日本政府は米国政府に対し「報復戦争」ではなく平和的な手段によって問題の解決を図るよう申し入れることを求める要望書 |
市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク |
市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク 日本政府は米国政府に対し「報復戦争」ではなく平和的な手段によって問題の解決を図るよう申し入れることを求める要望書9月11日、アメリカ合衆国で発生した「同時多発テロ」事件は、数多くの人が犠牲となる大惨事となりました。こうしたテロ行為は、絶対に許されるものはありません。犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表するものです。 しかし、アメリカ政府が進めようとしている武力による「報復」はさらに大きな暴力と憎しみの悪循環を引き起こすだけで問題の解決をより困難にするだけです。 アメリカ政府は国連憲章第二条の「全ての国際紛争は、まずは平和的手段で解決しなければならない」を遵守し、国際法にのっとった平和的解決をめざすべきです。そして、こうした大量殺戮は、国際犯罪として、国連など国際社会が国際刑事法廷を設置し、その実行犯や共犯者を国際法に基づいて公正に処罰すべきです。 自爆テロという絶望的な反抗形態が生み出される原因はどこにあるのでしょうか。 アメリカはこれまで、ベトナム戦争や湾岸戦争で、南米やアジアの独裁政権援助で、スーダンや旧ユーゴ爆撃で、そして、何よりもイスラエルを支援し、パレスチナ民衆を弾圧することで、直接、間接に多くの民衆の命を奪ってきたことを世界の人びとは記憶しています。 そして、現在アメリカは途方もない貧富の格差や環境破壊を引き起こすグローバル化を世界の圧倒的多数の人びとに強権的におしつけています。 このような米国に対して、世界中の民衆の中に怒りと批判が渦巻いています。米国自身が作り出したこのような世界状況こそが、今回の事件の歴史的な背景になっているのです。 今こそ、テロが生み出される背景にある貧困や差別、異文化の対立をなくすための地球規模での取り組みが求められています。こうした活動の先頭に立つことこそがアメリカ及び日本政府・国民の取るべき対応なのです。 ところが、小泉首相はいち早く「日本はアメリカの報復を全面的に支持する」と発言し、アメリカの軍事行動に追随する態度を露わにしました。これを受けて日本政府は「有事立法」や「自衛隊法」の改悪も視野に入れて「報復戦争」に自衛隊を参加させようとしています。危機管理体制を強化し、社会全体を軍事化し、戦争の出来る国家へと作り直そうとする動きを私たちは断じて容認することは出来ません。 小泉首相は、自らの発言をすみやかに撤回するとともに、アメリカ政府に対して武力行使を止め、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して問題解決の方策を探るよう説得すべきです。そのことのみが悲劇の再発を防ぐ唯一の方法なのです。広島や長崎を経験し、平和憲法を持つ国として日本政府は軍事的報復によらない平和的手段によるテロの撲滅に向けたイニシアティブを発揮するべきです。 「市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク」は、日本政府が、平和憲法の精神にのっとった平和的で理性的な国際外交のイニシアティブを取ること、さらに、テロの原因となる世界経済の不均衡や人権侵害などの不正義の解決に向けて積極的に取り組むことを強く求めます。 2001年9月24日 市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク
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