請願第5号 東京都立多摩老人医療センター歯科の存続に関する請願(平成15年8月       28日受理) 提 出 者 西東京市田無町       社団法人東京都田無歯科医師会 会長  服 部 玄 門       西東京市中町       社団法人東京都保谷歯科医師会 会長  野 本 明 弘 紹介議員 海老沢  進  佐々木 順 一  浅 野 高 司 請願事項  東京都立多摩老人医療センター歯科の存続を東京都に働きかけてください。 請願趣旨  近年、我が国の高齢化率が先進諸国に比して急速に上昇したために、大きな社会問 題となっています。社会保障についてはさまざまな点で対応がおくれており、国民の 多くが将来に不安を感じています。特に医療にかかわる問題は、関係者の熱心な努力 にもかかわらず、急速な高齢化に十分対応できていないのが現状です。このような状 況では、医療の効率のよい供給と、これに伴う医療施設の適正な再編については、十 分理解できるところです。  東京都は、公社化検討委員会で医療施設の再編・統合を検討しています。多摩地区 では、府中病院が基幹病院に位置づけられた結果、直轄の都立となり、多摩老人医療 センターは、医療公社に移管されると問いております。この際、不採算部門は廃止の 原則があると言われております。  一方、多摩地区の高齢化は着実に進んでおり、さらに有病・障害などの要素を複合 した高齢者対策が求められております。しかし、各自治体の懸命な取り組みにもかか わらず、医療・保健・福祉・まちづくりなどさまざまな点で大きな課題となっており ます。このような状況にあって、多摩老人医療センター歯科は北部多摩地区の開業歯 科医にとり、極めて大きなよりどころとなっております。すなわち、有病者・高齢者・ 障害者の二次医療機関として開業医と連携し、迅速に効率のよい医療を提供していま す。また、多摩老人医療センター内の地域連携室が中心となって研修会等を開催する など、医療の質の向上に積極的にかかわっております。  仮に、多摩老人医療センター歯科が不採算部門であることを理由に廃止された場合、 北部多摩地区の開業歯科医は都立府中病院の歯科とのみ連携することになります。多 摩地区の南北の交通アクセスが整備されていない現状で、どのようにして府中病院ヘ 通院・移送するのでしょうか。効率のよい医療を提供すべきであることは当然ですし、 多少の不便さも享受すべき時代であることも理解できます。しかし、高齢者・有病者・ 障害者にとって、歯科治療のために府中病院へ通院することは実質的に不可能ではな いかと思われます。したがって、多摩老人医療センター歯科の存廃は、市民の保健・ 医療・福祉と密接にかかわりのある行政当局並びに議会にとって、極めて重大な課題 ではないかと考えます。  以上のように多摩老人医療センター歯科は、当該地域の市民にとって将来にわたり、 かけがえのない極めて重要な医療施設であることを再認識していただき、東京都への 意見書の提出をお願いいたしたく、ここに請願いたします。