納得できる未来は情報の徹底公開から |
合併の特例で借金のできる枠が大きくなりました。自治体の借金は建設事業を対象にしたものですから、いわゆる「箱もの作りの予算」です。 市町村にとって、この借金ができること、それも還す時に金利を含めた7割を国が面倒を見てくれることが合併の最大の動機になっています。 しかし、箱ものは作れば終わりというわけには行きません。のちのち維持管理費もかかるし、有効活用を考えれば事業費も必要になります。この分については、国はいっさい面倒を見てくれません。3割の自己負担とあわせて、市民負担になります。 ここまで考えて、市民にとって必要かどうかを、市民自身の責任で決めていくことが必要です。合併特例債を使った事業の、財政も含めた結果が出てくるのは10年、15年先になります。この頃に、この事業を推進した市長、議員、幹部職員ははたして在職しているでしょうか。結果を担うことになる市民が、政策やその優先順位を決めるのが当然だと私は考えています。 市民が決める意味はもうひとつあります。国の公共事業の中で、既にその役割も効果も終わっていると思われるものが惰性のように続けられ、税金を垂れ流しつづけていることはご存知だと思います。なぜ辞められないのでしょうか。やると決めた責任者が在任していないからです。決定だけが残って決定の責任者がいない、だから、選びなおしが出来ない状態になっているのです。市民が決めたものであれば、必要が無くなった、見直さなければならなくなった、こんな時に市民の意思で選びなおしができるのです。 市民が政策やその優先順位を決めるためには、それらを検討し判断する情報が不可欠です。18万人の西東京市民の中には、実に多くの専門的知識の持ち主がいます。そんな市民に情報が伝われば、自分の持つ知識を駆使して発言する市民が出てきます。そうした不特定多数の市民に発言の権利を保障すること、行政が発言に答える義務を負うことで、政策や事業を市民が納得できる、優先順位に沿った、中身の濃いものにしていくことができるようになります。そして、政策、事業の結果が悪い方向に流れたら、市民が選びなおし、修正をすればいいのです。 その時には、議会の役割は今とは相当違ったものになっていることでしょう。市民が主役になって西東京市の未来を創っていくわけですから、役割が変わって当然です。行政もまた、脱皮することを迫られます。 私はチェック機能が議会の役割と主張しています。今の議会、行政においてはその役割を堅持します。しかし、議会は本来、市民と一緒に政策を作り提案する側、行政はそれを実施する側なのです。チェックは独立監査組織による会計監査・事務監査、オンブズパーソン(オンブズマン)組織によるダブルチェックで現状以上のチェックは可能です。 議会を変え行政を変えて、西東京市を市民が納得ずくで暮らせる町にしていくための出発点が情報の徹底公開なのです。 |