「保谷市及び田無市の廃置分合について」 <賛成討論> 議案57号「保谷市及び田無市の廃置分合について」に賛成の立場で討論をいたします。 本議案は保谷市・田無市を廃して両市域を持って西東京市とすることについて、地方自治法第7条5項に定める議会の議決を求めたものであります。 私は住民自治の観点から基礎的自治体はあまり大きくないほうがいい、5万ないし6万人を上限にするべきだとの考えを持っております。 近年、地方分権といいながら道州制であるとか合併とかを主張することがはやっておりますが、市民意志を的確に把握したり、市民合意を作り出すといった観点に立った場合、大きくなることは逆行でしかないと考えます。 私は合併で大きくなった行政が力を持ち、住民自治が後退する恐れがあり、依然として合併に懐疑的であります。 今回の保谷市・田無市の合併について言えば、理念の上からも実際の進め方においても市民の総意を集めるという住民自治の考え方にたったものではなかった、合併の未来は住民軽視なのかとの印象を禁じえないものであります。 今なお市民のあいだには今回の結末に納得していない方々がおおぜいいるという事実を厳しく受け止めなければなりません。 保谷市は東京区部という大都会のすぐ周縁部にあり、自治体として大きくなる必要があるとは思えません。私は駅への利便性、都心部への利便性という地理的条件を利用した町作りを主張し提案してきました。 保谷市は町村を周辺に持つ地方の自治体のように、なんでもかんでも自区内に持つ必要のない恵まれた位置にあって、他市への羨望や虚栄心を捨て去れば、それなりに豊かで面白い町作りを進めて行けると思っておりました。 しかし、私は合併の協議から除外されて、私の意見や提案は一切取り上げられる機会さえなく、実に残念でした。 今回の意向調査において、賛成の市民が投票資格者の28%しかなかったとか、よくわからないという市民が多くいたとか、行政の説明に不足があったとかさまざまに批判されております。この批判を軽視することは出来ません。 しかし、市民に開かれた投票という機会において、市民の意志が合併を選択したこともまた事実であります。私はその市民の意志を受け止めてこの議会に臨んでいます。 行政が市民から遠ざかった分だけ、行政のチェック役としての議員の役割も大きくなったものと理解しつつ、なお住民自治の実現に向けて合併という現実の中で努力していきたいと思っております。 市内をいくつかの地域に分けて、地域ごとの自治を進めていくようなシステムの構築や、市民の目に見え、納得を得られるような、そんな町作りを目指すことを表明して本議案に賛成をいたします。 |