森てるおの拡声器 <第2号> 1999年8月発行 (html版) ごみ 合併 36メートル道路 このまま進めるのはNO! ごみ 柳泉園では、燃やしてはいけないごみとして市民が分別していたプラスチック類をずっと燃やしていました。市長は知らなかったと言っていますが、それは嘘か怠慢です。燃やしていた事自体は問題ではなかった」とも言っています。「燃やしてはいけないごみ」に分類したのは、もちろんダイオキシンが発生するからです。柳泉園内の土壌からは高濃度のダイオキシン類が検出。でも、周辺調査や健康調査はまだ行われていません。建設中の新炉でもプラスチックを80%も燃やす計画になっています。許せません。 合併 法定の合併協議会の設置が9月議会に提案されます。合併についての住民合意がまだないのに、賛成派だけを集めた任意の協議会で出した結論をもとに法定協議会を作るというのはおかしい。是非とも住民投票で住民意思を確認する必要があります。 自分の市の未来は市民自身が選び取るものです。この間、議会が住民投票を拒否するケースが多発していますが、その論理は「高度な政治的判断が必要だから」というものです。議員はそんなに頭脳明晰なのかという疑問はさておき、市民は納得できる政治を求めています。議員は市民の自己決定のじゃまをしてはいけない。 36メートル道路 地域の将来を左右する大問題であるにもかかわらず唯々諾々と東京都の計画に従っている保谷市は、住民の福祉を図るという地方自治の本旨を捨て去り、住民をないがしろにしています。 先頃、市民団体「緑・住環境どうなる、3・4・6ちょっと待ってよの会」が36メートル道路計画の関係地域で行ったアンケート調査によれば、回答者の8割の人々がこの道路計画に反対しています。「公害道路になる」「今ある道路の整備をすべき」などの意見が多数を占めています。 「環境に優しい道路」「人に優しい夢のような道路」と東京都や保谷市などが叫んでみても、住民は「そんなわけないぞ」と疑い真実は何かを見ていることが示されました。 周辺住民にとってはメリットよりデメリットの方が遙かに多い、市域を分断される保谷市にとってもマイナスが目立つこの道路を強引に進めようとするのは許されない。取り返しのつかない健康被害の責任は誰がとるのか。被害が出る頃には、決定に関与した市長も、議員も、職員も現職にはとどまっていないでしょう。だから、結果を引き受けることになる住民だけが、このような問題の決定を下すことが許されるのです。 住民が納得しないうちは作るな! 議会ってどんなとこ?パート3 都市計画審議会委員の選任 「森はずし」はルールを曲げて! 3月に市長から要請のあった都市計画審議会委員の議員枠3名の選任について、これまで森は「外部委員になっていない者(現在森だけ)から順番に各種委員(市関係の委員)を選んでいく」という申し合わせ@に沿って決めるように主張してきた。 しかし8 月10 日に開かれた議会運営委員会で、森が反対する中、当て職(「〜長」に割り振ること)として建設環境委員長・同副委員長及び副議長を選出した。 これによって「議長・副議長・監査委員は他の役職につかないという申し合わせA」「議会運営委員会は全会一致を原則とするという申し合わせB」とあわせて自分たちで決めたルールが3つも反古にされた。 ルールを曲げてまで森はずしをした都市計画審議会が何をするか楽しみだ。 不採択にした陳情3件、採決取り消し継続審査に 「保谷市の学校の教育条件を低下させないことを求める陳情」「父母負担軽減措置費に関する陳情」「1999年度の保谷市教育予算に関する陳情」の三件が文教厚生委員会で賛成少数でいったんは不採択になりました。しかし、「不採択としてしまうには忍びない」と公明党が採決後に態度を変更し、一転継続審査に。 不採択の陳情を拾い上げるのだからその趣旨には賛同できますよ、公明党さん。でも、その時の委員会審査と採決って何だったのでしょうか?十分審査して採決したんじゃないんですか。(議案は審議、請願・陳情は審査という) 審査不充分なまま採決されることは、国会の強行採決を始め日常茶飯事ですから保谷市でも多々あることを目にしています。 しかし、やり直しができるなんて…… ふ〜ん、そんなことできるんだ!? 10万人都市保谷には助役の人材がいなかった! 安藤助役が2年のおつとめを終え、《めでたく》東京都にお帰りになり、後任を三たび東京都から迎えようというのが保谷市の助役人事。 2年ごとに東京都から『派遣』されてくる恒例の助役人事に痛烈なパンチを一発見舞いました。 保谷市助役は東京都の一ポストか! 10万都市保谷に人材はいないのか! 助役の任期は何年だ、2年か! 市長の答弁は、「東京都のポストということではございません。内部に適当な人材がいませんでした。助役の任期は4年でございます。」 「任期の4年をつとめます」(比留間助役候補) 東京都の求めなのか、保谷市の要請か。本当のことは答えそうにないが、問題は多い。 委員外議員の発言について 議員は所属の委員会以外の委員会を傍聴することができます。そして質疑に抜け落ちがあれば委員会の許可を得て質疑をすることができます。保谷では、三つの常任委員会は同じ日同じ時刻に開催されているので、おかしなことに議員はふだん傍聴することができません。 森は建設環境委員会に所属していますが、「監査委員条例改正案」が『先議』とされ企画総務委員会だけが開かれたため傍聴し、委員外議員として発言を求めました。(『先議』とは、必要があって、通常は最終日にまとめてやる本会議での議決を先に行うこと。このときは、条例改正を受けて監査委員の選任の提案をするということでした。) 前例がなかった様子で、蜂の巣を突っついた状態でした。結局、委員長が代わって質問できる程度の内容だから、任せることにしました。(許可しないという雰囲気もあった様子でした。) 「俺たちは信用されていないんだって!みんなして委員を辞めた方がいいんじゃないの。」と、質問をしなかった某委員が聞こえよがしにつぶやいていました。(後に聞いた話では小金井・国立など他市では委員外議員の発言は結構あることだそうです。) 審議を尽くすことよりも、自分たちのメンツが優先ということでしょう。 6月議会ダイジェスト (詳しくは「森てるおの議会報告」をご請求ください) 保谷市監査委員条例の一部を改正する条例 監査委員を常勤から非常勤に変える提案。森は「天下りポストとしての常勤監査を廃止する」という観点から賛成しました。 身内に甘くなりがちな古参職員が天下って、市民にとって得るところはありません。後任の非常勤監査に弁護士が就任。 費用は4年間で約5500万円減少。 保谷市助役の選任について同意を求めることについて 保谷市の助役が東京都の管理職ポストとなってしまっている現状を改め、内部登用をはかるべきだとして、森は反対。どんな思惑があるのか知らないが、自治の観点からして、好ましくない。 柳泉園組合敷地内におけるダイオキシン調査に関する請願書 360ピコグラムという高濃度の汚染値が記録されているにも関わらず、調査を拒否している柳泉園。「柳泉園の問題だから、保谷市議会で取り上げるのはふさわしくない」と反対する議員もいて 、不採択に。(森は請願に賛成) 柳泉園で不燃ごみ中のプラスチックの80%を燃やしていたとの新聞報道で緊急質問 市民が分別に協力して、燃やせないごみとして集められたプラスチックが燃やされていた事実が判明。柳泉園と、それをチェックできなかった柳泉園組合議員に不信感が募ります。保谷市が作った「保谷市一般廃棄物処理基本計画」を保谷市議会では質疑もしていないそうです。いったい誰のための行政か、何のための行政か。これで市民への責任が果たせるのでしょうか。「知らしむべからず、寄らしむべし」の封建的『善政』はいりません。リスクも結果も引き受けるのが市民自治です。 「横田基地返還を求める意見書」3月には否決するも、今度は可決 3月議会で共産党から議員提出議案として4件の意見書が提案された。与党からも賛成者が名前を連ね、可決の見通しになっていました。ところが、議会運営をめぐって共産党と与党が大もめ。与党側の賛成者が全員名前を下ろし、提案は全部否決されてしまいました。 「横田基地返還を求める意見書」はその時否決された中の一つで、今回共産党から再提案され可決されました。 なにやら子どもじみた話ですね、なんて言ったら子どもにおこられてしまいそうです。 銭まみれの幽玄商法 ハイパー薪能顛末記NO.2 @保谷にも日本一あり 金色に輝く「保谷能フェスティバル」 保谷市は平成元年から4年まで4回「保谷薪能」を催してきた。超えて平成5年は多摩地区が東京都に移管されて百年めの年。保谷市はこれを記念して4444万円の巨額予算を組み(決算額は4471万9884円)その名も「保谷能フェスティバル」と改め、武蔵野女子大グラウンドにおいて7月26日に挙行した。 それまで4回の「保谷薪能」の800万円〜900万円台に比し5倍にも膨れ上がったこの薪能はまさに空前絶後。その前年に行われた東京都主催の「スーパー勧進能」3800万円を軽く抜いて日本一。あとはグッと落ちて明治神宮など有名社寺伝統の2000万クラスが続く。ダントツの栄誉(?)は今も破られることなく金色に輝いているのである。 A「喰いものにされた薪能」 この薪能の全般を取り仕切ったのは武蔵野女子大学能楽資料センター主任、増田正造なる人物。「総合プロデューサー」としての報酬100万円だけでは満足せず、市長を丸め込んでいいように公金を食い尽くした男だ。市は公金4329万2672円を増田と結託した請負業者アクション・リサーチに丸投げの形で振り込んでしまったので、あとは宝の山に入ったも同然。むしり取った後はいかに決算書を誤魔化すかだけの問題だった。なぜこんなばかげたことがまかり通ったのか? 何よりまず、保谷市の無能・怠慢である。増田先生は「大学教授で有名な能の学者。悪いことをする筈がない」という思いこみがあった。つまり彼の肩書きは行政にとって信用のライセンスであったのだ。 ことの発端は、この催しの実行委員の一人で能好きの市民が「この程度の薪能で4500万円とはあまりにもかかり過ぎでは?」と疑問を持ったことに始まる。比較の対象は前年東京都が行った「スーパー勧進能」2日間の演能でしかも内容・規模・仕掛とも保谷の2倍以上。これに対し保谷は1日だけ。音響・照明・設備どれをとってもその差はあまりにも歴然としていた。しかも保谷の方が700万も高いのだ。 一市民からの告発に応えてことの究明に乗り出したのは市内東町に住む能の専門家堀上謙さん。かねてから疑惑を感じていた彼は正確を期するため市から記録ビデオを取り寄せ、会場設営図や役者などの関連資料を添えて能楽界の第三者の意見を聞いた。その結果は「概算で1500万円。大盤振る舞いの支払いをしても2000万は出ない」との大方の意見。決算書の個々につき精査したところ随所に水増し・架空・二重計上の経費が見出されたのである。結果をまとめて「喰いものにされた薪能」という一文を具体的な資料を添えて市長と市議会に提出、調査と善処を求めた。市は増田とアクション社長河合徳枝に対し「あなた方、不正をやりましたか?」「やっていません」。これを根拠として「疑惑は認められません」と回答したのだからあいた口がふさがらない。公正な第三者の意見より公金奪略者の言い分を尊重した、ということだ。 これから更に熟女ならぬ能楽プロどうしのバトル。堀上対増田の論争が続く。増田は「私は保谷市民に良質の能を見せたかったのだ。良いものが高いのは当然。高いと思ったら(私に)頼まぬことだ」と開き直る。更にこのようにも表現している。「文化とはこのように贅沢なものだという立場から増田正造は今まで仕事をしてきました。譬えて言えば、お好みの握り寿司と回転寿司の価格の差は当然と思っております。お客それぞれの選択によれば良いことではないでしょうか」(原文のまま) 4500万円も出さなければ「お好みの握り寿司」にありつけないのならば、明治神宮、平安神宮などの伝統の薪能くんだりは回転寿司にすぎないことに相成るのである。 Bついに決算書差し替えに発展。最初のはペンシル・ワークだった。 高い安いの議論なら一歩も退かぬ増田先生。ところが国立能楽堂からのフィルム借用料。無料であるはずが30万円を計上したとあってはもういけない。経費水増しならなんとでも強弁してすり抜けるこのサッチーの大学教授版も架空経費と判明してはもうダメだ。それより驚いたのは保谷市役所側。慌ててナント決算書差し替えという前代未聞の挙に出た。「アクションから差し出された領収書を基にしているから今度のは大丈夫だ…」ですって?最初のはでたらめでしたと白状したも同然。初めの決算書は富田生活文化課課長補佐(現在はこもれびホール館長の要職に)と増田教授が電話し合って造り上げたペンシルワーク、所謂デッチ上げたしろものであったわけ。公金費消に関してウソの報告書を出した。それも4000万円もの大金の…とあっては重大な犯罪行為であるが、新しく提出された差しかえ決算書がコレマタ奇々怪々のシロモノ。しかし紙数が尽きた。いずれ次号で。 (文責:池田 瑛 <保谷能フェスティバル不正支出住民訴訟原告メンバー>) ※近々、池田氏より経緯をまとめた冊子発行予定(100 円)ご希望の方は森てるお事務所まで |