住民基本台帳ネットワークシステムに関する申し入れ書
8月5日に西東京市長に対して申し入れました


   西東京市長
   保谷高範 様
西東京市議会議員 森 輝雄


 本日8月5日に稼動を始める住民基本台帳ネットワークシステム(以下、住基ネットと略記)に、残念なことに西東京市は全面的に参加することになっています。

 住基ネットについては、法整備の遅れを含め個人情報の保護が万全に行われない恐れがあることから、さまざまな問題の発生が危惧されています。そこで、私はいろいろな機会を通じて本日の稼動開始を延期するように国に働きかけてきました。また、各自治体に対しても参加をしないように要請をしてきました。先日はあらためて「市民自治をめざす三多摩議員ネットワーク」として、8月5日稼動への参加を見合わせるように求めた要望書を、西東京市を含む三多摩の各市町村に出しています。

 住基ネットは全市町村が参加し、全国民の4つの個人情報を網羅することが不可欠と説明されてきました。しかし、杉並区、国分寺市、矢祭町が住基ネットから離脱し、横浜市は個人の選択性を採用し、市民の意思を確認した後に参加することを決めるなど、すでに稼動の前提が崩れています。そんな中で、稼動を強行しようとする国に無批判に追随するようなことは、市民の個人情報を預かる自治体として採るべき対応ではありません。

 そもそも個人情報は当該個人に属していて、基本的人権たるプライバシーの重要な部分を占めています。その収集、利用等に本人の承諾が必要なだけでなく、当該個人には自己情報をコントロールする権利も存在します。行政は個人情報の保護を前提にして市民の情報を収集・保管・利用しているのであって、個人情報を安易に目的外利用させることは、行政への信頼性を大きく損なわせることになります。その結果として行政運営に重大な支障が出ることになるのは当然のことです。

 自治体は言うまでもなく、国の下請け機関ではありません。また、住基ネットにかかわる事務は自治事務であって、その意味からも、自治体の独自な判断で対処できるものと考えています。

 貴職におかれては、かかる諸般の事情を踏まえ、個人情報の保護を計るとともに、本当の意味での自己責任の原則を明確にし、以下の点を実行されるように申し入れます。


 1、市民個々の、住基ネットへの接続希望の有無を確認し、データの送付は希望者のみと
   すること。
 2、希望しない市民のデータが既に送付済みの場合は、データ消去を要求すること。
 3、上記が認められない場合は、住基ネット離脱を含む有効な手段を講じること。

   以上。



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