森てるおの拡声器 <第6号> 2000年8月発行  (html版)

合併すれば「ばら色の未来」しなければ「お先真っ暗」・・・??
 1999年10月より続いてきた合併協議がほぼ終わり、本年5月に「田無市・保谷市合併協議会における協議結果報告書」がまとめられました。
 この報告書は「合併の必要性」という記述から始まっています。つまり、この合併は「必要だ」という前提で考えられ「必要がない」という視点は考慮されていません。また、保谷高範市長が「合併は究極の行政改革」というように、この合併は行政改革自体が目的であって理念がありません。
 市民の皆さんにとって、「合併が良いことなのか悪いことなのか」よくわからないのは「何のための合併か」が見えないからです。合併自体が目的になっていて、付録のように「合併すればあれもこれもできる」といわれても将来の街の姿も、その中にいる自分の姿も見えなくて当然です。
 保谷市は裕福というわけではありませんが、三多摩では中位より上の財政状況です。合併しなければ保谷市は破産するというなら、ほとんどの自治体の財政は成り立ちません。合併しなければ未来がないように言われるのは事実ではないのです。それにもかかわらず、合併協議会での議論はほとんど財政の問題に終始していました。メリットとして主張できるものがそれしかなかったということです。
 その財政についても「膨大な赤字を抱える国が合併の費用を出し続けられるのか「地方交付税の計算方法が変わったらどうなるのか」、「建設した施設の維持管理費は重荷だろう」など、いろいろ疑問があります。
 大切なことは、保谷という地域をどうするのかというプランであって、そのプラン達成のための手段として合併がふさわしいかどうかということではないでしょうか。

森てるおは“合併しないでやっていこうよ”と呼びかけています!
 保谷市は近年ベッドタウンとして発展してきました。市内どこからでも徒歩20分位で西武線の駅に出られ、しかも、都心の池袋か新宿まで20分という地の利があります。新町は田無駅に加え中央線も利用できます。
 一流の文化、体育施設があふれている都心へのアクセスが便利な保谷市は、地方都市のようになんでも自分で抱える必要がありません。地方行政は往々にして羨望や見栄で行われたりしますが、合併論の底のほうにはそんなものを感じます。
 保谷市はベッドタウンとして生活環境を何よりも大切にした地域となるべきです。そこでは地域間競争は必要ありません。狭い市の中に大きな道路もいりません。何よりもひとりの市民が行政すべてを見渡せる程度が基礎的自治体の規模としてはふさわしいものです。保谷市はもう十分な大きさです。
 目に見える範囲で行政が行われていれば、そこに市民が入ることも意見を届けることも容易です。全て自分の問題になるから厳しい意見の交換もあるでしょうが、結論を納得することは容易になります。
 合併を選択するか、合併しないことを選択するか、市民の皆さんの一人ひとりの意志にかかっていますどちらを選んでもまた選ばなくても、その結果は私たち自身が担っていく未来です。

報告その1:多摩六都科学館組合議会
多摩六都科学館の予算や運営方針を決める議会です
いくつかの自治体が共同で運営する公共団体を「一部事務組合」といい、「多摩六都科学館」を運営している多摩六都科学館組合は保谷市が関わっている「一部事務組合」のひとつです。この組合にも議会があり、多摩六都科学館の場合は6市の市議会議員から2名ずつの合計12名がつとめています。森てるおは昨年10月から組合議員になりました。ここでも議員報酬がでます。多摩六都の場合は月額25,000円。他はもっと高いようです。議員が分担する仕事の一つだから日当以上は二重の報酬だと考えています。
 組合議会では、2回の定例会と1回の臨時会、決議を必要としない事柄についての報告説明の場として4回の全員協議会がありました。定例会は事実上予算と決算のための開催、もっと頻繁にという意見もありますが、臨時会を開く用意を整えておけばいいのではないかと思っています。

展示や企画を充実させ、入館者を増やすには・・・
 さて、今一番大きな問題は、開館以来初めての展示の大幅な入れ替えと休憩室の増設です。展示の入れ替えで「疑似体験できる展示「触れて実感できる展示」「実験・工作的な展示」など参加体験型の展示を、説明ボランティアを仲立ちにして実現するという考え方が打ち出されています。これと休憩室の整備によって入館者を20%増やそうとしています。物珍しさだけに終わらず、再来館者の増加に繋がる対策が必要だとの注文を毎回付けています。事務局によると「工夫はしているが、即効性のある対策がない」とのことです。
 今年度予算は14億7,323万円余り、保谷市の負担額は1億3,338万円余りで少ない金額ではありません。黒字にはなり得ない施設を作ってしまったのだから、できるだけ有効利用していくことが大切です。
 なお、積立金から支出される展示の入れ替えなどの4億2千万円ほどについては、かなりの質疑の末に承認されたことをご報告します。
−−−市民のみなさん、<多摩六都科学館>にぜひご来館ください!−−−

報告その2 :建設環境委員会視察
 森てるおが所属する建設環境委員会では、1999年度は長崎県佐世保市に「視察」に行きました。目的は、保谷市の町づくりに生かすために佐世保駅周辺再開発事業とごみ焼却炉の新設事業を現地で見聞することでした。
 私にとって初めての「視察」であり、どのようにして企画するのか知りませんでした。ここでは委員が候補地目的を出して話し合いましたが、一つに絞れなかったため委員長に一任することになり、委員長が候補の中から日程、時間等を考慮して決定しました。
 佐世保市の再開発事業は規模からして保谷市とはまったく違っており、当然、そのままではとても参考になりません。ただ、佐世保市は市の将来像を具体的に描き、市民にはっきり説明できる目的を持って進めていることがわかりました。
 保谷市を見ると合併や都市計画道路についても、納得できる目的が示されていません。『合併したらいろいろできる』ではなく、どんな町にするために合併するのか、『道路ができて便利になる』ではなくて何のために便利にするのかなどを市民に説明する姿勢が欠落しています。佐世保市の姿勢はおおいに参考にしたいと思います。
 ごみ焼却炉新設事業の視察では、「完成すれば可燃性一般廃棄物の焼却を行うが、バグフィルター、電気集塵機によってダイオキシン類排出規制値を下回る見込みであり、プラスチックは焼却する」との説明を受けました。また、ごみを埋め立てている最終処分場が厚生省の改善指導で使えなくなっているという話もあり、市の業務としてごみ問題に総合的に取り組む必要性と条件があると思いました。ただ、現在もプラスチック焼却が行われており、危機感は薄いように感じました。
 佐世保市では市の固有の事業として行われ、詳細な事業報告がなされています。柳泉園のような一部事務組合ではないので責任の所在がはっきりしており、市民によるコントロールが可能だとの印象を受けました。ごみは最後まで目に見えていた方がいい、真剣に対処しようという必然性がでてくると思います。その手段として自区内処理を原則にする必要があるとの思いを一層強めました。
◆視察の費用 72 ,615円(1泊2日:交通費、宿泊費、日当)
◆日程 1999年8月23日〜24日
 23日午後 羽田発〜長崎空港〜佐世保(泊)
 24日午前 佐世保(市役所)
    午後 佐世保(東部クリーンセンター)〜長崎空港〜羽田着
 ※保谷市議会では、委員会視察は年に1度行っています。

6月議会 森てるおの一般質問から
質問「情報公開条例の制定はどうなっているか」。
答弁(総務部長)「保谷の公文書公開条例は昭和63年施行で、田無との合併の調整では昨年12月に改正された田無の例にならうことになっている。個人情報保護条例は保谷の例にならう。保谷市では独自に比較検討を行い、一定の調整案ができた段階で個人情報に関する審議会に示し、ご意見を伺いたいと考えている」。
★田無の条例には保谷市民は関与していません。行政チェックの道具は市民参加で作るのが当然です。

質問「柳泉園では環境汚染防止のためどんな物質をどんな方法でモニターし、どんな防止策を取るのか」。
答弁(生活環境部長)「新炉の契約時点で性能試験を行い、今後継続してダイオキシンを始め、煤塵、硫黄酸化物、塩化水素、水酸化物、一酸化炭素の調査、排水中、飛灰中の重金属関係の調査を実施する計画」。
★焼却炉はいわば「制御不能の化学反応炉」。ダイオキシンの他にもたくさんの化学物質が出てきます。それをすべて捕まえることは不可能です。燃やさないごみ処理をこれからも求めます。

 6月末に報告すると本会議で答弁していた「下水道受益者負担金のとりはぐれ問題」は、6月29日の全員協議会で「報告できるまでまだ時間がかかる。」として9月議会まで先送りされました。

−田無市との合併−森てるおは市民意思を受け止めます!
合併の賛否についての市民意向調査
7月30日(日曜日)7:00〜22:00
投票に行こう!!
 市民意向調査は、賛成へ誘導するような設問の仕方であることなど、問題の多い内容ですが、市民が意思表示できる最後の機会です。当日、都合のつかない方は7月23日から29日までの間、市役所などで不在者投票ができます。
合併の賛否は市民意思を最優先にします!
 8月頃、田無市との合併議決のための臨時議会が開かれる見込みです。
 本紙1面にあるように、森てるおは合併反対の主張をしています。しかし、市民が選んだ結果がどちらであってもそれを受けとめて、その中で私が主張している政策の実現に向けて全力を尽くすことを、市民の皆さんにお約束します。

《合併協議会傍聴記》
 合併協議会はほぼ毎回傍聴しています。
 議長は協議会会長の末木田無市長が、一回を除いて毎回務めています。気になったのは、中身に対して質問が出て、やりとりが長くなったりしたときに「まだあるんですか?」「もういいでしょう」などと、議論を制止、抑制していたことです。質問は、実は協議の入り口に過ぎないはずです。質問をし、疑問を解消したところで各々が自分の見解を述べ合って取りまとめをする。そんな「協議」を期待していたら「他に質問はありませんか?それでは、提案のとおりに取り扱うことにご異議ございませんね「異議なし!」で終わり。何なんだこれは!!と毎回思っていました。
 末木氏が1回だけ体調不良で欠席し、わが保谷高範市長が議長を務めたことがありました。きちんと議長ができるのかと大いに不安に思って見ていたところ「まだあるんですか?」とやったのには恥ずかしかった。日頃から「年長者」として立てている田無市長の悪いところだけ見習っても・・・。

議会エピソード
 6月議会は6月2日から9日までの8日間でした。衆議院選挙を間近に控えて政党・会派の議員の皆さんは忙しいらしく、実質5日の会期となりました。
 議案等審議案件がないのだから仕方がないと言えば言えますが、これまで3,4日は必要だった一般質問が、表向き「自主的な調整で」1日になりました。
 自民・自由クラブが見送り、森てるおほか、公明党1名、自民党1名、毎回全員行っている共産党が1名、民主党は3名がノミネートして1名が辞退し、残る2名で1名分の時間(50分)となるように「努力する」。生活者ネットも2名で1名分の時間とするように「努力する」ということで、めでたく6 名分、午後5時の終業時間は過ぎるが1日で終わることとなりました。
 めでたしめでたしと言いたいところでしょうが、市民の皆さんはどのように感じられますか?

森てるおの議会報告会にお越しください!
 森てるおの議会報告会を行います。「森てるおはどんな人なんだろう?」と思っている方、森てるおや市政へのご意見、ご質問など、この紙面だけではお伝えできないことをみなさんとお話ししたいと思っています。ぜひ、お気軽にお越しください。
○日時 8月27日(日曜日)午後2時〜4時
○場所 保谷市役所東分庁舎 地下・第1会議室




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