森てるおの拡声器 <創刊号> 1999年5月発行  (html版)

「拡声器」の創刊にあたって
 みなさんに市議会に押し込んでいただいてから3ヶ月が過ぎました。
 前回、2月議会のご報告は『井戸端会議10号』の紙面をお借りしてお届けいたしましたが、お知らせする事柄が多くなってくること、また『井戸端会議』紙の発行時期が森てるおの報告時期と必ずしも一致するとは限らないことなどを考えあわせて、独自に通信を発行することにしました。紙名を何にするかいろいろと考えた末『拡声器』に決めました。議会の中のことを大声でみなさんにお知らせし、みなさんの声を議会に持ち込むのにふさわしいと思ったのですが、いかがでしょうか。
 そんなわけで『森てるおの拡声器 3月議会特集号』をお届けします。これまでの『井戸端会議』の時と同様、ご一読ください。その上で、ご意見、ご批判などをいただけたらと願っています。
 なお、詳しい内容をお知りになりたい方は「森てるお事務所」までご連絡ください。『森てるおの議会報告』をお届けします。また、購読会員になってくださった方には『森てるおの拡声器』ならびに『森てるおの議会報告』を毎号お届けします。ぜひ購読会員になってください。年会費1000円です。

紙面から
銭まみれの幽玄商法《連載・1 》
 ――不正経理を放任した責任は保谷市長か実行委員会か――  4面
議会ってどんなとこ?パート2              2・3面
3月議会の報告                     2・3面

議会ってどんなとこ?パート2

服装問題について
 2月臨時議会で保谷市議会の現状の一端を垣間見せることになった『服装問題』は、3月議会においても、その冒頭と会期末に議長が「今しばらく預からせてください」と申し出て、引き続き議長預かりになりました。森てるおの「宣伝?」になるだけだから、もういじらない方がいいんじゃないのとアドバイスしています。

予算委員会での質問時間の制限を与党議員が提案
 与党であれ野党であれ、行政をチェックすることが議員の一番大きな仕事。だから、委員会での時間制限はこれまで無かった。与党として、厳しい質問から市長を守るために時間制限をしたいのだろうが、議員としては自殺行為。道連れにしないでくれない?
 自分たちは厳しい追求はしない、誰が市長になっても万年イエスマン、万年応援団をやるということなのでしょうか。

会派を組んでいない議員は不利益があっても当然か?
 「会派を組んでいないのだから、不利なことがあったって仕方ないじゃないか」という発言がありました。本当に、それは当然のことなのでしょうか。議員は平等ではなかったのでしょうか。
 会派とは二人以上の議員でつくる議会内集団のこと。保谷市議会の場合、議会の運営に関することについては、各会派の代表が話し合って全会一致で進める「きまり」(文章化されていない、つまり慣例)がある。無会派や一人会派はオブザーバーとして会議に参加し発言はできるものの、議決権はないとの事。会派を組みたくない議員、組めない議員を差別するもので、今後、改める必要がある。(なお、森は無会派)

携帯電話は品位を下げない?
 会議中の携帯電話は議会の品位を落とすものだと思うのだけど、中には返事をしながら会議室から出ていく者もいる始末。
高みの見物を決め込んでおいた方がおもしろい。最終日に本会議で言ってやろうと思っていたら、事務局からお達しがあった。
 「傍聴人に携帯電話の電源は切るようにお願いしており、議員が鳴らしていると言えなくなってしまうのでご注意ください」。情けない話。

都市計画審議会委員選出で、森はずしの画策か?
 「都市計画審議会委員3名の推薦」の要請が休会中の4月下旬、市長から出された。委員長や市外部の役職に就いていないのは森ただひとり。議会の「申し合わせ」上、優先権がある。
 3人のうち建設環境委員長と副委員長を入れることで話がまとまりかけていて、あとは森が選ばれれば決まったのに、これが決まらない。結局、6月議会に持ち越しとなってしまった。

会期中、議員の時間は誰のものか?
 企画総務委員会を事務整理日(一種の予備日)の3月29日に開きたいとの提案が議会運営委員会に出された。それなら、本会議で議決した後で委員会にかける案件もあり、本会議を開いてから一緒に処理しようとの追加提案があった。
 これに対して、「翌日の最終日3月30日に本会議があるし、忙しい人もいるから開かなくていい」との意見が出て議会運営委員会が紛糾。統一地方選挙の応援の予定などがあって休みたかったのが真相か。

3月議会の報告
 市長の施政方針に対して、森は一般質問で薪能、都市計画マスタープラン、36m道路、都市計画審議会、青嵐中学校建替え、学校給食、公民館、公民館だより、ゴミ、新ガイドライン、保育園・学童クラブ、合併問題などについて質問しました。
 森の質問時間(「一般質問」という)は答弁も含めて50分(会派を組んでいる場合は「代表質問」というものになり、質問時間は一会派90分+人数×10分)。通り一遍の答弁に対して再質問する時間がなくなってしまって残念でした。答弁をうち切らせて必要な再質問をすればよかったのだと、あとでアドバイスをいただきました。次はもっと工夫をしたいと思います。
 いきなりの予算審議で準備不足であったことは否定できません。自分の目で見てもまったく甘い追求でした。
 予算には反対しました。相変わらずのハード、物、大人重視で将来ビジョンは道路と合併だけという予算案。市民の自発的活動やこどもの、今は無形だが将来こども自身と社会にとって財産となるものへの配慮を欠いた内容。予算の組替えは、市長だけの権限(専権事項)。議員にできる事(権限)は、出された予算全体に対しての、賛成か反対かの選択肢だけ。反対(否決)によってしか修正が始まらない「仕組み」だからです。
 詳しくは「森てるおの議会報告」をご請求ください。

銭まみれの幽玄商法 ハイパー薪能顛末記
−不正経理を放任した責任は保谷市長か、実行委員会か−
(1)最高裁よ驕るなかれ
 昨年9月29日、最高裁判所はある判決を云い渡しました。砕いて云えば「保谷能フェスティバルを実施した責任は保谷市役所でなく実行委員会にある。従って上告人らが不正経理の責任を保谷市長らに求めるのは相手が違う」という、保谷市民の一般常識とは正反対の判断を示したのです。すなわちこのイベントを当初から計画し運営し管理した市役所には責任がなく「市報ほうや」の募集公告により応募し集まった、お手伝いの運営委員30名に責任がある。従って金銭的な賠償請求も民間委員たちに求めなさい…というのだからオドロキです。
 この方々は「薪能当日は市役所の職員さんもお忙しいでしょうからせめてお茶汲みでも…」と無償で労働の提供をなさった、お能が好きで善良な市民たちでした。まさか、財務経理上の責任一切を負わされて賠償義務まで生じようとは夢にも思っていなかったに違いありません。現在でもなお、保谷市民がこの弁済を訴え出れば、場合によっては身銭を切らなければならない危い立場にあるのです。この意味では今なお6年前の「保谷能フェスティバル」は終わっていないのです。
 ここで保谷市における実行委員会とはいかなるものであったかを考えてみます。
 平成7年2月13日午後、市役所本館2階の市長室。高範は多忙とかで不在。そこに居合わせたのは、当時の企画部長・関村淳美氏(退職、前監査委員!)筆者は訊ねました。なぜ保谷市のイベントは直営にしないのですか?実行委員会方式にする理由は?」
 関村氏は言下に答えました「直営にしても構わないんです。しかしイベントがうまくいくとは限りません。万一、しくじったら市長が直接責任を間われるではありませんか…」と。この方は役人に似合わず率直明快に本音を述べられました。
 ただ、本件実行委員会は「TAMAらいふ21協会」が一枚噛んでいるので成立の事情は通常の実行委員会とは異なります。しかし「いざという場合には実行委員会を防弾壁として市役所は逃げる」という構図はごの裁判によって実証されました。
 市民に奉仕する立場にありながら、市の仕事に協力してくれた人々にその罪をなすりつけて恬然として市長の椅子に坐り続ける保谷高範。偽証と脆弁により裁判官を誑かし続けた富田和明(現こもれび館長)。真実の大河内・菅原証言を斥け、偽証を採用して善良なる市民に責任ありと誤審した東京地裁、東京高裁、最高裁の裁判官共。これらの者共の醜い姿を4年に亘る裁判を通じて見つづけて来ました。
 特に最高裁の判決文「証拠の取捨判断は原審の専権に属する」(どちらの証拠を採用しようと裁判官の勝手だ…)には、江戸時代の悪代官ぶりを彷彿させるものがありました。
 最高裁といえば今まで私は法曹の最高権威で碩学の集う所。その判例は裁判官の準すべ掾き規範であって、名裁判を行うところと期待していました。しかし、ここは尊大なるザル頭どもがいます所でした。
 裁判官の資質として求められるのは叡智であって片々たる法知識ではない。裁判とは Justice であって正義を行うところ。裁判官たる者、常に自分の判断により正義が具現できたか?を深く洞察し反省することにより完成に近づく。
 我々は原審の採証に非違があったからこそ上告したのである。原審の専権に属することであって法的に問題はない…では最高裁の存在価値はない。
 悪を糺すのは司法。しかし検察の親玉はあまりの下品さに世のひんしゆくを買った。加うるに最高裁の腑甲斐なさ。国民はどこを頼れば良いのでしょうか。
 以下次号。このあとも、乞うご期待 (文責 池田瑛)。

 注:池田瑛氏は、保谷能フェスティバル不正支出住民訴訟原告メンバー



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