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 森てるおの拡声器 <第29号> 2006年4月発行  (html版)


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炭焼きがまの前で<写真>

市長、不祥事続発で減給処分!
 職員による税情報への不正アクセス、障害者手当の誤支給による損失、土地開発公社での不計上予算の流用問題の3点セットを理由に、最高執行責任者の市長から、自らの給料を3カ月間にわたって30%カットするとの議案が提出され可決されました。(助役は20%3ヶ月の減給) 問題が発生したさなかの質疑では、無責任な態度が目立っていたものの、形の上では責任を認めたことになります。組織の長たるものに潔さがなければ、部下に示しがつきません。

税情報への不正アクセスは、異動になった職員がパスワードを入手して元の同僚に成りすまし、税情報を覗き見ていたというものでした。民間企業であれば懲戒解雇、場合によっては刑事告発というケース。市民からの厳しい声が、市にも、私にも多数寄せられました。
 市の処分は、当人が10%3ヶ月の減給、パスワードを盗まれた元同僚が訓告、その他は異動先の上司らが訓告、注意などでした。民間なら「面白半分で覗いたら見えた!」という「事故」を防止した上で、事件として処分するもの。西東京市はいわば、猫の前に魚を置いて「取るな!」と言っていただけでした。猫の前の魚は市民の個人情報、市民が不信感を抱くのは当然です。こんな状態を放置した責任が問われなければなりません。市長の減俸がそこまで理解してのものだったらいいのですが、システムチェックに第三者の目を入れる「外部監査の実施」さえ予算項目に入れておらず、理解していないのではないかとの危惧が残ります。

障害者手当ての誤支給は1999年からとのこと。当時、私は「下水道受益者負担金の取りはぐれ問題」を追及し、その中で行政は事務事業の総点検をしたはずです。どんな「総点検」をしたのかとあきれてしまいました。今回の誤支給の発端は坂口市長誕生のはるか前とはいえ、その処理の仕方が問題です。300万円余の損失を全管理職から金額を定めた「自発的寄付」を集めて補填するというのです。どこが「自発的」かよくわかりません。「下水道受益者負担金問題」では発端は都丸市政時代でしたが、保谷高範前市長は最終損失300万円余を法務局に供託し、昨年の市長選敗退後に市に寄付をしました。坂口市長にも職員の士気を下げない、万人が感心する対処法があったのではないでしょうか。

土地開発公社の「予算流用」の説明では、予算にないものを他の項目から流用して支出し、補正予算を議会に提案するのも忘れてしまったということでした。議会が認めていない支出をすること自体が問題なのに、議会への報告・議案提出を半年も忘れていたという説明は信用するほうが難しい。どんな仕事をしているんだか?たるんでますね。実損がなかったとはいえ、疑問が残ります。市長と助役(土地開発公社理事長)には他の件と合わせて監督責任を取ってもらうことになりました。

なんちゃっておじさん
 「○○します・・・な〜んちゃって!」議会に説明したことを議会が終わった直後にホゴにする市長の手法は、むかし流行った「なんちゃっておじさん」。議会との信頼関係を壊し、議論の土台を突き崩す究極の議会軽視。
 市営駐車場の指定管理者や容器包装プラスチックの処理方法など、市長の意志を受けて職員が懸命に議会で説明しているのに、議会が終わったらさっさと違う方針を出してきます。「議会説明は嘘だったのか、市長を呼べ!」と、その度に市長の出席を要求することになりますが、市長は悪いことだと思っていないらしく始末に終えません。本来ならば減俸を求めるのですが、すでに減俸30%が内定済み。やむなく責任追及を留保し「経過観察」に。市長には、次にやったら上乗せをすると通告し陳謝を受けいれました。

その他プラスチックの処理、結局は・・・
 その他プラスチックの容器包装リサイクル法を使っての処理は今年10月から実施するとの表明を、私は「当たり前の市長の英断(?)」と評価したのですが、結局、来年度の早い時期へと変更。後退しました。
 市長にとって議会は市長の諮問機関、議会の議論や決定は単なる参考意見とでも思っているのでしょうね。それじゃあ独裁者になりますよ。
 きっと都議会にいたときに石原知事から同様の仕打ち受けて、当然のことのように受け入れてきたために違いないと思ってしまいました。

アスタ問題はどうなった?
 市営駐車場の指定管理者は公募で選ぶと説明しながら、(株)アスタ西東京と2年間の随意契約をしたのは、議会との信頼関係を壊し、議会を軽視するものだと追及してきました。本来なら公募で選び直すのが当然です。ただ、4月からの駐車場管理を宙に浮かせるわけにもいかず「契約を1年に限り翌年度は公募をする」との妥協策で合意しました。
 また社長問題については「この間の議会の議論を、議事録をつけてアスタ執行部に伝え、今後の改善を見守っていく」との答弁を得ています。ボールがアスタ側に渡ったものと考えています。アスタ執行部が、誠意ある回答を示さなければ、市に対して追加の措置を求めていくことになります。

勤労者福祉サービスセンター補助金は今年限り
 人を雇うためだけに、国と都および西東京市からの補助金をもらっているような実態の勤労者福祉サービスセンターが、今年度限りで廃止されることになりそうです。市は来年度から市の施策としての位置づけを止めるという説明でしたが、市が補助金を出さないと決定すれば、国と都の補助金は根拠がなくなるとのことでした。
 これまで国、都が申請に基づいて補助金を支出し、同時に市が義務的に補助をするものと理解していたのですが、市の意志でやめようと思いさえすれば廃止できたことになります。なんか騙されていたような気がします。行政の説明の胡散臭さに、改めて、刮目することが必要だと思い知らされました。

DVの駆け込み寺、民間シェルターに補助金
 ドメスティックバイオレンス(DV)を発見したり、相談を受けたら、東京都の配偶者暴力相談支援センターに通報することになります。センターは緊急の必要があると認めた場合、公営あるいは民間のシェルターに、被害者を避難させます。市はこれまで施設が市内にないことを理由に、補助をしてきませんでした。西東京市は民間シェルターというセーフティネットに乗り恩恵を受けながら、ただ乗りしていたと言えます。
 市外団体に補助金を出す基準は何かなどの質疑があって、民間シェルターに出すのなら他の団体にも出せ、ということのようでしたが、民間シェルターは行政の施策に組み込まれた施設であり、一般の民間施設とは区別されるべきものだと指摘しました。行政もしっかり答弁してよ!

トピックス
★ 相馬議員が森てるおの発言を不穏当だと指摘。森てるおはお上品ではないが、節度はある。市営駐車場の指定管理者を決める議案の討論で「市政に怪しい黒い影がありはしないかとの疑念を禁じ得ない」と感想を述べた部分に、過剰反応したんだよね。どーしてかな〜
★ 文化財、旧名主邸の補修費用200万円、ドッグラン95万円、DVシェルター20万円は予算賛成のごほうび?それとも賛成の大義名分?
★ たばこ税を払っているから喫煙者の便宜を図れという声が議員の中にも。喫煙は病気を生む病気。市民を病気にする喫煙に税金を使い、治すのにまた使う、へ〜んなの。健康保険がきく禁煙治療をしない人には1箱千円ほどの税金と、保険料を割増で払ってもらいたい。
★ 保谷駅南口再開発で、設計変更に要した費用を市が負担したのは違法不当として住民監査請求を行った。設計で便宜を図った企業に逃げられ、損失補填の契約がないために設計変更の費用は市の負担なんて、おおかたの市民は納得しない。責任をはっきりさせようということ。
★ 「武力攻撃災害ってな〜に?国民保護計画でどんなことを考えているの?」地域防災計画のようなものとの答弁があり、比較できる資料を要求して、国民保護協議会条例は継続審査に。

議会改革も情報公開の徹底から
 次回の市議会議員選挙は12月24日(日)に決まりました。クリスマスイブの投票日、しかも2連休の2日目。う〜ん、めんどうだな〜なんていわないで、投票には行ってくださいね。期日前投票というのもできますから。せっかく選びなおしの機会が来るのだから、この際、改めて議会や議員について考えてみましょう。
 議員の仕事は口利き、御用聞き、おねだりに応えることだと思っている人たちのなんと多いことか。議員もですが、勘違いしている市民も多いんじゃぁないですか? 「あれをやります、これもやります」なんて言って、いくらクリスマス選挙だといっても、議員はサンタクロースでも、プレゼントの運び屋でもありませんよね。
 西東京市ではこの間、多くの不祥事が明らかになりました。市長は議会でさまざまに追及されて、やっと責任を取りました。議員に与えられた権限を使い、市民の後押しを受けてできたことです。行政には自浄能力が不足しています。議員の最大の仕事は幅広い行政の仕事をチェックすること。それにはそれなりの人数が必要です。議員数が少ないと、その分スタッフが何人も必要になります。それに、人数を少なくしたからといって優秀な人材が残るとは言い切れません。取り替えようと思っても、政党の地域ボスのような人だったらまず不可能です。金と名誉、いろんな特権があるからそこにしがみつくし、最悪かもしれませんよ。
 議会改革のためには、まず議員特権を剥ぎ取る、どんぶり勘定の報酬をやめて必要経費を分離する、領収書つきの収支報告書を義務づけて公開対象にするなどして、市民のチェックが議員に及ぶようにすることが必要です。そうなったら、報酬や特権を求める議員、疑問も持たずに享受している議員は淘汰されます。必要経費を使って仕事をすることを目的にした議員が増えて、活性化すること請け合いです。せっかく雇う議員なのだから、しっかり仕事をしてもらうようにしましょう。

議員報酬の使い道(2005年1月〜12月)
収入        8,553,600円
議員報酬       5,940,000円
一時金(期末手当)  2,613,600円

支出        5,736,870円
委託費        1,223,000円
印刷費         885,372円
インターン諸費     101,607円
IT関係経費        50,432円
行動費          64,904円
光熱水費         49,827円
修理費          45,595円
消耗品費         56,444円
図書費          74,059円
調査研究費        43,350円
通信費 電話料金     82,062円
通信費 郵送費      70,618円
家賃等         577,000円
税等 所得税      569,100円
税等 住民税      399,100円
税等 共済掛金     916,000円
税等 国民健康保険   365,500円
税等 国民年金     162,900円
生活費充当額    2,816,730円



お知らせ・・・「森てるおと市民の広場」 どうぞおいでください
 拡声器29号をお届けします。お読みいただきありがとうございました。どんなご感想をお持ちになられたでしょうか。ご意見を伺ったり、また参加者の方々同士で、森てるおを交えて意見交換ができる機会になればと考えて、市民の広場を開いています。どうぞお気軽にお越しください。
―「拡声器」は協力者と森てるお自身が手配りでポストにお届けしています。「市民の広場」の期日までにお届けできないこともありますが、どうかご容赦ください。ご購読くだされば「なんでもリポート」ともども郵送させていただきます。お話は随時お伺いいたしますので、お気軽にご連絡ください。―

 1 5月27日(土) 10時〜12時 西東京市民会館 3階 第1会議室
 2 5月27日(土) 19時〜21時 コール田無 4階 会議室B
 3 5月28日(日) 10時〜12時 こもれびホール 1階 会議室



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