陳情第2号 下野谷縄文遺跡の保存・活用を求める陳情(平成14年2月25日受理) 提 出 者 西東京市田無町                  下野谷遺跡保存協議会会長 近 辻 喜 一                                  外11名 陳情事項  1 本市東伏見六丁目4番の財務省所有地(約3,200平方メートル)の早期取得  2 前項土地及び隣接する民有地(約5,400平方メートル)に存在する遺跡の保存・   活用  3 縄文博物館の建設を目的とする調査 陳 情 趣 旨  本市東伏見六丁目からこ丁目の石神井川南岸台地一帯に広がる下野谷遺跡は、同一遺 跡と考えられる練馬区の富士見池遺跡群と合わせ、推定面積28.5ヘクタールに及ぶ大 遺跡で、今までの発掘調査により、約3万年前の旧石器時代から縄文時代、近世以降に わたる遺構や遺物が数多く発見されています。  この下野谷遺跡が最も栄えたのは縄文時代中期(4〜5千年前)で、これまで300軒以 上の竪穴住居跡が検出され、全体では1000軒を超えるものと想定されています。これは 関東地方はおろか全国でも屈指の規模で、青森県・三内丸山遺跡並みの超大型拠点的集 落であります。  中でも、最近の発掘調査で全貌をあらわした東伏見三丁目の東環状集落と、第5次ま での発掘調査でその存在が確実な、本陳情にかかわる同六丁目の西環状集落の2つが、 本遺跡の中心であります。中央の広場を掘立柱建物と竪穴住居がドーナツ状に取り囲み、 広場の東西に墓域が配された、典型的な縄文中期の環状集落を形成しています。  このように広大な下野谷遺跡も、都市化の進展により大部分の埋蔵遺跡の上には早稲 田大学のテニスコートや集合住宅、個人住宅が建てられ、現在残されている遺跡埋蔵地 は国有地を含むこの土地だけしかありません。幸いにも、ここは下野谷遺跡の中心とも 言える遺構・遺物の密集地で、西東京市民及び都民にとって、かけがえのない貴重な文 化遺産であります。  現在、都が計画中の石神井川両岸の遊歩道につながる形で遺跡公園が整備されれば、 市民や都民、特に子どもたちに絶好の学習の場を提供するばかりでなく、日本の誇るべ き文化施設となることも期待できますので、一日も早く財務省所有地を購入し、国また は都の史跡指定を受けることが肝要かと考えます。  なお、本陳情と同様の趣旨のものとして、旧保谷市議会に対して昭和53年・平成8年 に請願がなされ、それぞれ採択されていることを申し添えます。