┌────────────────────────────────┐ │これは森てるおのホームページ用に参考用として掲載したものであり、│ │誤字、脱字等がある場合があります。正確なものを必要とする場合は、│ │西東京市ホームページ、または西東京市役所でご確認ください。   │ └――――――――――――――――――――――――――――――――┘ 陳情第5号 「鳥獣被害防止特措法」関連予算を、鳥獣捕殺ではなく自然林復元と被       害防除に使うこと等を求める意見書提出に関する陳情 提 出 者 兵庫県西宮市分銅町     日本熊森協会 会長 森 山 まり子  近年、野生鳥獣によって農家が受ける農作物被害は、所によっては惨状というまで に増大しています。私たちは、もはや被害防除が個人の努力で対応できる範囲を超え ているとして、国が問題解決に予算を組むことを主張してきました。 したがって、昨 年12月に議員立法にて成立した「鳥獣被害防止特措法」の関連予算を歓迎しています。 ただし、その予算が、鳥獣捕殺ではなく、野生鳥獣が帰れる広葉樹の自然の森の復元、 鳥獣の進入防止さくなどの被害防除に使われること等を求めます。 1 鳥獣被害発生の根本原因  近年、野生鳥獣が田畑に出てくるようになったのは、一般に言われているような鳥 獣数のふえ過ぎではなく、戦後の行き過ぎた森林開発、国策として林業用に大量に植 え過ぎた杉・ヒノキの放置人工林などの人間による自然破壊行為により、鳥獣がすみ かやえさ場を失い、本来の生息地に住めなくなったことに起因します。現代生態学が 解明したように、元来、自然界での鳥獣の数は著しく増減を繰り返すもので、ふえて も減っても本来、人が問題にすべきものではありません。  今、私たちが真に取り組まねばならないことは、鳥獣がえさを求めてこれまでの生 息地でない人里に出てこざるを得なくなっている根本原因に対する対策です。 2 取り組むべき根治療法  野生鳥獣による農作物被害問題は、鳥獣大量捕殺ではなく、鳥獣の生息地復元・被 害防除などで対応すべきです。そうでなければ、鳥獣捕殺に躍起になっている間に、 我が国は復元不可能なまでに森の荒廃を進めてしまい、水源を失います。そうなれば、 やがて農家は今以上に困窮することとなります。都市市民の生活、すべての産業も成 り立たなくなり、人間以外の生き物たちも生きられなくなります。  森の法則 森=植物+動物 からもわかるように、私たち人間の生存を保証する保 水力のある豊かな森の形成には、大型野生鳥獣以下すべての動物が必要です。野生鳥 獣の生息数という人間がつくり出すことのできない自然界の絶妙のバランスに人は手 をつけてはならず、被害防除を図りながら、根治療法である鳥獣の生息地復元によっ て鳥獣被害問題に当たるのが正しい解決法です。豊かな森の復元は、今や大問題にな ってきている地球温暖化防止対策にも有効です。  以上のことから、下記事項を関係行政庁に意見書として提出していただきたく、陳 情いたします。 要望事項 1 「鳥獣被害防止特措法」の関連予算が、野生鳥獣捕殺優先ではなく、鳥獣が帰れ  る広葉樹の自然の森の復元、当面の被害防除にこそ優先的に使われること。 2 現在、銃による凶悪犯罪が急増してきています。絶対に、日本を銃社会にしては  なりません。「鳥獣被害防止特措法」第9条の「鳥獣被害対策実施隊」の項では、一  定の場合に限り市町村職員等の実施隊員に銃の所持を認めていますが、実施隊員に  安易に公費で銃を持たせないこと。 3 被害防止計画は市町村が定めることができるとなっています。計画作成に際して  は、行政や被害農家に加え、専門家や自然保護団体を入れて作成すること。また、  鳥獣捕獲の要請があったときは、情報及び対応を公開すること。 4 捕獲した鳥獣は原則として、人間とのあつれきがほとんどないと考えられるとこ  ろに運んで放すこと。