議員提出議案第8号    森内閣総理大臣の「神の国」発言の撤回を求める意見書  上記の議案を提出する。   平成12年6月7日提出                     提出者  石 毛   茂                     賛成者  林   一 夫                      〃   茂 木 千佳子                      〃   高 梨   功                      〃   森   輝 雄  保谷市議会議長    渡  部  保  男 殿 ──────────────────────────────────────    森内閣総理大臣の「神の国」発言の撤回を求める意見書  森喜朗首相は、去る5月15日「神道政治連盟国会議員懇談会」におけるあいさ つで、「日本は天皇を中心にしている神の国であるということを国民の皆さんにし っかりと承知していただく」との発言を行った。  この発言をめぐって、国内外から「神国思想を復活させ国民に徹底したいという 発想は大日本帝国憲法に近い考えであり、撤回すべきである」「戦前の宗教団体が 弾圧されたことを思い出し慄然とした」との批判の声が広がっている。  発言に対する反響の大きさに、森首相は参議院本会議で「誤解を与えたならおわ び申し上げる」と前提つきの陳謝はしたものの、去る5月26日に改めて記者会見 を開き「十分に意を尽くさない表現により、多くの人に誤解を与えたことを深く反 省している」とみずから非を認め、「国民の皆様に心からおわび申し上げる」と改 めて陳謝したが、歴史的事実や憲法の基本理念「国民主権」「恒久平和」「信教の 自由」「政教分離」を誤解しているのは森首相自身であり、国民が納得するわけは ない。この発言についてアジア諸国に与える影響も心配せざるを得ず、深刻な問題 としてとらえるべきであり、首相の記者会見における釈明にもかかわらず、なお 「神の国」発言については陳謝はすれど撤回には応じようとしない。  また6月3日、奈良市で行った演説で「国体を守る」という言葉を使った。 「国 体」は、戦前、天皇を中心にした国のあり方を意味するものとして使われた歴史的 事実がある。このことは首相の資質を問われるものである。また、国民の怒りを買 っており、まことに遺憾である。  よって保谷市議会は、「神の国」発言の全面撤回を強く求めるものである。  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。   平成12年6月  日                        東京都保谷市議会議長                           渡  部  保  男  内閣総理大臣  あ て