議案提出議案第33号  北朝鮮による拉致問題の徹底解明を求める意見書  上記の議案を会議規則第14条の規定により提出する。                               平成14年12月5日                    提出者 西東京市議会議員 田 崎 敏 男                   賛成者 西東京市議会議員 中 山 寛 子                       西東京市議会議員 浅 野  司                       西東京市議会議員 武 藤 朝 子                       西東京市議会議員 土 井 節 子                       西東京市議会議員 森 下 典 子                       西東京市議会議員 石 毛   茂                       西東京市議会議員 林   一 夫                       西東京市議会議員 相 馬 和 弘                       西東京市議会議員 森   輝 雄    北朝鮮による拉致問題の徹底解明を求める意見書  北朝鮮による日本人拉致問題は、北朝鮮による我が国の主権を侵害した国家犯罪で あるとともに、人道に反する犯罪でもある。長い間、北朝鮮が頑強に否定し、闇に葬 ろうとしてきたこの国家犯罪も、小泉首相の訪朝により、北朝鮮の最高権力者である 金正日国防委員長がその犯罪行為を認め謝罪したことは、この拉致問題の解決に一定 の前進をもたらすものとして評価されよう。しかしながら、こうした謝罪の言葉とは 裏腹に“拉致問題は解決済み”という北朝鮮側の見解に我々は強く抗議するとともに、 北朝鮮側が提供してきた「死亡した」とされる拉致被害者に関する資料のずさんさに、 改めて憤りを感ぜざるを得ない。今般、生存が確認された拉致被害者5名が24年ぷり に祖国の地を踏み、家族や故郷の旧知の友人たちと再会を果たすことができたが、24 年という長きにわたって、一般市民を無法に拉致・拘束し、最愛の家族にさえ一切の 消息を知らせないできた北朝鮮の非人道性に改めて慄然とせざるを得ない。  我々は、改めて北朝鮮に対し強く抗議するとともに、政府のこれまでの拉致問題ヘ の取り組みに対しても遺憾の意を表するものである。日朝国交正常化は外交上の大き な懸案ではあるが、拉致問題という重大犯罪の解明と解決なしにはあり得ないことを、 政府は肝に銘ずるべきである。  よって西東京市議会は、北朝鮮に対し言葉による謝罪にとどまらず誠意と責任ある 対応を求めるとともに、政府に対し、以下の事項について、拉致家族の意向を体した 対応を強く求めるものである。 1 北朝鮮に残された家族の帰国を早期に実現すること。 2 「死亡した」とされ、生存が確認されていない拉致被害者に関する正確な情報と  現地調査を北朝鮮に求めるとともに、拉致の疑いが指摘されている他の事件につい  ても徹底的な調査と解明を北朝鮮に求めること。 3 拉致は北朝鮮による国家犯罪であり、被害者の人権と人生の大半を犠牲にさせた  ことに対し、北朝鮮による国家補償を求めること。 4 拉致被害者及びその家族に対し、特別立法も含め、我が国政府による手厚い支援  を行うこと。 5 北朝鮮に対し、核開発の即時停止及び生物兵器の撤廃と工作船等による違法な情  報収集を直ちにやめるよう求めること。 6 北朝鮮による拉致認定以後、日本国内で発生している日本人による在日朝鮮人に  対する嫌がらせなどをやめさせる手だてを講ずること。  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。    平成14年12月 日                      西東京市議会議長 佐々木 順 一 提出先 内閣総理大臣、外務大臣、内閣官房長官、文部科学大臣、国家公安委員長、     厚生労働大臣