┌────────────────────────────────┐ │これは森てるおのホームページ用に参考用として掲載したものであり、│ │誤字、脱字等がある場合があります。正確なものを必要とする場合は、│ │西東京市ホームページ、または西東京市役所でご確認ください。   │ └――――――――――――――――――――――――――――――――┘ 陳情第30号 「東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合に情報公開条例制定を求める意       見書」提出に関する陳情(平成16年8月16日受理) 提 出 者 青梅市東青梅       青梅の水とごみを考える会 代表 浜 田 尚 子 陳情事項  東京都三多摩地域廃棄物広域処分組合に情報公開条例制定の意見書を提出してくだ さるようにお願い申し上げます。 陳情理由   このたび、貴市議会に陳情を提出いたしますのは、東京都青梅市に在住する市民で 構成する「青梅の水とごみを考える会」という環境市民団体です。   この会は1993年に発足、現在に至るまで、隣接する東京都西多摩郡日の出町ニツ塚 処分場(以下ニツ塚処分場とする)が青梅市側にどう影響するか等のごみと環境の問 題に取り組んでまいりました。(現在の会員数約213名)三多摩26市町のごみが搬入さ れるニツ塚処分場の行政区は西多摩郡日の出町ですが、環境への影響ということであ れば、処分場に隣接する青梅側にもひとしくあるはずです。にもかかわらず、東京都 三多摩地域廃棄物広域処分組合(以下処分組合とする)による環境調査は全く行われ ず、青梅市とは公害防止協定も結ばれていないというのが実情です。   さらに処分場の延命策としてごみの焼却灰をセメント化する工場を、現在このニツ 塚処分場内に建設中です。このセメントエ場は、青梅市と日の出町の境界線となる馬 引沢峠ハイキングコースのすぐ下で、青梅市に最も近い処分場内北側に位置していま す。  2002年9月には、青梅市でも処分組合主催による環境影響評価書案(以下アセスと する)の説明会が開かれ、多くの市民が参加しました。その中で青梅側の環境への影 響はさまざまありましたが、私たちが最も不安に感じたことは、 1 煙突から排出される排ガスの問題。(排ガスは基準値内としながらも、二酸化硫黄、  一酸化炭素、ニ酸化窒素、浮遊粒子状物質、水銀、ダイオキシン類等の化学物質が  排出されることを予測評価していた)  2 この予測に用いられたプルームモデル、パフモデルという大気への汚染物質拡散  式は平地での調査に用いる計算式であった。(ニツ塚処分場周辺は急峻な谷間で複  雑な地形を成し、日中温まった上昇気流が夜間冷やされて、沢伝いにおりていく。  また、大気が滞留する接地逆転層等の局地気象が起きやすい地域であることを専門  家は指摘している)  このように、エコセメントエ揚が環境上安全であるということを証明しなければな らない排ガス濃度の拡散予測は、現状を全く無視した予測評価で、こうしたことへの 疑問は驚きとともにエコセメント事業に対する不信や疑問にづながるものでした。  このことは決して私たちの思い込みではなく、東京都のアセス審議会の審議員、電 力中央研究所の上席研究員の市川陽一氏も審議結果の中で以下のような意見を述べて います。  「大気の安定度が強くその頻度が年間35.6%と高い。この状態での煙突からの排出 ガスが接地逆転層を貫通しない場合の影響を予測・評価すること。  ハイキングコース上において煙突からの排出ガスの影響が予測されるので、短期的 に高濃度となる気象条件、排出条件で予測評価すること」(一部抜粋)  このように、大気環境的にもふさわしくないと考えられる場所が、なぜ、建設地に 決まってしまったのか、私たちの不安はアセスの説明会でも払拭されませんでした。  そこで以下の内容で情報公開を処分組合に求めました。  請求した開示の内容は  1 多摩地域焼却灰セメント化施設導入検討委員会で作成された報告書  2 エコセメント推進委員会の議事録  以上2件でしたが、「情報公開条例がないため、受け付けることはできない。ホーム ページで開示している以外は今後も一切の情報を公開することはない」という処分組 合の回答でした。  それ以外にも私たちが将来にわたる問題として、処分組合に情報公開条例の制定を 求める理由は  (1)排ガスのシステム及びバグフィルタ(焼却炉の煤塵をフィルタで捕捉する公害   防止設備)の安全対策を具体的に知りたい。  (2)断水、落雷、停電、地震、バグフィルタの破損、その他工場の事故に関する具   体的な安全対策を知りたい。  (3)バグフィルタのトラブルは全国各地で報告されている。破損した場合排ガスは   大気に排出され、土壌を汚染することが予測される。その土壌汚染の調査項目が   ない理由を知りたい。  (4)情報公開制度がないことそのものに対しての不安。  以上のようなことです。有害化学物質を含む焼却灰をセメント化するエコセメント エ場からは、1日145台の車両が往来し、煙突からの排ガスの放出、1日400tの水蒸 気の蒸散、異臭、振動、騒音、焼成炉からの400度の熱の放散、水質への影響等の環境 への懸念があることが、エコセメントの環境影響評価書では述べられています。  しかし、これからどのような環境への影響が出てくるかは、評価書を作成すればそ れで終わりではなく、これからの20年間こそ、そこに住む私たちが日々汚染された空 気を吸い続け、目に見えない急激な環境の変化の中で生活していかなければなりませ ん。  以上の理由により、どうかこの地でごみを最終処分されている構成自治体の皆様に こうした私たち青梅市民の不安を少しでも受けとめていただき、処分組合に情報公開 条例制定の意見書を提出してくださるようお願い申し上げます。