平成11年陳情第55号  平成11年12月2日受理     保谷市公民館設置及び管理等に関する条例(案)についての陳情書 陳情趣旨  11月2日に教育委員会で決定され、12月市議会に市長より提案されている「保谷市公民館設置及び管 理等に関する条例(案)」(以下、条例改悪案と略記)は、保谷の教育史上の汚点というべきものである。 条例改悪案が保谷の教育史上の汚点であることの理由は、以下の諸点である。  第1に、現在の独立館方式から中央館−分館方式への変更という11月2日の教育委員会の決定は、昨 年3月30日に教育委員会自身が行い、まだ実施途中の「独立館方式の維持」という決定に相反するもので あるのにかかわらず、この間市民にも、公民館運営審議会にも社会教育委員の会議にも、館長以外の公民館 職員にも何ら相談もなく、したがって、彼らからの何らの意見聴取もなく行われたものである。また、教育 委員会の議題に上がったのも決定当日の会議のみである。さらには、この教育委員会の議事録も公開されな いうちに条例改悪案は市長より市議会に提案されてしまい、必要な周知期間というものを無視してしまって いる。したがって、これら一連の行為は極めて非民主的かつ横暴な行為であると断ぜざるを得ない。  第2に、教育長のこれまでの発言から、社会教育法の「改正」(以下、来年4月1日から施行される社会 教育法を「改正」社会教育法と略記)が条例改悪案提案の理由の一つに挙げられているが、「改正」社会教 育法は現行の社会教育法の「規制」を「地方分権」の名のもとに緩和したものであるから、各自治体の現行 条例と、よほどのことがない限り矛盾しないし、保谷市の現行条例とも何ら矛盾しない。また、保谷市との 合併を既定方針とする田無市当局は合併まではすべての条例を改正しない方針をとっており、したがって、 公民館に関する条例も「改正」社会教育法のもとでも現行のままとなる。田無市の公民館長が、11月2日 の保谷市教育委員会の決定に驚き、この時期に条例を「改正」する意図をただしに保谷市の公民館と教育委 員会を来訪しているが、市当局が合併を前提にするならば、条例をこの時期に「改正」するのは常識的では ない。したがって、条例改悪案提案は極めて非常識かつ作為的な行為と断ぜざるを得ない。  第3に、現行の社会教育法ではもちろんのこと、「改正」社会教育法でも「住民参加の推進」が基本精神 であることに変わりはない。「改正」社会教育法では、この「住民参加の推進」を実現する方法の選択の幅 が国の責任の後退に反比例して拡大したのである。前述したように、社会教育法「改正」に伴って各自治体 が現行条例を改正しなければならない必然性はないから、現行条例を改正する以上は「住民参加の推進」の 基本精神にのっとって、「住民参加」の現状を前進させるものでなければならない。ところが、条例改悪案 は行政が公民館を管理することばかりが書かれているが、「住民参加の推進」の精神の欠片もなく、公民館 をどのようなものとして構想しているのかすら判読できない。決定過程のずさんさが、内容のずさんさに物 の見事にあらわれてしまっているのである。したがって、条例改悪案は極めてずさんな没理念的なものと断 ぜざるを得ない。  以上、関係機関への一切の相談もなく教育長が提案し、提案された教育委員会がその日のうちに決定して しまい、そのずさんな過程を考慮せずに市長から提案された「保谷市公民館設置及び管理等に関する条例 (案)」は、その決定過程から見ても内容から見ても、保谷の教育史上の汚点であると断ぜざるを得ない。こ のような条例案が、行政のチェック機関であり、良識を期待されている保谷市議会で承認されることは保谷 市民として忍びがたい。  よって、以下陳情する。 陳情項目  1「保谷市公民館設置及び管理等に関する条例(案)」を否決すること。   平成11年12月2日                              陳情者代表                               保谷市ひばりが丘                                保谷の社会教育をよくする会                                代 表  土  岐   一 保谷市議会議長  渡  部  保  男 殿