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住民基本台帳ネットワークシステムの問題点
「こんなハズじゃなかった」なんてことにならないために・・・
 8月5日、住民基本台帳ネットワークシステム(住基システム)が稼働しました。
 住基システムに関しては、

(1)部外者がコンピュータの専門知識を悪用してデータを盗み出す(見る)行為 指摘の例
(2)職員や委託業者がデータを持ち出して第三者に提供したり、自ら悪用する行為 四日市市の例 宇治市の例
(3)コンピュータのトラブルや職員の操作ミス 守口市の例

などにより、皆さんの個人情報が漏れるのではないかと懸念されています。
 これらの問題点を簡単にご説明します


【日本のどこからでも検索できる】
 今までは、住民票のデータは市役所のコンピュータの中だけで管理されており、国や他の自治体の職員がそれを直接見ることはできませんでした。
 しかし、8月5日に横浜市などを除くほとんどの自治体から住民票のデータのうち4つの情報(「氏名」「住所」「性別」「生年月日」)が住基システムのコンピュータ(都道府県と指定団体が管理)に転送され、全国の自治体で日本中の住民票の情報を検索できるようになりました。秋以降には国の機関(職安など)でも検索できるようになる予定です。
 住基システムを利用して知ることのできる住民票の情報は「氏名」「住所」「性別」「生年月日」の4つですが、このうちの1つが曖昧でも検索することができます。

 これまでは、西東京市の職員のうち、住民票のコンピュータを扱える権限のある人が不正をしない限り、情報が漏れることはあり得ませんでした。 それに、もし仮に情報が漏れたとしても原因の究明は比較的簡単に行えます。
 しかし、住民票の4情報(氏名、住所、性別、生年月日)は住基システムのコンピュータに蓄えられ、国や他の自治体が自由に検索することができますから、国や他の自治体から情報が漏れることも起こりえます。 いくら西東京市で厳重に管理しても、コンピュータや職員の管理が不十分な自治体があったら、そこからあなたの情報が漏れることも考えられるのです。
 西東京市の市長は、西東京市の職員を教育したり指導したりすることはできますが、国の機関や他の自治体の職員まで監督することはできません。


【全国民を番号で管理】
 これらの情報をコンピュータで管理するためには、重複しない番号を振る必要があります。
 このため、すべての国民一人ひとりに「住民票コード」という11桁の番号が付けられました。 西東京市では、8月7日〜8日頃に郵便でこのようなはがきが届けられました。

住基はがき-表面 住基はがき-中面 住基はがき-裏面

(クリックすると大きな画像が表示されます)

 この番号は、日本中であなただけのものです。つまり、この番号がわかれば、あなたの「氏名」「住所」「性別」「生年月日」は即座にわかってしまいます。
 民間での利用は禁止されていますが、希望すれば住民票にこの番号が記入されます。よく意味もわからず住民票コードを記載した住民票を取ってしまい、 それをどこかの業者に出してしまったら、あなたの番号は次から次へと「貴重な情報」として流れていってしまいます。


【住処を知られてはならない人もいます】
 DV(ドメスティック・バイオレンス=配偶者・親など家庭内の者からの暴力)から逃れるために、親族に内緒でひっそりと暮らしている方もいます。
 その人の家族や弁護士などから住民票の請求があっても、市役所では事情を把握している限り安易に発行しないような措置をとっています。
 しかし、住基システムに情報が蓄えられてしまっている以上、西東京市のコントロールは利きません。様々な理由をつけて他の自治体の職員に検索させて情報を得るということも考えられないことではありません。


【世界から格好の標的に】
 コンピュータの知識を悪用して、情報を盗んだり、データを破壊したりするいわゆる「ハッカー」と呼ばれる人たちがいます。
 「住基システムは専用回線で結ばれているので大丈夫」「ファイヤウオールがあるので安全だ」などと片山総務大臣は説明していますが、住基システムはインターネットと同じ技術で通信しています。使われているコンピュータも家庭で使われているものと同じ機能を持ったものです。「ハッカー」は技術的に不可能だと言われているセキュリティー(防御策)を突破することに喜びを見いだす人たちです。
 家庭や会社で一般に使われている機器やソフト、技術ならなおさら彼らの得意とするところ。技術者に聞けば異口同音に「全体として危険度の高いシステムだ」と言います。




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