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 森てるおの拡声器 <第20号> 2004年1月発行  (html版)


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建物が取り壊された道路予定地<写真>

大型通過道路は不要 生活環境を壊すな!
 都道調布保谷線は主に関越自動車道・外環道を利用する車を一日4万台走らせる4車線の大型幹線道路です。外環道建設が遅れる中、都心部の交通混雑、環7・環8等による区部全域の大気汚染などを、区外=多摩地域に誘導する効果があります。東京都の都合で作られる通過道路、地域の環境は確実に壊されます。騒音、大気汚染や周辺の交通混雑など影響は沿道以外にも及びます。
 当初計画の20m巾では規則上4車線道路は作れません。市長はいつも「車道部分16mは当初計画と変わらない」と答弁しますが、巾20mの道路で16mの車道を作れば、両側に残る歩道は2mずつ。ガードレールを付けて街路樹を植えれば、人がすれ違うのがやっと、自転車や車椅子は立ち往生です。道路構造令ではこんな道路は作れません。4車線にするには道路全体の巾25m以上が必要です。しかし、それだけでは環7・環8と同じ公害道路になります。
 4万台の車両を通す4車線を確保するために東京都が編み出した裏技が「環境施設帯」です。道路を高さ2mの遮音壁で囲います。「全体の巾を36mにしました。道路公害が発生しますが、両側10mずつを環境施設帯として、公害防止に使ってください。」というわけです。しかし、これは騒音だけの対策で、大気汚染には効果がないばかりか、騒音についても2階以上はなんの効果もありません。東京都がだましたのか、市長が勝手に思いこんだのか。どちらにしても「車道16mは変わらない」という間違った認識が出発点でした。
 西東京市近辺の南北交通需要は二つの西武線で朝夕のラッシュ時に混雑するもののそれほど多くはありません。しかし、36m道路は青梅街道との交差点では、公害が発生するとされる量を大幅に超える交通量になります。また、市の北東地域は大気汚染公害病認定患者が多く、ダイオキシンも高い値が記録されています。さらに、西東京市を含む東京北部は「風の収束帯」といわれる地域で、現に区部の自動車排気ガスの影響も受けると、市の、環境基本計画基礎調査報告書にも明記されています。36m道路・調布保谷線の排気ガスは、風の収束帯・西東京市にとどまり、市全域の大気汚染が一層進むことになります。
 財政の面でも環境対策費や医療費の増加など確実に影響が出てきます。
 4車線も環境施設帯もいりません。36m道路は白紙に!

保谷駅南口再開発事業、理念なき方向転換
 再開発にかかる費用を捻出するための売却用スペース(保留床)をどうするかは、「再開発等」特別委員会の中で何度も議論され、「保留床は一括処分する、市が買い取ることはない」という確認がなされてきた。ところが12月議会直前になって「第T街区のメインテナントの見通しがついた。第U街区の保留床の売却見通しは全くなくなったが市が買うことで事業化のめどが立った。来年秋の事業認可をめざして一部地権者の土地を先行取得することにした。」という説明があった。
 なんなんだ、これは! 市議会の議論はなんだったのか? 担当部長が替わったら市は手のひらを返すのか!市が損をする前提の先行取得に法律上の根拠はあるのか!
 こんな展開も予想し、市民負担を極力抑えるために保留床取得を「禁じ手」としたのだ、それが、あっけらか〜んと新方針として示されたのだからあきれる。市が買うスペースは4000 uにもなる。公共施設のスクラップ&ビルドで入れる施設を考える、というのだが具体的なものは何もない。考えても想定できない。こんなものに「ハイそうですか」と言ったのでは議員としては背任行為だ。
 市の暴走に釘を刺すたびに「危険な駅前道路をあのままでいいのか!」と非難されるが、安全な道路を作ることと開発とは話が別だ。むしろ、開発優先で道路整備をさぼってきただけではないか。市民の税金をむだ遣いしない方法を考えるのは当然の責務だろう。

保育料値上げに反対―手数料値上げも―
 保育料の値上げが提案された。国の保育料徴収基準の50%を徴収したいというのがその言い分。30年前と同じ説明だ。少子高齢化時代に第2次ベビーブーム時代とまったく同じ理屈がまかり通っている。少子化時代の保育政策をどうするかの理念が全くない。必要なのはどういう時代を展望して、今何をするべきかという政策理念ではないか。保育園に入れない人との不均衡是正という理由があったが、入れない人への補助を厚くするという考えをなぜもてないのか。
 取れるところから取るのが西東京の行政か。値上げの増収額は、合併特例債を使う事業の頭金にもならない。合併事業、建設事業の見直しを優先するべきだ。補助金の見直しをもっと進めるべきだ。年間2000万円もの住基ネットの無駄な費用はどうする?値上げ以前にできることはまだまだある。

「イラクへの自衛隊の派遣反対」の意見書を不採択!
 公明党、自民党、市民クラブ1名の反対で市民の陳情が不採択になった。こんな問題で地方議会が声を上げるのは当然。9月に議長が「外交問題に関わる」と門前払いを提案していたが、議会に門前払いを求める声はなかった。議長の判断が間違っていたということだ。
 戦争を仕掛けた「大儀」の大量破壊兵器は見つからない。レジスタンスの攻撃は続く。国連も引き上げた。そんな状態で米軍支援の軍隊を出すのはイラク支援にも「国益」にもならない。イラクはイラク人の手に。その手助けをするNGO に支援を。自衛隊派兵、軍事参加は愚の骨頂。

議員は当事者ではないのか!
 けやき小学校シックスクール問題の審議の中で「保護者説明会で配った資料を議会に出すべきではないか」という大川議員の指摘に対し、教育長が「保護者は当事者だ。そこでの資料をすべて議会に出すわけではない」と答弁。
 私は「行政チェックを仕事にする議員は当事者ではないのか!」と、資料を議会に提出するように要求。
 行政は自分の行為の正しさを認めてもらうためにこそ、積極的に議会や関係者に情報提供と説明をするべきだ。それができない隠し体質が西東京市政には残っているのか。

トピックス
* 農業委員に議員を外してでも市民を入れるべきではないか、と土井議員が質問。法律で議会が学識経験者の推薦をすることになっているが、西東京市の場合、学識委員は全員が議員、つまり自薦だ。月額5万円の報酬が出るおいしい仕事。議員以外から選ぶか、議員が選任された場合無報酬にするのが納得できる選考というものだ。

* 石毛議長が9月議会で門前払いにしたのと同じ、浜岡原発の差し止めを求めた陳情が出された。議長の扱いは再び門前払い。議会の大勢は前例踏襲。何と!かび臭い体質だこと。

* 治安対策として警察官の増員を求める意見書が提案された。空き交番の解消やパトロールの強化といった要求が後ろにあるのだが、それが人数不足の為なのか人員配置の問題なのかはっきりしない。人員増が空き交番解消の唯一の方法なのかどうか、十分な説明も見つからない。警察の情報公開は不十分、Nシステムや監視カメラの問題など、警察の市民監視機能の強化だけにつながりかねない面も。

* 間違って払いすぎた保育料を返して欲しい、市民の当然の要求が通った。おかしいことはおかしい、納得できないものは納得できない、筋の通ったことならば、行政を変えることは可能。

けやき小学校シックスクール−安全宣言はできるのか−
 移転直前に発覚した有害化学物質汚染で、2学期からの新校舎使用が見送られていたけやき小学校が、3学期から新校舎での授業を始めることになりました。当時、けやき小学校を視察しましたが、1時間見て回っただけで気持ち悪くなりました。今、けやき小学校は安全かと聞かれても、本当に確かなことはわかりません。複数の物質の作用によって、基準値以下でも発症することはあり得ると思います。その場合は原因不明、学校環境が原因とは認めないでしょう。自分の感覚で、おかしいと思ったらすぐに対策を取ることが必要です。有害化学物質によるものならば、そこから離れていることが最良の対処法です。

課題はなにか?
 文部科学省は、厚生労働省がシックハウスの原因として安全の目安・指針値を定めた13物質の内4物質について、指針値を基準値と読み替えて、学校環境では基準値以下になるように指導しています。私は4物質以外も測るべきだ、指針値以下になれば安心してもらえるではないか、と教育委員会に進言しています。
 現在の建材には実に多くの化学物質が使われています。化学物質は極微量で様々な症状を引き起こすために、原因物質を特定することが困難です。複数物質による複合作用まで考えると安全の目安は立てられません。また、有害化学物質が体内に累積されている量は人によって違うし、発症には大きな個人差があります。シックハウス症候群といわれるように、家庭環境における化学物質の氾濫が大きな原因になる場合もあります。それでも「公共施設で発症させてはならない」というのが私の考えです。

責任は教育委員会に…
 教育委員会の対応は、事後処理については一定の評価をしますが、全体としては不十分です。シックスクールを引き起こした原因と責任は教育委員会にあると私は考えています。
 第1に、国の建設費補助事業は工期が最長2ヶ年度、24ヶ月までとわかった時に、工事のはじまりを遅らせ、終わりをそのままにしたため工期が短くなりました。当時、多くの議員から心配する声が挙がったが、教育委員会は「大丈夫だ」と断言しました。結果的に無理な工期だったわけです。
 第2に、調布市、江東区などのシックスクール報道が続いていた6月「建材、施工、管理は大丈夫か」という私の質問にも「大丈夫だ」と答えました。しかし、安全なはずの建材から原因物質が出ただけでなく、業者が指示以外の建材を使ったり、業者の説明を鵜呑みにするなど、施工管理の面でも落ち度がありました。議会の懸念を根拠なく否定し、業者を過大に信用したため対応が後手に回りました。
 他者の意見を聞こうとしない、教育委員会の独善的体質が今回の最大の原因です。教育委員会は施工業者に全責任を負わせていますが、必要な知識の欠如と監督不行き届きを原因と認め、明確に責任をとるべきです。



「森てるおと語る会」にお越しください!
 拡声器20号、いかがでしたか。言いたい、聞きたい、どんなことでもかまいません。おいでください。お子さんも一緒にどうぞ。(平日の昼間は議会の日程が入ることがあります。事前にお問い合わせください)
 この日程で来られない方はご連絡ください。いつでもお話を伺います。
  ◎日 時  2月20日(金曜日) 午前10時〜12時
   場 所  コール田無 4階 会議室B
  ◎日 時  2月23日(月曜日) 午後 7時〜 9時
   場 所  保谷こもれびホール 1階 会議室
  ◎日 時  2月29日(日曜日) 午前10時〜12時
   場 所  保谷こもれびホール 1階 会議室



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