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 森てるおの拡声器 <第32号> 2007年1月発行  (html版)


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推薦人の川田龍平さんと <写真>

年末選挙。トップで当選!
 昨年末におこなわれた市議会議員選挙は、前回の最高得票者から推薦された2位候補の追随を受けたものの、他の候補者とは大きな票差が付いたトップ当選になりました。市民の皆さんからは、当選もさることながら、同じ様に考えている人がたくさんいることがわかってよかった、との感想をいただいています。
 議会は行政チェックが役割です。森てるおは市民が納得できる行政、市民が主役の政治を実現するために、納得できるものは承認するが、納得できないものはとことん説明を求める是々非々の姿勢を貫き、それらの情報をお伝えしてきました。今回のトップ当選は、自らが判断するための根拠、情報を求めている市民がどんなに多かったのかを明確に示すものになりました。行政は議員や圧力団体のおねだりや横車にあたふたするのではなく、ひとりひとりの市民に説明ができ、納得してもらえる施策を行なわなければなりません。市民は主権者として、この街の主人公として、納得できる行政を求めています。
 行政任せ、議員任せにしない市民の意志を受けて、これからも情報の徹底公開を推し進めていきます。一緒に、市民が納得できる町、市民が主人公の町づくりをしていきましょう。

偏西風で、西東京市はき・れ・い!?
 西東京市は関越自動車道と平行した北西からの風が多く吹きます。関越道の風下に当たる西東京市は、関越道を発生源とした大気汚染の影響を色濃く受けます。さらに、北西風を含む陸風と都心の大気汚染を運ぶ海風とがせめぎあい滞留する「風の収束帯」と呼ばれる、汚染が溜まりやすい地域です。
 12月議会で「関越道の汚染の影響を受ける、風の収束帯という地理的特性を環境施策に生かしているのか」と質問しました。市長の答弁は「調布保谷線が通り道になって海風を運んでくる」という的外れなものでした。「海風は都心の汚染を運んでくる。北からの汚染と南からの汚染がぶつかり合って落ちてくるのが西東京市だ。」とさらに質問したところ、「偏西風が汚染を吹き払ってくれる側面もある」という答弁になりました。ご承知のように、偏西風は大気の対流と地球の自転によって起こる強い西風のことで、はるか数千mも上空の現象です。当然、気象に影響を与えますが、地表には直接影響しません。直接影響するのだったら、この地域では西風以外は吹かないことになってしまいます。こんな話でごまかせると思ったのでしょうか。
 「風の通り道、調布保谷線が汚染物質を吹き飛ばしてくれる」というのは都心部にとって言えることです。その風が止まってしまう西東京市では「調布保谷線が汚染物質を運んでくる」という認識に立たなければおかしいんです。坂口市長は相変わらず、新宿の「都庁」の立場でものごとをみています。「偏西風」などと言ってごまかすのではなく、西東京市長の立場で考えてもらいたいものです。

国民保護計画は何のため?
 昨年12月15日から1月14日まで、国民保護計画についてのパブリックコメントの募集が行われていました。年末年始に加えて、市議会議員選挙もあり、市民の関心が薄くなる時期に、市報に載せた「概要」だけで意見を出せというのも乱暴な話です。
 出されてきた素案は東京都が作った「市町村モデル計画」の丸写しです。丸写しのために30数名もの委員が必要だったのか、これでは支払う手当ても、税金の無駄遣いとしかいいようがありません。その上に、これを基にして「訓練」を行なうなどは無駄の上塗りです。
 私は三点で問題の多いものだと思っています。ひとつは、「武力攻撃災害」という言い方。災害とは不可抗力の産物です。意思を持って引き起こされるものが「災害」であるわけがありません。二つ目は意思ある武力攻撃に対して「安全な避難場所」などありえないことです。人が集まる場所はテロ攻撃の目標になります。「被害が発生して市は責任が取れるのか」との質問に「発令中は国の責任です」との答え。残留孤児でも、空襲被害でも、国は一切責任を取っていません。市も無責任なことを言うものです。
 三つ目は、仮に避難するとして、5500人ほどもいる避難弱者「要援護者」を安全に避難させることは、市の1100人職員では不可能ということです。
 結局、役に立たない訓練で戦争の雰囲気作りをやろうとしているのだと思います。市民の正常な感覚を麻痺させ、戦争末期の「竹やり訓練」のように「国民精神の総動員」をしようとしているとしか考えられません。

市営駐車場の指定管理者はやっぱり「アスタ西東京」に
 アスタ市営駐車場の指定管理者選定が行われました。8社が応募し、市の幹部職員で構成された選定委員会で「厳正に」審査した結果とのこと。1社だけ応募要件の「商業施設併設の駐車場管理に実績があること」に?マークのつく企業があったものの、企業規模や駐車場管理の実績は潟Aスタ西東京(アスタ)と比べて、はるかに申し分ありませんでした。アスタビル地下という条件でなかったら、アスタに決まることはなかったと思っています。
 昨年、入札なしで委託した際に、アスタと協議して作った管理業務の仕様書がそのまま使われています。だから、そもそものスタートがアスタ有利の設定だったといえます。そんな中でも、アスタが最低価格を提示したわけではありませんでした。すべての応募社が設定条件をクリアーしているのだから、あとは価格で決めるのが一番わかりやすいはずです。抽象的な選定項目が入ればそれだけ透明性が失われてしまいます。
 さらに、当初3年と考えられていた指定期間がなぜか5年になっているのです。こもれびホールなどと同じ5年にしたと説明されたのですが、これもよくわかりません。ホールでの音楽や演劇などの興行は1年も1年半も前から出演交渉をします。3年では先を見越したイベントは組めません。だから5年という期間にはそれなりの合理的な説明が成り立ちます。しかし、これと駐車場を一緒くたにして考えるほうがおかしいんです。行政の都合を優先したのか、アスタの都合で決めたのか、私は何か意図的なものを感じてしまいました。
 結局、選定のやり直しをするのが妥当と考えて、契約には同意しませんでした。

住民訴訟初公判 ―保谷駅南口再開発事業・修正設計費用相当額1700万円の返還を求める住民訴訟―
 1月30日に初公判がありました。完成するビルの半分を買い取るとの口約束を真に受け、用途が限られた設計が行なわれました。口約束が反故にされて、設計はそのままでは使えなくなりました。のちに1700万円をかけて設計の修正を行ないました。この費用は誰が払うべきでしょうか。西東京市監査委員は「口約束だから、相手側に支払い義務はない」といっています。職員の責任は?

議員控え室も禁煙に!!
 2004年4月から市の公共施設は全面禁煙になりました。当然のことながら、議会棟も同時に禁煙になりましたが、議員へは特別サービスとして、議会棟4階ベランダにも喫煙場所が設けられました。ところが、前号でご報告したとおり、この間ずっと、議員控え室の一部は喫煙室状態になっていました。職員が議員には注意しにくいのを見越してのことです。
 「市民や職員に説明が付かないからやめようよ!」と、いくら言っても改善されません。やむなく、本会議で担当の職員を相手に「議会棟は例外か!」と質問し、全施設での禁煙を再確認することにしました。その甲斐あってか、その後、議長から全議員に、改めて禁煙を徹底するようにとの要請が行なわれました。現在のところ、守られているように見えます。
 しかし、「懲りない面々」なんです。再び同じ様な事態にならないとも限りません。市民の皆さん、監視と見つけたときの実名公表をよろしくお願いします。

議員特権廃止キャンペーン
 議員に不思議な特典があり、その廃止を求めていることは、これまでにもご報告してきました。昨年末からは議員特権の廃止を求める全国規模での「キャンペーン」も行われています。特権と思われる事例を募集して、その中からワーストランキングを選出して発表し、廃止に弾みをつけようというものです。1月8日に朝日新聞が報道し、その後いくつものテレビや新聞が取り上げる中で、ずいぶん反響が広がってきました。市民感覚から外れたお手盛りの制度は、議員同士や議会と行政との間に馴れ合いや癒着を生みます。「議会の常識、市民の非常識」と揶揄されることのないように、襟を正し、身を慎む議会であってもらいたいものです。
 下記の表は、西東京市の議員が就任する、報酬が出る議会外ポストの2005年度会議実績です。2004年度に引き続いて一覧表を載せておきます。大半が「出張」程度の仕事ですね。日給、時間給に換算してみましたが、ご感想はいかがですか。(1、3、5、8、9が各2名、2、7が各3名、4、6が各1名、10が6名です。)
報酬が出る議会外ポスト一覧

インターンを終えて
 
肥田 真理子
 インターンをして一番印象的だったのは、市議会議員には会議の期間以外は、自由な時間がものすごく多いということだった。
 中には、その自由な時間とお金を自分のために使って、次のキャリアへの準備期間に使っている人もいた。私達市民の代表として、さまざまな活動をするべきなのに本当にそれでいいのかと疑問に思った。
 その点で、森さんは議員さんらしくない議員さんだった。
 議員報酬の使い道を細かく、しっかりと示し、講演会や街頭演説、ビラ配りなど本当に様々な活動をしていた。足の先まで冷たくなり、手が上手く動かなくなるような寒さの中、2時間もの街頭演説。正直きつかった。何万枚というビラを自分の手で一軒一軒回って、ポストの中に入れていくビラ配り、考えるだけで気が遠くなりそうだった。
 市議会議員というと華やかなイメージがあるけれど、それとは逆に地道な作業がたくさん待ち受けていた。市民の代表として選ばれているのだからこれが本来あるべき姿なのかもしれないが、なかなか継続してできるものではない。ものすごいエネルギーが必要だ。
 森さんをここまで動かしているのは何だろうと考えたことがある。今振り返ってみると、今の政治や世の中に対して一種の「怒り」があって、それが森さんの原動力なのではないかと思った。道路を勝手に拡大してしまうことへの「怒り」。税金が無駄に使われることへの「怒り」。
 今の世の中で、特に若者の中で、このような「怒り」を感じる人はどれぐらいいるのだろうかと思う。「どうでもいいよ」と無関心にしている人があまりに多くなっているのではないか。私もそのうちの一人だった。「怒る」ことは生活する上で余分なエネルギーを使うから、無関心でいた方が「楽」だからだ。
 すべてのことに対して「怒り」という感情が出てくるのは、やはり疲れてしまう。だからといって、感じる心をなくしてしまっては、世の中はなかなか良くなっていかない。本当は、自分の暮らしに直結することだから、無関心ではいられないはずだ。
 「森さんはどうして議員さんをやっているんですか」という私の問に対して「議員を辞めるために議員をしている」とおっしゃったことがある。
 市民の一人一人が、政治に関心を持ち、より良くしていこうと行動する世の中。そういう世の中になれば、議員さんの役割は確かにどんどん小さくなっていくだろう。
 自分達の暮らしは自分達の手で作っていく。そのために、無関心はやめること、「本当にそれでいいのか」と「怒り」を感じること、そして声を出していくこと。
 これがインターンシップを体験しての私が学んだ一番大きなことだ。これから接するあらゆるできことに対して、少しづつ実行していきたいと思っている。
 ( 肥田真理子さんは昨年冬のインターン生です。卒業後、06年4月から中部地方の放送局に勤務 。)



お知らせ・・・「森てるおと市民の広場」 どうぞおいでください
 拡声器32号をお届けします。お読みいただきありがとうございました。ご感想はいかがでしょうか。皆さまのご意見を伺ったり、市民の皆さま同士で意見交換ができる機会になればと考えて、市民のひろばを開いています。どうぞお気軽にお越しください。
―「拡声器」は協力者の市民と森てるお自身が各戸のポストに、手配りでお届けしています。年間4回市内各所に行きますので、町の様子、変遷がよくわかります。業者頼みでは得られない貴重な情報が手に入ります。「市民のひろば」までに届かないことも多々ありますが、ご容赦ください。ご購読者には出来上がり次第、郵送でお届けしています。「市民のひろば」は2月・5月・8月・11月の最後の週に行なっています。―
 1 2月24日(土) 10時〜12時   市民会館    3階 第4会議室
 2 2月24日(土) 19時〜21時   コール田無   4階 会議室 B
 3 2月25日(日) 10時〜12時   こもれびホール 1階 会議室
日時、会場をお間違えないようにおいでください。



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