平成12年陳情第39号  平成12年11月24日    国民本位の公共事業の推進と京浜工事事務所の執行体制の拡充を求める陳情書 【陳情趣旨】  日本列島を襲う火山噴火や地震、豪雨による災害などで多くの被害がもたらされ、国 民の命と安全を守る地震観測・予知・防災・国土保全・生活関連重視への転換が今求め られます。しかし、国民生活や経済の基盤である道路・河川などの社会資本整備は、欧 米諸国と比べてもまだまだ立ちおくれており、とりわけ直轄事業の果たす役割は一層大 きくなっています。  政府は、99年4月27日に閣議決定された国家公務員の25%削減を明記した「国 の行政組織の減量・効率化計画」により、その一環として2001年度以降の5年間 で国家公務員を5.07%も削減する「新たな定員削減計画」(建設省分5.9%、 1,374人)を2000年7月18日に策定するなど行政のスリム化計画の推進を具 体化しています。  こうした状況下で、公共事業・直轄事業は、2001年1月から国土交通省、地方整 備局で執行することとなっています。  一方、公共事業に関して地方分権推進委員会が求めた国と地方の役割分担の見直しに ついて、道路審議会が1999年7月に「直轄管理区間の指定基準のありかた」、河川 審議会は同年8月に「一級水系指定等の考え方および基準」をそれぞれ答申し、従来の 直轄事業の縮小・見直しの方向を明らかにしています。また、今年8月28日に与党3 党が公共事業の見直し案233件を発表、建設省は別に独自見直し事業34件を発表し ました。  中央省庁の統廃合に合わせて進められているこうした行政改革の各施策にかかわって、 行政の減量化、効率化や民営化を追求するが余り、国・直轄事業の役割や公共事業の本 来の目的を見失うような国家公務員の定員削減・直轄事業の見直しを行うことなく、国 民・住民本位の公共事業・直轄事業を推進する上で必要な執行体制の整備・拡充を図る こと、それに必要な職員の確保を行うことなど、下記7項目の陳情項目について採択の 上、その実現を内閣総理大臣、大蔵大臣、総務庁長官、建設大臣、関東地方建設局長、 京浜工事事務所長に対して意見書を提出していただけるようお願いいたします。                記 【陳情項目】 1 国民への行政サービスの低下を招く、行政のスリム化計画である国家公務員の  「25%削減」は強行しないこと。一律の定員削減は行わず、行政二ーズ・実態に応  じた定員の確保を行うこと。 2 土木研究所・建築研究所の独立行政法人の業務は、防災・環境・安全などに配慮し  た、国民生活密着型の公共事業に関する技術を反映した基礎的な研究を基本とし、そ  の上で応用研究や開発研究を行うこと。 3 国土交通省への移行に当たっては、住民本位の公共事業・直轄事業推進にふさわし  い体制を確立すること。 4 直轄事業区間の見直しに当たっては、地域の実態や意見を尊重し反映する手だてを  講ずること。 5 公共事業の公正・民主・効率的な執行や良質な社会資本整備のために、事務所・出  張所の統廃合を行うのではなく、それに見合った京浜工事事務所・出張所の機構整  備・拡充と必要な職員を確保すること。 6 地方分権は、地域間格差を拡大しないよう配慮して行うこと。 7 地方財源を一層悪化させる補助金の廃止・削減は行わないとともに、地方自治の拡  充のために税源配分の見直しを行うこと。   平成12年11月24日                  陳情者代表                   横浜市鶴見区鶴見中央                    全建設省労働組合 関東地方本部京浜支部                    支部長  小  田  實  郎 保谷市議会議長  渡  部  保  男 殿