陳情第33号 西東京市個人情報保護条例整備とICカード導入に関する陳情(平成14年8月        30日受理) 提 出 者 西東京市芝久保町        住基ネットとプライバシーを考える市民の会 代表 樋 口 大 二 陳情趣旨  住民基本台帳ネットワークシステム(「住基ネット」)が稼動開始となりましたが、プライバ シー保護の観点から市民の間で大きな不安を呼んでいます。  住民の個人情報を保護し、基本的人権を擁護することは自治体に課せられた大きな責務であ ることは言うまでもありません。幸い西東京市においては「個人情報保護条例」が制定されて いますが、こうした条例やセキュリティー体制が十分に整備されていない多くの自治体とネッ ト接続によってシステムが結合されることで、西東京市民の個人情報への不正アクセスや漏え いのリスクは高まるであろうことが予想されます。  近隣市を含む多くの自治体では、住基ネット参加にあわせて既存の個人情報保護条例を改正 し、緊急時には切断を含む対応を規定するなどして対応を図っています。西東京市の現行条例 は、外部接続を原則的に禁止しており、住基ネットに対応するための具体的な規定はありませ ん。  また、改正住民基本台帳法では、2003年8月より住基ネットと連動したICカード(住民基 本台帳カード)の導入が予定されています。このICカードの使途は、住基法第30条の44に より「各市町村が独自に条例で定める事務jと定められていますが、使途のいかんによっては このICカードに市の保有するさまざまな個人情報が蓄積されることになり、情報漏えいや不 正利用のリスクはますます増大するのではないでしょうか。  住民の安全と権利を守るべき市の責務にかんがみ、住基ネット参加により高まった個人情報 保護にかかるリスクを回避するためには、個人情報保護条例の一層の整備が必要であり、IC カード導入についても慎重な対応が必要と考えますので、以下の事項を陳情します。 陳情事項 1 以下の点を踏まえて個人情報保護条例を整備してください。   (1)住基ネット上での個人情報の漏えいまだは不適正利用によって、市民の基本的人権が    侵害されるおそれがあると認められる場合には、住基ネットとの接続を市長判断で切断    できることを条例で定めてください。   (2)住基ネット上で個人情報の漏えいまだは不適正利用が明らかになった場合、市は他自    治体や指定情報処理機関などの関係各機関に報告を求めるとともに、必要な調査を行わ    ねばならない等、具体的な措置を条例で定めてください。   (3)市長に対して、住基ネットを経由した西東京市民の個人情報の処理状況等について個    人情報保護審議会への報告を義務づけることを条例で定めてください。   (4)住基ネットヘのアクセスログについて、市民による開示請求に応じるために必要な期    間の保存を条例で定めてください。 2 住民基本台帳カードの導入とそれに伴う条例制定に当たってば、拙速を慎み慎重に検討  すべきであり、広く市民的な議論を経た上で決定してください。