議員提出議案第26号    東京の農業を守り、振興を図るための東京都の施策を求める意見書  上記の議案を提出する。   平成12年12月11日提出                   提 出 者  保 谷 清 子                   賛 成 者  佐 藤   満                     〃    岩 越 笙 子                     〃    茂 木 千佳子                     〃    森   輝 雄                     〃    二 木 孝 之                     〃    林   一 夫 保谷市議会議長   渡  部  保  男 殿 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    東京の農業を守り、振興を図るための東京都の施策を求める意見書  輸入農産物の激増、価格の暴落などで、東京の農業をめぐる情勢はかってなく厳 しい状況下に置かれています。こうした中で、農業に愛着や意欲を持ちつつも「農 業を続けることができるかどうか」などの不安の声が出されています。東京の農業 のこの間の歴史的推移を見ても、高い農地課税・農産物の価格の低下などで、農地 や担い手が大幅に減少し、生産基盤の後退は現在も続いています。  東京の農業を守るためには、農家の経営努力と消費者のニーズにこたえた栽培や 努力が必要です。しかし、現状は農家の自己努力によって打開できるような状況で はありません。  東京都が、今農業がどのような状況に置かれているかについて、しっかりとした 理解を持って東京の農業を守り、振興のための努力を行うことが極めて重要です。  東京都生活文化局の取り組んできた「東京ふるさと野菜供給事業」は、事業目的 は、物価安定を柱にしたものですが、農家にとってもキャベツの価格保証があるた め、安心してキャベツの生産に励めると喜ばれてきたものです。保谷市でもキャベ ツを市の特産作物として奨励してきました。本事業を通した契約出荷は155トン にもなっています。  ところが、生活文化局は来年度この事業を中止することを打ち出しました。農家 の人たちからは「既に作付の準備も進めているのに」「今後、何をつくればいいの か」との戸惑いの声と、「ぜひ、事業の継続を行ってほしい」という切実な要求が 出されています。  本事業がなくなれば、保谷市以外にもキャベツを大規模に生産している練馬区の 農家などが大きな打撃を受け、農業を続けることが困難になることが予想されます。 減少を続ける東京の農地がさらに減少していくことは明らかです。  保谷市議会は、東京の農業を守り振興を図る立場から東京都が、生活文化局の 「東京ふるさと野菜供給事業」の継続を図ることと、労働経済局などを中心として 農家の経営を支援する新しい事業に取り組むことを強く求めます。  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。   平成12年12月  日                      東京都保谷市議会議長                        渡  部  保  男 東京都知事 あて