陳情第47号 障がい児の普通学級就学についての陳情(平成13年11月29日受理) 提 出 者 西東京市柳沢                        はっきぃねっと 代表 坂 口 和 隆  私たち「はっきぃねっと」は、西東京市とその周辺に在住する、障がいを持つ子どもの親た ちが中心となっている集まりです。主な活動の一つとして、障害を持つ子も持たない子も分け 隔てなく、自分の生まれ育った地域で、ごく当たり前に「学びの場」が得られるような環境整 備を広く呼びかけることがあります。  私たちの会員の子どもで来年度就学を迎える子がいます。この子は生まれつき筋力が弱く 今は車いすを利用しますが、リハビリの成果で、手を添えれば自分で歩けます。筋肉の専門医 師からは、あと1〜2年で自分で歩けるようになる、と言われています。  この子は1歳3ヵ月から西東京市立「子どもの発達センターひいらぎ」に通い、5歳時は保 育園とひいらぎの並行通園、6歳時は保育園のみの通園という形をとってきました。  保育園に通うようになってからの心身の発達には、目覚しいものがありました。言葉が多く 出るようになり、手を添えれば歩けるようになり、何でも自分でやろうという意欲も強くなり ました。子ども同士の触れ合いの中でたくさんの刺激を受け、多くのものを自分自身で獲得し てきたものと思われます。子どもの秘められた能力には驚くべきものがあります。  このような状況で、この子は保育園の友達と一緒に通う普通学級への就学を自然に考えてお ります。親は子どもを将来自立させるためには普通学級に就学させ、社会性を身につけさせた いと願っています。  しかし、教育委員会は「肢体不自出児なのだから、介助をつけなければ普通学級への入学を 認めない。入学したければ母親かだれかが介助につきなさい」との対応をしています。  この子の母親は、来年3月に出産を控えており、4月からの介助につくことは不可能です。 また、母親が介助についていたら、子どもの自立の妨げになります。   「母親が介助につけない」ただそれだけの理出で普通学級への門戸を閉ざされる、というこ とがあっていいのでしょうか。それが子どもの将来に大きくかかわる教育行政のあるべき姿な のでしょうか。  また、身体に障がいを持つ子にとって、学びやすい環境(段差がないこと、階段・トイレに 手すりがあること、冷暖房設備等)を整えることは、学校生活をする上で必要不可欠です。こ の点の改善がないと学校に通うこと自体が難しくなります。  国連採択の「子どもの権利条約」、我が国の「日本国憲法」「教育基本法」等どれを読んで も障がいを持つ持たないは、小学校へ入学する際の分かれ道になることは書かれていません。 どの子もひとしく当たり前の教育を受けられることになっていることは言うまでもないことで  何ら特別なことではなく、至極当たり前のこととして、下記事項の実施を陳情いたします。 (1)普通学級に就学する子に介助が必要な場合は、行政の責務として介助員をつけてくださ   い。 (2)すべての子どもが快適に学べるよう、学級設備(スロープ、手ナリ、冷暖房等)を整え   てください。