議員提出議案第3号    東京地方・高等裁判所の裁判官の増員に関する意見書  上記の議案を提出する。   平成12年3月27日提出                  提出者  茂 木  千佳子                  賛成者  安 斉  慎一郎                   〃   林    一 夫                   〃   浅 野  高 司                   〃   佐々木  順 一                   〃   麦 倉  一 眞                   〃   葉 原  時 美                   〃   石 毛    茂                   〃   森    輝 雄 保谷市議会議長   渡  部  保  男 殿 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    東京地方・高等裁判所の裁判官の増員に関する意見書  我が国の社会は急速に高度化・国際化が進み、それとともに法的な紛争も増大 し、かつ複雑・多様化しています。このような紛争に対し、市民に身近で使いや すい解決手段を提供し、適正かつ迅速に解決することは司法の重要な役割です。  21世紀の我が国は、規制緩和のもとに自己責任の原則にのっとった自由競争 社会を目指しています。その中で、透明性ある公正なルールに基づいた司法機能 の充実に対し、市民の期待が高まっています。ところが、裁判に対しては、解決 までに時間がかかる、十分な審理をしてもらえないという批判が多く寄せられて います。これを早急に解決する必要があります。  東京や大阪などの大都市の地方裁判所の民事裁判官が単独で担当している訴訟 事件数は約250件にも上っています。また、東京高等裁判所の民事裁判官が主 任として担当している事件数は、裁判官1人当たり110件弱ですが、高等裁判 所の事件は地方裁判所において1度判決がなされた事件であり、一般に複雑で事 件記録も多い事件です。このような状況は、裁判官に過重な負担となっており、 日本弁護士連合会が元裁判官に対して行った調査でも、多忙さが証拠調べや判決 に影響を与えるとの重大な結果が出ています。裁判官の多忙さは、市民の適正か つ迅速な裁判を受ける権利に大きな影響を与えています。  裁判官の担当事件数の多さは、裁判官数の少なさに起因していることは明らか です。  昭和49年(1974年)と平成8年(1996年)を比較すると22年の間 に地方裁判所の民事事件数は62%ふえ、弁護士数は56%ふえたのに対し、裁 判官の定員はわずか8.8%(168人)ふえただけにとどまっています。  もちろん、裁判官を増員するには、裁判所予算を増額する必要があります。し かし、司法権は三権の一つであるにもかかわらず、国家予算に占める裁判所予算 の割合は昭和30年の0.9%から減少し続けており、現在は0.4%弱にすぎ ません。  よって保谷市議会は、下記の事項を強く要望するものです。                記  市民の適正かつ迅速な裁判を受ける権利を保障するため、東京地方裁判所及び 東京高等裁判所の裁判官を大幅に増員すること。  以上、地方自治法第99条第2項の規定により意見書を提出する。  平成12年3月  日                     東京都保谷市議会議長                        渡  部  保  男  内閣総理大臣 あ て  法 務 大 臣