森てるおの拡声器 <第4号> 2000年3月発行  (html版)

あの服装問題から一年たちました
 森てるおは議会の中の「市民の目」になれたでしょうか?
 服装問題を皮切りに始まった森てるおの議会活動も1年を過ぎました。ご支援ありがとうございました。
 この1年の間に、森てるおが見聞きした保谷市議会と行政の様子をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。おかしいことはおかしい、わからないことはわからないと素朴に受け止め、表現してきました。
 「議会を変えます」というのが、森てるおの約束です。「たった一人で変えることができるのか!?」という点については、「議会の中に市民の目を入れる、市民の目を恐れる議会にする」というご説明をいたしました。森てるおは市民の目として議会の監視をしています。目を曇らせてしまったら約束は守れません。だから、いろいろなことがありますが、森てるおの姿勢は変わりません。
 市民の目を持ったまま議会に居続けようとするため、議会の中で21 対1 になることもしばしばです。好んでそうしているわけではありませんがそれが現実です。まだまだ、力不足ということでしょう。
 組む相手が居ないこともあり、会派を組んでいません。だから、あらゆる問題を一人で抱えることになり、非常にいそがしい状態です。そのぶん得手不得手ができなくていいと強がっていますが、まだまだ思い通りにはいきません。
 今年の1年も、自分も含めて議会を丸ごとまな板に載せてご覧に入れます。行政の有様をじっくり見ていただきます。ご期待ください。合わせて、厳しいチェックと叱咤激励をよろしくお願いします。

合併は是か非か住民投票情報
 住民投票条例制定の直接請求運動は、必要数の5倍を超える署名を集め、条例案の市長による提案(自分の意見を付けて市長が提案する)と、その条例案を審議する臨時議会が4月中旬〜下旬には開かれることになります。
 議会でどの議員が発言をするのか、またどんな発言をするのかじっくり観察されることをおすすめします。発言しないことを選ぶ議員もいれば、ポーズだけで発言する議員もいると思います。
 合併についてなぜ住民投票が必要なのでしょうか。それは、市民の総意が合併なのか、そうでないのかを「公に」確認しなければ、「合併後の市の名前を聞かれても、街づくりの希望を聞かれても、答えようがない」という人たちがたくさんいるからです。この人たちを置き去りにしたまま、合併に期待する人たちだけの意見で街づくりを進めようとする行政は間違っています。今は発言できない人たちも、総意がどちらかに決まれば「私にも言いたいことがある」といえるでしょう。この人たちの意向は無視してもいいのでしょうか。
 住民投票は「進む方向を、全市民が納得して受け入れる状態を作る」ことなのです。

どうなってるの、保谷の行政?(12月議会から)
社会教育関係条例、行政主導で改正!!
 社会教育委員設置条例、公民館条例、図書館設置条例などの改正が社会教育委員、公民館運営審議会委員など保谷市自らが任命した委員の意見も聞かずに提案された。公民館の中央館方式への変更や、12件もの反対陳情が出されていた「図書館長の司書資格を不要とする改正」など内容的にも大きな変更を伴うものだった。教育委員会の中でも一人を除いて意見らしい意見も出ないまま追認された。行政がやることには市民は黙っていろというに等しいことが、市民の自立した活動を促すことを目的とした社会教育という分野で行われた。教育委員会のレベルが問われている。

文教厚生委員長の報告に質問、再審議の動議を提出
 社会教育関係条例が審議された文教厚生委員会の、本会議での委員長報告に対して、審議が不充分だとして質問を行った。その結果、『教育委員会の議事録が提出されていない』『専門委員会での審議がなされていない』『専門委員への参考人質疑は行われていない』などが明らかになった。
 社会教育について社会教育委員などの意見をいっさい聞かず、議員が結論を出せるというのは思い上がった考えではないだろうか。審議が十分だったとはとても言えない。
 当然、再審議を求める動議を出したが、賛成者がおらず(提案者以外に1名の賛成者が必要)動議として成立しなかった。森てるお以外の全会派が文教厚生委員会の審議に参加しており、審議不十分の動議に賛成するはずがない。しかし、動議に反対するのは、実態がどうであっても、審議は十分だったと表明したということだ。

図書館条例の条例違反「事件」はどうなった?
 行政というものは公平と公正を二本柱にし、それを確保するために法令、条例、規則等々が定められている。「お役所仕事」と言われる一つに「融通のなさ」があげられるほど、裁量という物には枠がはめられている。時として市民にとって困った代物だけど、裁量をきかせた行政になってしまっては、なお納得できなくなってしまう。また、行政の側から見ると面倒な手続きだが、それを踏襲することではじめて「市民の納得と承認」を得ることができる。行政にとって便利な裁量も使い方によって、公平・公正性が疑われ責任が問われるため、裁量が必要かどうかで「…できる」「…する」「しなければならない」などいろいろな文言を使い分けることになる。
 不可抗力以外で「行政が意識的に規定と違うことを行えば規定(法・条例)違反になるのはあたりまえ」というのが市民の常識的な感覚だろう。
 ところが、行政をチェックするべき議員の多くがそう思っていないところに市民感覚とずれた行政が生まれてくる余地があるのだ。
 図書館協議会委員の定数は条例できめられているのに、自分の判断で「定数」を選任しなかった茂又教育長の行為は明らかに条例に違反する。行政があえて違反を行った場合にそれをただすのが議員の役割だ。数の力が違反を許すという逆立ちした現状を変えていきたい。

下水道事業受益者負担金時効「事件」
 下水道を整備する際、土地所有者に対してその費用の一部を負担させるというのがこの制度なのだが、農地については、申請すれば負担金の半額の支払いが猶予されることになっている。5年ごとの更新を繰り返せば、将来宅地になるまで猶予される。
 しかし、市がその案内を出し忘れたため猶予の更新が行われず、更にそのまま5年間放置されたことから時効になり取りはぐれてしまったことが、10年に1度の個別監査で明らかになった。
 この問題は、ずさんな保谷市行政の現状の一部を垣間見せてくれた。
 自分がなんの仕事を、どのような根拠に基づいて行っているのかを職員は把握していなかったのか、指示を出す側の管理職はどうしていたのかなど、様々な問題が横たわっている。社会教育の分野で裁量を拡大解釈する保谷市の姿勢と、法・条例を軽視しているという点で同じ体質を表しているのではないか。

こんなもの見るだけで不愉快だ!!−市民の陳情に議員が激怒
 提出された市民からの陳情の中に社会教育関係条例改正に関するものがいくつかあった。その中に、「社会教育委員と公民館運営審議会委員の学識の委員が連名で出した陳情」「公民館運営審議会委員が連名で出した陳情」があった。X議員がこの陳情に対して、「行政委員が議会に対して出してくるものじゃない、委員会の内部暴露で不謹慎だ、こんなもの見るだけで不愉快だ」と発言した。結局これらの陳情は議長預かりということで委員会にも送られず「なかったもの」にされてしまった。保谷市議会では前代未聞のことで、これこそ議会の自殺行為ではないか。
 市民がどんな肩書きで陳情を出すかはその市民の判断だ。今回の社会教育関係条例の改正に関しては、審議の中で、社会教育委員や公民館運営審議会委員は全く協議の機会を与えられなかったことが明らかになっている。だとすれば、肩書きを付けて出された陳情は、委員を引き受けた者としての最低限の役割を果たそうとしたものではないか。これをなかったものとして葬り去った議会は、学識の委員(大学の社会教育研究者ら)より社会教育に精通しているということになる。たいしたものだ。
 これをきっかけに、これまで原則としてすべての請願・陳情が常任委員会で審議されてきたのに、「一つの会派でも反対すれば、常任委員会に回さないことができるようにしよう」という提案がなされてきている。森てるおはこれまで通り「常任委員会で審議するのが市民に対する議員の役割だ」として提案に反対している。

銭まみれの幽玄商法 ハイパー薪能疑惑顛末記 NO.4
 武蔵野女子大・増田教授による公金略奪の手口は幼稚にして大胆。大塚工芸社、伊勢丹領収書の件では見えすいた嘘をつく。予算と決算の差別がつかず、弁解のつもりが自供になっていたり。告発側には狂犬、破壊分子、雑音など種々の尊称を賜って光栄の至りだ。ただ、狂犬が理路整然と追及するのに対し、大学教授が罵詈ざん謗で答えるあたり世はさかさ。肩書が泣く。
 これしきの人物がこれだけの血税をごまかせたのは隠で保谷市当局者の特別な援助があったからだ。予算を丸投げして横領の機会を与え、現役公務員が協力して出鱈目決算を作成し、疑惑隠蔽を目的とした差替え決算では他に見ない保谷流会計方式を編み出して不正を護り通したのである。
@公金略奪を誘導した予算丸投げ。膨大な血税は犯人の手中に消えた。
 平成5年7月14日、演能当日の前と後の2回に分けて市は合計4,329万円を増田と相棒のイベント屋に振込んだ。札束を積み上げて「これで宜敷く」と頼んだのだからたまらない。本来ならば請求書を提出し厳正な審査を経て支出されるべき公金が労せずして手に入ったわけ。しかも薪能として空前絶後、日本一の巨額が濡れ手に粟なのだ。増田は自己の正当な報酬100万円のみならず、すべてを美味しく平らげた。不当利得推定2,500万円。
A出鱈目決算作成に協力した富田課長補佐(現:こもれび館長)―地方行政って無茶やるねぇ
 平成5年9月24日、市が発表した決算書がこれ又スゴイ。水増し、二重、架空経費の山。後日この決算を差替えたとき、市当局さえ「個々の勘定科目(細目)81のうち半分が間違っていた(支払いとの間にズレがありました)」としているくらいだから推してしるべし。そしてこの決算書は増田と生活文化課課長補佐富田和明が電話連絡を何回もして作り上げたもの。
B差替え決算の奇々怪々。疑惑は消したい、不正は擁護したい。両股かけた「保谷流会計方式」
 この決算への告発に対し、市長は「精査の結果、疑惑の点はありませんでした」と答えたものの真実は覆い隠すべくもなく平成6年3月4日上記決算書差替えという挙に出ざるを得なくなった高すぎが目立つ経費は減額したい。やれば増田から返還を求めざるを得ない。素直に返すような玉じゃない。ゴタゴタすれば丸投げが問われる。どうする?「細目は間違っていたが合計は合っていましたと、いうことにすれば。これを本気でやってしまったのだから驚き入るほかはない。
 例を印刷費に見る。堀上氏からひどい水増しとして指摘されたプログラム印刷費はバッサリ斬られて241万からなんと30万に。この穴埋めは他の細目を増額し、新設した。原稿料とはプログラムに演目の解説を増田が書いた。こんなものはその報酬100万円の内の筈だが市は更に増額93万円に。デザイン料とはちょっと形の変わったプログラムを作ったということ。写真使用料は資料室にあったのを一寸拝借、載せて29万円。割付とはレイアウト。印刷屋に指定しただけで50万。文字(活字)作成とは何?印刷屋の仕事だ。
 ご覧ののとおり細目はいかに異なろうと小計はピタリと一致する。印刷関係だけではない。他の8科目の小計もすべて同様。細目の差異は最後にプラマイゼロで一致、従って総計も双方1円違わず一致する。私もこんな小細工を弄した決算は初めて見た。思うことは誰しも同じと見えて、右に平成6年6月8日の文教厚生委員会での質疑を掲げる。答弁に立った斉藤生活環境部長はしどろもどろ。清水課長に至っては泣き出す始末であった。
 当の増田君、かかる御配慮にさぞかし感泣しているかと思えばさにあらず「保谷市の担当者は『これ以上増田先生にご迷惑をかけません』と言うばかりで結局えらい迷惑になりました」と。えらい迷惑になりましたのは市民、納税者である。
 保谷高範君、飼犬は飼主にシッポを振るべきで、泥棒に振るべきではない。
 記:池田瑛 薪能疑惑追及住民訴訟原告

細目勘定科目        当初決算  差替後決算  摘要
プログラム印刷費      2,408,000  298,000  堀上氏指摘大幅減額
水増し小冊子・招待状印刷費  220,000  684,000  一挙に3 倍以上に
チケット印刷費           0  160,000  新設
原稿料デザイン料       300,000  930,000  二重経費・増田報酬の内
写真使用料             0  290,000  架空経費・資料室のを
割付・文字作成           0  506,000  架空・印刷屋の仕事
運送料               0   60,000 
 小計           2,928,000 2,928,000



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