 野 高 司                       西東京市議会議員 中 田 恵美子                       西東京市議会議員 倉 根 康 雄                       西東京市議会議員 二 木 孝 之                       西東京市議会議員 土 井 節 子                       西東京市議会議員 森   輝 雄                       西東京市議会議員 猪 野   滋                       西東京市議会議員 海老沢   進 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――    食品安全条例(仮称)制定に関する意見書  BSE(牛海綿状脳症)、O-157、ダイオキシン、無登録農薬、偽装表示問題など、相 次ぐ食品にまつわる事故、事件が日本国内外で続発し、消費者はかつてないほど食品に対 する不安を募らせています。  このような中、国ではようやく食品行政の立ちおくれを解決するために、食品安全基本 法を制定し、第三者機関としての食品安全委員会を立ち上げました。しかし、現在、一時 の熱気は冷めてしまい国会審議は極めて低調で不十分な状況でした。内容としては、第1 に「消費者の安全・健康を求める権利」が規定されませんでした。相変わらず消費者を保 護の対象としてしか見ていません。第2には、基本的な方針の策定において「予防原則に 基づいた安全評価」が不明確であったことです。第3には、リスクコミュニケーション(危 険情報の共有と意見交換)や食品安全委員会における市民参加ができておらず、食糧政策 を含めた生産から消費までの施策の総合性の確保が不十分であることなどが挙げられま す。  また、今回、国の食品衛生法の一部改正で、監視項目について保健所設置の自治体が「監 視指導計画」として自主的に決めることができるようになりました。こうした背景のもと で、都は食品安全条例(仮称)を早期に制定するとしていますが、条例づくりに当たっては  「食」という都民にとって最も身近な政策ということを考え、策定に市民参加の確保が重 要で、その内容は実効性のあるものとしていかなければなりません。  よって西東京市議会は、東京都に対して、食品安全条例制定(仮称)に当たり、次の事項 を盛り込むよう強く要請します。  1条例の基本理念として、都民の生命と健康を侵されない権利を明記すること。  2 生態系へも影響のある「遺伝子組み換え作物」については、基本方針として環境に   配慮した施策や、消費者の選択権の確保、検査体制の強化、国への提案を盛り込むこ   と。  3 食習慣や食文化を十分に生かした都独自の安全基準や誘導基準の設定、特に化学物   質の蓄積性が子どもに大きく影響することから、「子ども基準」の設定をすること。  4 「食品安全情報評価委員会」の調査・勧告については、科学的な因果関係が不確定   であっても積極的な措置を講じるなど予防原則(未然防止)を確立すること。  5 「食品衛生自主管理認証制度」を通じ、トレーサビリティー(生産履歴の表記)を   確立し、安全な食品の製造と流通を確保するとともに、都市農業を育成し、都内食品   業者の水準を高めていくこと。  6 自治体が「監視指導計画」を策定ナるときは、地域の事情に合わせて計画に市民の   意見が確実に反映されるよう支援すること。  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。  平成15年9月 日                      西東京市議会議長 石 毛   茂  提出先 東京都知事