平成12年陳情第16号  平成12年5月24日受理    国民本位の公共事業の推進と執行体制の拡充を求める陳情書 【陳情の趣旨】  我が国は、世界第2位の経済大国と言われていますが、国民生活や経済の基盤 である道路・河川等の社会資本整備は、欧米諸国と比べまだまだ立ちおくれてい ます。「災害列島」と呼ばれる日本の国土整備・保全事業を推進する上で、公共 事業、とりわけ直轄事業の果たす役割は一層大きくなっています。  政府は、98年6月の中央省庁等改革基本法(行革基本法)の成立に続き、昨 年7月に中央省庁を1府12省庁に再編成する省庁再編関連法と、84の機関・ 業務を独立行政法人に移行する独立行政法人通則法及び12月には独立行政法人 個別法を成立させ「行政改革」を推進しています。また、4月27日に閣議決定 された国家公務員定員の25%削減を明記した「国の行政組織の減量・効率化計 画」により、行政のスリム化計画の推進を具体化しています。  こうした状況下で、公共事業・直轄事業は、2001年1月から国土交通省、 地方整備局で執行することとなっており、その執行体制は、2000年の6月か ら7月と予想される新省庁設置法に関する政省令の閣議決定で明確にされること となります。  一方、公共事業に関して地方分権推進委員会が求めた国と地方の役割分担の見 直しについて、道路審議会は、昨年7月に「直轄管理区間の指定基準のありかた」 を、河川審議会は、8月に「一級水系指定等の考え方及び基準」をそれぞれ答申 し、従来の直轄事業の縮小・見直しの方向を明らかにしましたら  中央省庁の続廃合にあわせて進められているこうした行政改革の各施策にかか わって、行政の減量化、効率化や民営化を追求するが余り、国・直轄事業の役割 や公共事業の本来の目的を失うような政省令の策定や定員削減・直轄事業の見直 しを行うことなく、国民・住民本位の公共事業・直轄事業を推進する上で必要な 執行体制の整備・拡充を図ることと、それに必要な職員数の確保を行うことなど、 下記6項目の陳情項目について採択の上、その実現を内閣総理大臣、大蔵大臣、 総務庁長官、建設大臣、関東地方建設局長、京浜工事事務所長、荒川下流工事事 務所長、江戸川工事事務所長に対して意見書を提出していただけるようお願いい たします。                記 1 国民への行政サービスの低下を招く、行政のスリム化計画である「25%削  減」は強行しないこと。一律の定員削減は行わず、行政ニーズ・実態に応じた  定員の確保を行うこと。 2 国土交通省の政省令の策定に当たっては、国民本位の公共事業・直轄事業推  進にふさわしい体制を確立すること。 3 直轄区間の見直しに当たっては、地域の実態や意見を尊重し反映する手だて  を講ずること。 4 公共事業の公正・民主・効率的な執行や良質な社会資本整備のために、事務  所・出張所の統廃合を行うのではなく、それに見合った機構整備・拡充と必要  な職員を確保すること。 5 地方分権は、地域間格差を拡大しないよう配慮して行うこと。 6 地方財源を一層悪化させる補助金の廃止・削減は行わないとともに、地方自  治の拡充のために税源配分の見直しを行うこと。   平成12年5月24日                陳情者代表                 横浜市鶴見区鶴見中央2−18−1                  全建設省労働組合                  関東地方本部 京浜支部                  支部長  安  藤  廣  −  保谷市議会議長   渡  部  保  男 殿