陳情第54号 文化・スポーツ振興財団の経営改善を求める陳情 (平成13年12月6日受理) 提 出 者 西東京市芝久保町   荻 野 矩 正 陳 情 事 項  旧保谷市が、基本財産6億5,000万円を出損して設立した財団法人「西東京市文化・スポー ツ振興財団」(以下「文・スポ財団」)の経営状況は、多額、かつ恒常的な市民負担を要する 実態にありますので、その経営改善を求めます。 陳 情 要 旨  文・スポ財団の平成12年度決算書を見ると、その収入は市からの助成余を除くと収入が 5,064万7,431円なのに対し、費用は5億8,599万6,786円となっています。この収支差額5億 3,534万9,355円から市が施設メンテナンス費用として助成すべき金額を勘案すると、実質赤字 は年間3億円程度と推定され、しかも、この事態が文・スポ財団設立以来続いていることは問 題です。(平成12年度決算での施設管理費は3億2,455万2,545円です=詳細は未公開)  特に問題なのは、平成12年度事業収入4,466万9,410円に対し、コストとしての事業費が1億 1,355万7,718円で、その赤字が6,888万8,308円。つまり市からの助成なくしては事業そのもの が成り立たないというのが文・スポ財団の実態です。(事業支出としては、さらに総務管理費 費1億4,788万6,523円があります。)  また、平成12年度に市は6億1,000万円の助成を行っていますが、決算書脚注によると5,087 万8,214円を市に返戻することになっています。  ここからうかがわれることは、文・スポ財団の運営は当初から助成金が前提で、受領した助 成金の範囲内で事業を行い、余剰金が生じた場合は市へ返還すれぱよいという、全く何らの経 営努力を要しない安易な経営手法で運営されていることです。例えば、基本財産6億5,000万 円を、東京みらい農協へ4億5,000万円、東京三菱と東京都民へ各1億円預けたままというこ とがその象徴です。いかに低金利時代とはいえ、仮に国債で運用すれば倍額以上の運用収入を 得られるはずですが、平成12年度の基本財産運用収入はわずか286万1,590円にすぎません。  文・スポ財団は単なる施設の管理運用者ですから、旧田無市での田無駅北口再開発関連で、 市がアスタ西東京(旧田無都市開発)の減資により4億8,000円の損失を受け、それに次ぐ増 資に2億5,000万円強の出資に応じたというような問題は生じないはずですが、このまま文・ スポ財団に、市は施設がある限り毎年5〜6億円もの助成金支出を継続するのでしょうか。 文・スポ財団が全く市とは別個の法人であることは事実ですが、その基本財産全額は市(市 民)が負担したものです。市・市議会が、文・スポ財団を別法人だから「金は出すが口は出せ ない」立場にあるはずはありません。「合併は究極の行財政改革」を標榜する市政である以上、 外郭団体の効率的な経営を指導することは当然で、過剰干渉になるはずはありません。  文・スポ財団がどのような理念に基づき、どのような運営管理を行うことで旧保谷市議会が その設立を承認議決したかはさておき、「こもれびホール」や「スポーツセンター」等の施設 が市民の貴重な共有財産であることは言うまでもありません。その管理運営が円滑に行われる ことは当然に市民の望むところです。しかし、コスト概念が欠落しているようでは、市民にと ってこんな不幸なことはありません。仄聞ずるところによると、全国各地で自治体がハードを 提供しその管理運営は民間に委託する方式が広がりつつあるということです。最終的には、 文・スポ財団の解散をも辞さない決意で、文・スポ財団の徹底的な経営改善と今後のそのある べき姿を検討されるよう陳情します。