平成13年度施政方針                           西東京市長 保谷高範 1 はじめに  平成13年(西暦2001年)西東京市議会第2回定例会の開会にあたり、平成13 年度の市政執行に関する所見を述べ、市議会の皆様、市民の皆様のご理解とご協力 を賜りたいと思います。  日本経済を取り巻く環境は、依然として厳しく、最近では景気後退と物価下落が 同時に進行するいわゆるデフレスパイラルの様相を呈しています。政府はこれまで、 日本経済の回復を図るために、財政出動を重ね、景気対策として公共投資の追加や、 さらには減税を繰り返し実施してきましたが、いまだ我が国経済が自律的な回復軌 道に確実に乗り切れたとはいえない現状にあります。国と地方を合わせた借入金残 高は、今年度末には国内総生産の1.3倍にも達するといわれ、巨額の累積債務を 抱える極めて厳しい財政状況となっています。こうした中で、去る4月26日に誕 生した小泉内閣は、「聖域なき構造改革」をうたい、「改革断行内閣」として景気に 配慮しつつ、財政再建を含む構造改革を推進する姿勢を示しています。  また、東京都においては、知事の「自らが変わることにより日本を変える」とい う方針のもとに、都政改革を積極的に推進しております。東京都の平成12年度、 13年度の税収は、大都市圏を中心に企業業績が上向き、法人関連税収が回復基調に ある結果として、若干の増加か見込まれる状況にあります。 しかし、平成13年度 予算編成においては、財政再建の手綱を緩めることなく、財政再建推進プランに基 づき、厳しい内部努力を実施するとともに、すへての施策について聖域なく見直し を行うこと、首都東京の再生を目指すための施策を厳選し、確実な実行を図ること を基本に据えております。  一方、西東京市は、多くの市民の皆様のご賛同とこ理解のもとに、「究極の行政改 革」である合併によって本年1月21日、今世紀最初に誕生した市てあります。こ の合併は、旧田無市と旧保谷市の不整形な市域の形状を両市の一体化によって解消 するとともに、少子高齢化、地方分権時代の到来を見据え、将来にわたり様々な行 政課題に適切に対応し得る行財政基盤を備えた行政主体の創出を目的として行われ ました。それだけに、市民の厳粛な負託を受け、西東京市の初代市長に就任し、新 市の行政運営を担うこととなった私には、合併効果をできるだけ早期に発揮し、市 民福祉の向上を図るとともに、合併の公約である新市建設計画に掲げられた各種事 業を着実に実行することが強く求められております。私は、そのような認識にたっ て、議会の皆様や市民の皆様のこ理解、ご支援を得なから、全身全霊を傾けて、新 市建設計画の基本理念である「21世紀を招き、緑と活気にあふれ、一人ひとりか輝 くまち」西東京市を築き上げてまいりたいと思います。  新市のまちづくりを進めるに際しての私の基本的な考え方は以下のとおりであり ます。  まず、私に課せられた第1の使命は、いうまでもなく、新市建設計画に掲げられ た諸課題の解決と計画事業の確実な実行であります。新市建設計画は、合併推進協 議会で市民参加のもとに策定された新市将来構想の理念を引き継ぎ、合併協議会に おいて協議、策定されたもので、合併の際に旧両市の議会においてお認めをいただ いた西東京市のまちづくりの根幹となる計画であります。とりわけ、重点施策とし て掲げられた4つの施策、「(仮称)合併記念公園の整備」「コミュニティバスの運 行」「地域情報化の推進」「ひばりヶ丘駅周辺のまちづくりの推進」については、最 も実現に力を注ぐべき事業として、早期の取り組みを行うほか、他の諸課題につい ても、適正な財政計画を立てながら、計画的かつ着実にその実現に努めてまいりま す。  第2は、新しく発足した西東京市の総合計画の策定であります。新市のまちづく りは、当面は、新市建設計画を基本指針として進めてまいりますが、西東京市にお ける総合的かつ計画的な行政の運営を図るため、それを包含し、発展させた計画と して、基本構想と基本計画からなる西東京市総合計画を策定する必要があります。 このため、「(仮称)西東京市総合計画策定審議会」を設置し、速やかに策定に向け た審議を進めてまいります。  第3は、市民参加条例の制定であります。地方分権時代を迎え、市民に身近な行 政は、できる限り基礎的自治体が担っていかなければなりません。その際、大切な ことは、市民参加を推し進め、市民とともに創る地域行政を確立していくことであ ります。西東京市総合計画の策定、それに基づぐ各行政分野における諸課題の検討 過程や施策の実行段階において、広く市民の意見を取り入れるとともに、多くの市 民との協働によるまちづくりを進めていくことが、今後の市政運営に求められてい ます。そのため、私は、市民参加のルールづくり、市民との協働の仕組みづくりに ついて検討する市民組織として、「(仮称)西東京まちづくり市民会議」を設置し、 「(仮称)西東京市市民参加条例」の制定について検討してまいりたいと考えていま す。  第4は、行財政改革のさらなる推進であります。旧両市においては、これまでも 市民福祉の向上を目指して行財政改革に積極的に取り組んでまいりました。合併協 定においても、それぞれの行財政改革大綱は、「新市に移行後、一本化を図り、継続 して促進する」と定められ、行財政改革は不断に取り組んでいくべき課題となって います。有効財源を生み出すための「究極の行政改革」である合併の効果を確実な ものとし、これからの少子高齢化の更なる進展に伴う行政需要の拡大や地方分権時 代の到来に適切に対応し得る行財政基盤を確立するためには、行財政改革への真剣 な取り組みが欠かせません。このため、「(仮称)西東京市行財政改革推進委員会」 を設置し、本年度中を目途に、新市における行財政改革の基本方針を策定してまい ります。  次に財政状況について述べさせていただきます。 2 国・都の財政状況  平成13年度の国の予算編成は、国内総生産の実質成長率を1.7%程度とする経済 見通しを踏まえ、景気重視の姿勢を示しつつ、深刻化する赤字国債の新規発行を減 らすなど、景気回復と財政再建の両にらみの緊縮・調和型の予算であるとしており ます。その結果、一般会計予算規模は82兆6,524億円、前年度比2.7%の減と6年 振りのマイナスとなる予算となりましたが、政策的経費である一般歳出では個人消 費・設備投資等の民需を中心とした自律的回復軌道への誘導のため、1.2%の伸び率 を確保したものとなっています。  また、地方財政計画では昨年度に引き続き大幅な財源不足が生じることとなり、 国と地方の責任分担の更なる明確化等を図りつつ、適切な補てん措置を講じること とし、地方団体の歳入歳出総額を89兆3,071億円と見込みましたが、前年度比0.4% 増と低い伸び率となっています。歳出においては、経費全般について徹底した節減 合理化を推進する一方、当面の重要課題である景気対策への取り組みを図ることと しています。歳入面では地方税が1.5%増となっているものの、地方交付税が5% 減となっており、その結果、一般財源比率が64.3%と前年度比で0.9ポイント下回 る内容となっています。  一方、東京都の一般会計予算は、前年度比3.6%増の6兆2,060億円と3年ぶり の増加に転じましたが、その多くは公債費の伸びや基金への積立などによるもので あります。政策的経費である一般歳出では0.3%増とほぼ横這いの状況となってお ります。 3 本市の財政状況 本市の財政状況は、都市型対等合併により行政の一体化が実現しましたが、国の 地方財政計画が示すように地方行財政を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあ り、また景気の停滞感が強まるなか、本市の基幹収入である市税をはじめ地方消費 税交付金、利子割交付金等の主要な一般財源の確保に多くを期待することは困難な 状況にあります。さらに、新市においても地方分権の推進、少子・高齢化の進展によ り質・量ともに益々増大する行政需要をはじめ、合併に伴い付加的に発生する特殊な 財政需要にも適切に対応していくことが求められております。  このような状況を踏まえ、平成13年度予算は、新市建設計画の基本理念の実現 に向けたまさに第一歩となる予算であると位置付け、新市建設計画の4つの重点施 策をはじめ各施策の主要事業を着実に推進することを主眼とし、また、合併に際し 実施した市民意向調査における「特に力を入れてほしい施策」の要望結果を尊重す るとともに、各種の事務事業については、適正な水準の確保に努めることを基本的 な考え方として編成しました。  その結果、平成13年度予算は総額590億6900万円、旧田無市と旧保谷市の平成 12年度当初予算合算額と比較しますと59億856万1予円の増、率にして11.1%の 増となります。  歳入については、個人市民税は景気低迷による個人所得の低下等により2.8%の 減となっていますが、法人市民税については、市内大手企業の増益等により19.2% の増であります。固定資産税については、地価の下落傾向により若干の落ち込みが 認められる一方、新増築等による課税客体の増加等により、1.1%の増、都市計画税 については旧田無市域の税率引き下げの影響等を受けて4.2%の減を見込んでおり ます。その結果、市税全体は276億4,843万円で、前年度と比較して0.5%、1億 3,350万円の減額となり、基幹収入である市税は依然として厳しい状況にあります。  利子割交付金については、前年度は郵便貯金の満期が集中したことにより大幅な 増収でありましたが、本年度は前年度比7.2%減の8億5,100万円を計上いたしま した。  地方消費税交付金は、依然として個人消費の低迷が続いているものの、交通・通信 等が好調なことから減少幅が縮小したことなどを踏まえ16億400万円を見込みま した。  地方特例交付金については、恒欠的減税による影響見込額を踏まえ、前年度比 1.9%減の12億3,900万円を見込みました。  地方交付税については、総額で36億3,400万円を見込みましたが、その内訳と しまして普通交付税については、結果として過大見込みとならないことに留意し、 合併に伴う「算定替」により30億円と見込みました。特別交付税については、通常 ルール分を1億円とし、「市町村合併に対する措置」分として5億3,400万円を加 算し6億3,400万円と見込みました。  国庫支出金については、前年度比49.8%増の58億2,152万7予円を見込んでい ます。その主な内容として、(仮称)合併記念公園整備事業で18億円を見込んだほ か、保谷都市計画道路3・4・12号線整備事業で1億1,500万円、さらに合併市町 村補助金で1億7,000万円を見込んだところであります。  都支出金については、前年度比7.1%増の54億1,913万8千円を計上しておりま す。その主な内容として、市道拡幅改良工事等で4億2,675万円、市町村振興交付 金で4億2,020万円、合併支援特別交付金で2億2,100万円を見込んだところであ ります。  繰入金については、新市のまちづくり事業に有効的に活用するため、緑化基金、 都市計画事業基金など6つの基金を統合した「西東京市まちづくり整備基金条例」・ を提案しておりますが、当該基金を(仮称)合併記念公園及び都市計画事業の用地 買収等に充てるため7億1,600万円繰り入れております。その他退職手当基金、少 子化対策基金などの特定目的基金9億1,775万8千円、財政調整基金11億円など 繰入金総額で前年度比18.8%、約6億4,500万円減の27億9,160万6千円を計上 いたしました。  市債については、新市建設計画事業に伴う合併特例債を54億2,520万円、恒久 的減税に伴う財源補てんとしての減税補てん債を4億3,990万円、地方一般財源の 不足に対処するための臨時財政対策債を8億610万円、さらに、その他の通常債と して(仮称)東伏見コミュニティセンター建設事業、保谷都市計画道路3・4・12号 線整備事業、ひばりヶ丘駅北口自転車保管場所用地買収事業など7億1,190万円、 市債総額で約57億円増の73億8,310万円を計上いたしました。なお、合併特例債 の主なものは(仮称)合併記念公園用地買収に38億3,510万円、けやき小学校建 設事業に2億8,300万円、市道だ第77号線道路新設改良事業に4億円、防災無線 設置工事に1億4,740万円などとしております。  性質別の歳出では、義務的経費である人件費については、田無庁舎、保谷庁舎の 有効活用を図ることを基本に、新たな行政課題にも対応しえる組織体制とした上で、 退職者不補充を原則とした職員配置を行って、その総額の抑制に努めました。  扶助費については、旧両市の福祉施策を堅持することを基本に据えるとともに、 市民ニーズによる新たな事業を展開し、保健・医療・福祉の総合的な地域福祉施策 の充実に努めてまいります。  次に、投資的経費は、(仮称)東伏見コミュニティセンターの建設及び(仮称)上向台 地区会館の用地買収、都市計画道路の整備、市道た第77号線の整備、(仮称)合併 記念公園の整備、けやき小学校の建設、小・中学校の施設改修工事、保育園改修工 事、芝久保児童館建設工事費等を計上いたしました。  その他、特別会計への繰出金については、一般会計も大変厳しい財政状況の中、 国民健康保険特別会計へ前年度比10%増の21億8,039万1千円、介護保険特別会 計へ前年度比11.7%増の10億2,315万2千円、老人保健(医療)特別会計へ前年度比 6.4%増の6億8,059万2千円、下水道事業特別会計へは前年度比4.1%減の26億 円などとなり、繰出金総額では前年度比3.8%増の64億9,405万7千円を計上しま した。 4 主要な施策  平成13年度の主要な施策については、「新市建設計画」の施策体系を基本とし主 要事業を述べさせていただきます。 (1)地域の中で支えあう福祉のまち   [ファミリー・サポート・センターの設立]  急な残業や子どもの急病時などにおける変則的な保育二ーズに対応できるよう、 会員組織であるファミリー・サポート・センターを設立し、保育を援助する側とさ れる側の相互援助活動の調整等の業務を行うことにより、仕事と育児を両立できる 環境を整備してまいります。   [病後児保育室の設立]  病気回復期にあって登園できない乳幼児を短期間預がるため、市内2か所の医療 機関に病後児保育室を設置し、ファミリー・サポート・センターの会員の協力も得 ながら、仕事と育児を両立できる環境を整備してまいります。   [芝久保児童館・学童クラブの建替え]  少子化対策臨時特例交付金を活用し、老朽化した芝久保児童館を建替え、児童館 及び学童クラブ、さらに集会所も備えた複合施設を建設し、子育ての環境を整備す るとともに、市民の交流の場として地域の活性化が図れるような施設として整備し てまいります。   [しもほうや保育園、やぎさわ保育園の改修工事]  少子化対策臨時特例交付金を活用し、レもほうや保育画、やぎさわ保育園の改修 工事を実施し、保育園の待機児童の解消に努めてまいります。   [地域福祉計画の策定]  保健福祉施策及び関連施策について総合的に推進していくため、本年度は、市民 意向調査を実施し、地域福祉計画の策定を進めてまいります。   [健康づくり推進プランの策定]  国が推進している「健康日本21」の健康指標を見据え、「一次予防」に一層の重 点を置いた介護予防事業、健康相談機能事業など、市民に密着したきめ細かい健康 づくりに関する事業を総合的・体系的に実施できるよう、市民、関係機関等で構成 する健康づくり推進協議会を設置し、健康づくり推進プランの策定を進めてまいり ます。   [知的障害者入所更生施設のベッド確保]  常時介護を必要とする知的障害者が、地域の中で安心して暮らせるように、居住 の場としての入所更生施設「わかばの家」において、ベッド確保及び緊急一時保護 等の事業を実施してまいります。  [高齢者・障害者向け住宅の確保]  老朽化した泉町及び東伏見の市営住宅の建替えを進め、高齢者住宅、障害者向け 住宅を確保し、土地の高度利用と不燃化による住環境の向上を図ってまいります。  本年度は、泉町市営住宅について、入居者及び地域住民のご協力を得ながら、基 本計画案を策定してまいります。   [痴呆性高齢者等グループホームの整備]  社会福祉法人やNPO並びに地域の活動団体等の協力を得ながら、痴呆性高齢者、 知的障害者及び精神障害者の社会復帰を援助するため、グループホームの整備を進 めてまいります。  本年度は、精神障害者の地域社会における生活の場を確保し、自立と社会復帰を 促進することを目的として、精神障害者グループホームを設置してまいります。   [福祉のまちづくりの推進]  高齢者や障害者等すべての人が住みなれた地域の中で生きがいを持ち安心して暮 らすことができるよう、福祉のまちづくりを進めてまいります。  本年度は、市街地における高齢者・障害者等の快適かつ安全な移動を確保するた めの施設の整備、高齢者・障害者等の利用に配慮した建築物の整備の促進を図る「人 にやさしいまちづくり事業」を活用し、保谷駅の自由通路を整備するとともに、北 口にはエレベーター、エスカレーターを設置してまいります。 (2)環境にやさしく美しいまち   [公園広場の整備]  都市計画道路の整備で生じる残地を有効活用して、都市計画道路沿道にポケツト パークを2か所新設してまいります。また、市内9か所の公園に新たに水飲み場を 設置し、市民の憩いの場を提供していくとともに、障害者や高齢者にも配慮した水 飲み場の整備を進めてまいります。   [(仮称)合併記念公園の整備]  新市建設計画の重点施策である(仮称)合併記念公園の整備につきましては、(通 称)東大原子核研究所の移転に伴い、その跡地を購入し、新市誕生に伴うシンボル 的な公園として整備してまいります。  本年度は、45,620uの用地のうち24,840uの用地買収を行うとともに、西東京 市誕生の記念公園として市民に親しまれる公園となるように、広く市民の意見を伺 い、市民参加により基本計画を策定してまいります。   [環境基本計画の策定]  市民との協働により循環型社会の仕組みづくりを考え、環境基本条例を制定する とともに、環境施策を総合的かつ計画的に進めるための指針となる環境基本計画の 策定に向け検討してまいります。また、I S O14001 の認証取得に向けた庁内推進 体制の構築や調査等を進めていくことにより、環境問題に積極的に取り組んでまい ります。   [(仮称)リサイクルプラザの建設]  貴重な有効資源の活用を目指し、市民参加によるリサイクルの啓発活動及びリサ イクル運動等を行う拠点として、(仮称)リサイクルプラザを建設するため、先行取 得用地に係る所要の経費を計上しました。 (3)若者を育てるまち   [小・中学校の施設整備〕  建築かい一定年数を経過し老朽化した校舎・体育館について、計画的に改築、改 修を推進し、良質な教育環境を確保してまいります。  本年度は、小・中学校体育館の大規模改造事業について、ひばりが丘中学校の体 育館大規模改造工事及び保谷第一-小学校、東伏見小学校、東小学校、柳沢中学校の 体育館大規模改造工事に伴う実施設計を行ってまいります。また、小・中学校の耐 震補強事業については、谷戸小学校、向台小学校耐震補強工事及び芝久保小学校、 谷戸第二小学校、柳沢小学校、上向台小学校の耐震補強工事に伴う実施設計並びに田無第二中学校、田無第三中学校、田無第四中学校の耐震診断を実施してまいります。   [青嵐中学校校舎建替え]  老朽化が進んでいる青嵐中学校については、校舎建替えを検討するうえから、 本年度については、耐力度調査の予算を計上いたしました。   [西原地区小学校統合事業]  西原地区の学校規模の適正化と、良好な教育環境を整備するため、西原小学校と 西原第二小学校を統合した「けやき小学校]の新校舎等を平成15年8月完成を目途に 建設いたします。  けやき小学校は、市民開放型の新たな学校として、児童の教育の場であるとともに、 市民の生涯学習や地域活動などさまざまな教育活動に対応する施設として、教育・ 文化の拠点となるような機能を持った学校を目指してまいります。   [通級学級の開設]  小学校の通常学級に在籍する心身に軽度な障害のある児童に対して、一人一人の 発達を促すことを目的として、通級学級を開設いたしました。本年度谷戸小学校に 開設いたしました通級学級に続き、平成14年度にさらにもう一枚開設を目指してま いります。   [小学校給食の食器改善]  小学校給食の食器改善につきましては、既に10校が改善済となっておりますが、 本年度は、田無小学校、谷戸小学校、向台小学校、保谷第二小学校の食器を強化 磁器食器に改善いたします。   [中学校給食の導入に向け検討]  中学校給食については、市民や専門家等とともに中学校給食の適切な在り方に ついて検討し、導入に向け積極的に取り組んでまいります。   [教育相談機能の充実]  学校不適応等による不登校児童・生徒に対応するため、学校教育相談の体制や 教育相談等の整備を図り、一人ひとりの児童・生徒の抱える不安や悩みを解消 できるよう相談機能の充実を図ってまいります。  そのために、学校教育部に新たに教育相談課を設置し、体制を強化いたしました。   [特色ある教育の実現]  平成14年から新学習指導要領による教育課程が編成実施されることとなります。 この趣旨に沿った特色ある学校づくり、ひらかれた学校づくりを推進するため、地 域の人材を活用した地域教育協力者により、児童・生徒の学習意欲の向上と地域の 人々とのぶれあいの場を整備してまいります。 (4)安全で快適なまち   [都市計画道路の整備]  保谷都市計画道路3・4・12号線の整備については、保谷駅周辺のまちづくりの 都市基盤整備を進めるうえでの重要な路線として、引き続き整備を進めてまいりま す。  また、「みちづくり・まちづくりパートナー事業」による田無都市計画道路3・4・9号 線、保谷都市計画道路3・4・10号線及び保谷都市計画道路3・4・8の1号 線についても、交通の円滑化、歩行者の安全確保及び地域環境の向上を図ることを 目的として、引き続き整備を進めてまいります。  東京都の多摩南北方向道路の重点事業となっている保谷都市計画道路3・2・6 号線については、沿道環境に配慮した質の高い重要な道路として早期に整備するよ う、東京都へ引き続き要請してまいります。   [市道の整備]  田無駅及び公共施設等の利用者の重要路線である市道た第77号線の拡幅改良整 備を実施し、交通の円滑化、歩行者の安全確保及び地域環境の向上を図ってまいります。  また、市民の生活環境の向上を図るため、市道た第12号線、市道た第130号線、 市道た第26号線、市道ほ篤486号線及び市道ほ第487号線他11路線の新設改良等の 整備を進めてまいります。  [コミュニティバスの運行]  新市建設計画の重点施策であるコミュニティバスについ`ては、市内の交通不便 地域の解消と公共施設への利便性の向上を図るため、運行の拡充を図ってまいります。  本年度は、現行キャンバスルートを2分割したルートと新たに保谷駅北ロルート、 芝久保町ルートの合計4ノレートの運行を進めてまいります。また、運行にあたっては、 鉄道駅への接続性を向上させ乗車人員の増加と商店街への誘客に努めるとともに、市民 の足としてより一層親しまれ、さらには西東京市のシンボルになるよう努めてまいります。   [ひばりヶ丘駅周辺まちづくりの推進]  新市建設計画の重点施策であるひばりヶ丘駅周辺のまちづくりについては、市域 が入り組んでいたために一体的な整備を行うことが難しかった駅周辺の整備を、中 長期的に推進してまいります。  本年度は、ひばりヶ丘駅周辺地域としての一体的整備の観点から、南口地区の基 本計画の策定及び北口地区の整備構想の策定を進めてまいります。また、都営亦六 住宅跡地利用等について、東京都及び都市基盤整備公団と引き続き協議し、検討し てまいります。   [保谷駅南ロ地区市街地再開発事業]  保谷駅南口地区の市街地再開発事業については、老朽建築物の更新・店舗等の集 約化による駅前広場の整備、快適で安全な歩行者空間を確保した買物環境の整備、 商業機能の活性化並びに交通機能の充実を図るため、引き続き促進してまいります。  本年度は、引き続き地権者の合意形成を進めるとともに、施設建築物、交通広場 等の基本設計を実施してまいります。   [田無駅南口景観整備事業]  田無庁舎への玄関口である田無駅南口について、西東京市の一方の中心核として ふさわしい景観を創設するとともに、歩行者の交通安全と近隣商業地の商業活性化 を図るため、南口周辺道路の整備を行ってまいります。   [田無庁舎・敷地整備事業]  田無庁舎の整備については、地下1階の改修工事により会議室設置等の整備を行 い、庁舎の有効活用に努めてまいります。   [保谷庁舎・敷地整備事業]  保谷庁舎の整備については、1階事務室のOAフロアー化及び東分庁舎のバリア フリー化等の施設改修工事を実施し、市民サービスの一層の向上に努めてまいりま す。   [緊急物資の充実]  災害発生の初期段階において、迅速かつ円滑な救援物資態勢を確立するため、災 害時生活用品、備蓄医薬品等の充実を図るとともに、それらの備蓄品を保管する防 災備蓄倉庫を計画的に配置してまいります。   [地域防災無線の増設工事]  災害時において、市民の生命・財産の安全を確保するため、市域一体的な情報連 絡網の整備充実を図ってまいります。このため、平成12年度に開局しました地域 防災無線について、本年度はさらに70か所の増設をしてまいります。 (5)さまざまな産業が育つまち   [地域産業の育成]  本年度は、商工会と緊密に連携をとり、商店街の活性化に役立てることを目的と した広域商業診断調査やインターネットにホームページを展開する新たな販売促進 活動事業を支援し、商店街等の地域経済の振興を図ってまいります。 (6)市民が参加する活力あるまち   [特定非営利活動団体(NPO)等との協働及び支援〕  福祉分野や文化活動などの市民の非営利活動を一層促進していくため、NPO等 との協働のあり方の検討や、事務環境の整備などの支援について、市民を中心とし た「まちづくり市民会議」において検討してまいります。   [地域情報化の推進]  新市建設計画の重点施策である地域情報化を推進することにより、市民サービス の向上に努めてまいります。  本年度は、公共施設の空き情報や予約のワンストップサービスを実現するため、 公共施設予約管理システムの開発を進めてまいります。また、インターネットの特 性を活かした行政サービスとして、より新しい情報を市民に提供していくため、引 き続きホームページを充実してまいります。  なお、地域情報化を総合的、計画的に推進していくため、本年度、地域情報化計 画策定審議会を設置し、地域情報化計画の策定に向け検討してまいります。   [市章の制定・新市誕生記念事業]  西東京市の誕生にあたり、市民から市章のデザインを公募し、新市誕生1周年に あわせて市章を制定してまいります。また、西東京市誕生1周年に向け、市民を主 体とする記念事業を実施してまいります。   [平和都市宣言]  世界の恒久平和を願い、新市としての意思表明をしてまいります。そのため、市 民による手づくりの宣言文をとの考えから、宣言文を市民から募り、新市誕生1周 年にあわせて都市宣言をしてまいります。   [男女平等の推進]  男女平等施策専任組織を中心として、男女平等感に立った社会参加を促進するた め、男女平等推進フオーラムの開催及び男女平等推進情報誌の発行等を実施してま いります。   [(仮称)上向台地区会館の建設]  豊かな地域社会の形成と市民文化の向上を図るため、(仮称)上向台地区会館の建 設を進めてまいります。このため、本年度は、用地の購入及び建設に向けた実施設 計に係る所要の経費を計上しました。   [(仮称)東伏見コミュニティセンターの建設〕  地域コミュニティの醸成のための環境整備を進めるため、市民にとって身近な施 設として(仮称)東伏見コミュニティセンターの建設を進めてまいります。このた め、本年度は、建設工事に係る所要の経費を計上しました。 5 おわりに  西東京市は、都市型合併の先進市として、全国的にも注目を浴びてまいりました。 本年度は、新市としての実質的なスタートにあたる極めて大切な年度であります。 西東京市の新たなまちづくりの始まりにあたり、さらなる市民福祉の向上並びに新 たな行政課題に積極的に対応していくとともに、新市建設計画を着実に実施し、西 東京市の発展に向けて全力で取り組んでまいる所存でございます。合併先進市とし て、自信を持って語れるような西東京市を創造していくことが、今まさしく私に求 められている責務であるど考えます。  何卒、市議会及び市民の皆様の深いご理解とご協力を心からお願い申し上げ、施 政方針を終わらせていただきます。