陳情第14号 循環型社会づくりに向けた都市農業振興施策に関する陳情(平成13年5月17日受       理) 提 出 者 西東京市富士町  桜 井 正 行 陳情趣旨  平素より、西東京市の産業振興発展のために甚大なる御支援と御協力を賜り、厚く御礼申し 上げます。  さて、西東京市を含め北多摩地区管内の農業は今や都市農業の中核を担っており、都市住民 の需要に即した農業生産に奮闘努力してきているところであります。21世紀の都市農業が果た すべき役割は、安全・安心を基調とした多様な農作物の供給はむろんのこと、農業生産活動に よる循環型社会づくりや交流型農業を推進し、市民が豊かで快適な暮らしを支える農業を展開 すべきと考えております。また、産業として活力ある農業を展開することによって地域の活性 化や防災など快適な地域環境の形成にも貢献すべきと考えております。中でも「循環型社会づ くりと都市農業」という視点から地球環境に配慮した循環型社会の構築は世界的な課題であり、 本質的に循環型産業である農業への期待が高まっています。  都市農業が産業として成り立つためには生産性や効率性を無視することはできませんが、環 境に配慮し資源循環型を基調にした生産・流通システムの構築が重要な課題です。資源循環は、 地域レベルでのリサイクルを基本に構築することと、地域でとれたものは地域で消費する「地 産・地消」の考え方が現実的であり、広域的には輸送や資源の量(質)のアンバランス等、新 たな問題を派生させるとも考えられます。先般、東京都では都庁の食堂から廃棄される生ごみ の堆肥化事業や、生ごみの地域リサイクル事業として東村山キャンパスでの堆肥化事業などを 展開してきました。当地区でも平成11年から取り組んで一定の成果はおさめてきましたが、都 財政事情から都の事業も終局に向かい、今後は市政としての積極的な取り組みが求められてい ます。そして、市民の暮らしとの結びつきを深め、貢献する都市農業を創造するためには何よ りも「安全と循環」に配慮した生産システムを推進する必要があります。特に、生ごみの一次 処理物と剪定枝、落ち葉(いずれも産業ごみ)を組み合わせた堆肥化は、ごみ対策でもあり農 業への理解を深める最もすぐれた循環型社会づくりの1つと思います。  地域リサイクルの推進に当たっては、顔の見える関係で有機物(家畜糞・食品残澄・生ご み・剪定枝など)の循環を促すとともに、輸送にかかる環境負荷やコストを最小限にすること も大切です。そのためには経営的判断に基づいた安定的かつ継続的な条件整備が不可欠で、地 域の農業者と住民・自治体との協力によって実現すべき課題であります。現実的には、生ごみ 処理施設には設置場所・施設費・維持管理費などの問題もありますが、西東京市として都市近 郊未利用資源リサイクル推進事業等を利用して生ごみ処理・剪定枝処理施設の設置等について 御検討をいただきたく存じ上げます。  21世紀における循環型社会づくりや環境保全型都市農業を推進するためにも、ぜひ未利用資 源リサイクル施設の設置事業化が実現されますよう、市議会に強く要望いたします。 陳情事項 環境型社会づくりに向けた、ごみ減量につながる未利用資源(生ごみ・剪定枝・落ち葉等)の 地域リサイクル処理事業化を求める。