┌────────────────────────────────┐ │これは森てるおのホームページ用に参考用として掲載したものであり、│ │誤字、脱字等がある場合があります。正確なものを必要とする場合は、│ │西東京市ホームページ、または西東京市役所でご確認ください。   │ └――――――――――――――――――――――――――――――――┘ 議員提出議案第14号    介護報酬の地域係数是正と介護人材確保に関する意見書  上記の議案を会議規則第14条第1項の規定により提出する。   平成20年9月25日                  提出者 西東京市議会議員 納 田 さおり      賛成者 西東京市議会議員 山 崎 英 昭                      西東京市議会議員 藤 岡 智 明                      西東京市議会議員 板 垣 洋 子                      西東京市議会議員 岩 越 笙 子                      西東京市議会議員 鈴 木 久 幸    介護報酬の地域係数是正と介護人材確保に関する意見書  総務省の統計によると、65歳以上の高齢者人口は平成20年9月15日現在、2,819万人 であり、総人口の22.1%に達しています。また、東京都の高齢化率は全国的に見ても 著しく、平成27年には82万人に達すると推計されています。  一方、高齢者を支える介護・福祉サービスの現場は深刻な人材不足に直面しており、 第三期介護保険事業計画の主要事業である居宅介護・地域密着型サービスの構築にお いても深刻な影響が及ぼされています。    特に東京都23区や多摩地域などの都市部においては、人材不足の度合いが大きく、 介護職員が確保できないことで、グループホームや小規模多機能介護施設等の事業進 捗に大きな支障となっていることから、介護保険制度の根幹を揺るがす大問題となっ ています。  介護職員が確保できない理由として、一般的に給与水準が労働内容に比して低いこ とが挙げられていますが、都市部においてはさらに、他の産業と比べても給与水準が 低いことが人材確保を妨げる大きな要因となっています。これは、介護報酬の規定が ほぼ全国一律の制度となっており、大都市と地方の賃金や物価の地域格差を調整する 地域係数が、実際には合理的に機能していないことに起因しています。  地域係数に関しては、平成10年、医療保険福祉審議会(現在の社会保障審議会介護 給付費分科会の前身)において「国家公務員の調整手当(現在の地域手当)を基本と して勘案すべきであり、必要に応じ客観的な指標等を踏まえ必要な補正を加えて用い ることが適当である」と決定されていることから、平成17年4月人事院勧告で公務員 の調整手当が現状により即した地域手当に改定された折、見直しが検討されるべきも のでありました。  しかし実際には、公務員地域手当が、1級地の23区、2級地の武蔵野市・西東京市 等で18%、15%と改定されたにもかかわらず、介護報酬の地域係数は4.8%、4.0%と 据え置かれ、結果として、それぞれ13. 2%、11%と乖離しました。  加えて、地域係数には家賃等の物件費や食材費等の物価水準など、人件費以外の要 素が全く反映されていないことや、係数算出の際に平成i2年の調査に基づく人件費比 率(現状の人件費比率との乖離が大きい)が乗じられているといった問題もあり、こ のことから妥当性や合理性を欠いたものになってしまっています。  よって、都市部を取り巻く介護・福祉サービスの深刻な人材不足を打開するために も、以下の項目について早急に実現するよう強く要望いたします。                    記          1 地域係数の算定においては、人件費比率を乗ずる補正を取りやめ、公務員の地域  手当をそのまま適用すること。また、物価上昇などの社会状況に対応するため、地  域係数の見直しを適宜適切に図ること。 2 介護・福祉労働者が仕事に誇りを持ち、安心して暮らせる給与体系となるよう、  国庫負担金の増額を含め、次期介護報酬改定で適切な措置をとること。  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  平成20年9月 日                       西東京市議会議長 遠 藤 源太郎   提出先 内閣総理大臣、厚生労働大臣