平成11年陳情第34号  平成11年9月16日受理     本町5丁目新障害者福祉センター建設に関する陳情書  私たちは、心身に障害を持つ本人(または家族)と、当事者ではないが「障害 がある人にもない人にも住みよい社会」を願う市民が中心となった、新障害者福 祉センター建設を要望する住民の会です。  私たちは、障害者にあらゆる面での社会参加が保証されている社会こそ、障害 のない人にとっても住みよい社会だと考えます。障害者の社会参加を保証するた めには、制度の壁を取り除くと同時に、心の壁を取り除かなければなりません。 心身に多種多様な障害を持った人に対し、たまたま障害を持たずに生まれてきた 人が気づかないうちに持ってしまいがちな偏見や差別、たまたま事故や病気にな って初めて気がつくそのような心の壁が障害になって、社会参加ができにくいと いうのが今の社会状況ではないでしょうか。  まず、制度の面から保谷市の現状を見ますと、就学においては障害児学級が小 中学校それぞれ市内にたった1校しかありません。また、各地域で積極的に取り 組まれている通級学級も、やっと検討が始まったばかりです。そして就労におい ても一般企業への就職に対する支援制度もなく、福祉作業所も来年度以降希望し ても、定員オーバーを理由に待機者が出ることが予想されている状況です。障害 者にとって、社会参加の基本になる就学、就労の場も十分保証されていないのが 保谷市の現状です。  次に、心の面を考えますと、現在、障害者福祉に積極的にかかわろうとしてい る市民がふえつつあることは、心強くありがたいことです。少なくとも私たちは、 そのことが単にその障害者を助けるだけではなく、自分自身も成長でき、時には、 障害を持ち一生懸命生きている姿に、教科書やマニュアルにはないものを教えら れることがあることを、経験という形で知っています。  経済的な成長がほとんど見込まれず、先行きが不透明な現代においてこそ、市 民一人一人が心の成長を求められるべきであり、また市が心の成長を促すことこ そが現代の正しい行政であると信じてやみません。  現在本町1丁目に設置されている障害者福祉センターは、地域との交流を積極 的に行い、多くの市民に障害者への理解を深める役割を担ってきました。しかし、 主たる事業である機能訓練は希望者が多く、機能回復、機能維持に必要な訓練を 十分受けられない状況です。また、緊急一時保護事業は事業として実施できてい ないのが現状です。その他、給食サービス、入浴サービスなどデイサービス事業 に欠かせないサービスも、実施の方向が見えてきません。  障害者が生きていくために、暮らしていくために必要で現在不足している療育、 訓練、指導が医療機関との提携のもとに受けられ、障害者が集まりお互いに勇気、 希望を与えられる場所、そして、学校での体験学習や一般企業の研修やボランテ ィア休暇の場としても活用でき、「障害者にも優しい保谷市」をアピールする、 本町5丁目新障害者福祉センターの設立と健全なる運営を切に望み、下記の項目 を要望いたします。                 記 1 市民参加で進めてきた「保谷市障害者基本計画策定・検討委員会」が、中間  報告として、1998年3月に発表した「障害者施設整備計画」の提案どおり、  本町5丁目の市有地に新障害者福祉センター(障害者自立・社会支援センター)  を一日も早く建設してください。 2 新障害者福祉センター建設のための具体的な計画及び運営方法を市民参加の  もとで意見交換できる場をつくってください。 3 保谷市における障害者福祉の現状は、決して満足できる水準にないことは明  らかです。本町5丁目に新障害者福祉センター建設実現前にも、緊急一時保護、  食事サービス、入浴サービスなど、現在ある施設を利用するなどの工夫で、少  しずつでも実現できるように進めてください。                                以  上   平成11年9月14日              陳情者代表               保谷市本町               新障害者福祉センター建設を要望する住民の会                代 表 芳 賀 敏 美  保谷市議会議長   渡 部 保 男 殿