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 森てるおの拡声器 <第34号> 2007年7月発行  (html版)


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バイオガス化施設にて <写真>

ごみ収集の有料化と個別収集、効果は疑問
 市では「ごみ総量の減少と経費の縮減」を目的として、来年1月からごみの収集が有料化されます。それに先立って9月からは個別収集が、10月からは容器包装プラスチックのうち、ペットボトルや白色トレイ以外の「その他プラスチック(その他プラ)」が分別収集になります。
目標はごみゼロではないのか!
 市は今回の施策で10〜15%のごみ減量を見込んでいます。確かに不燃物は無料の間の駆け込み廃棄で当初は大幅に減少します。しかし、ごみになるものは減りません。すぐに頭打ちになるでしょう。可燃物は有料化に慣れるまでの間は少なくなりますが、減り続けるわけではありません。結局、15%減少の見込みも、お金を取れば市民は出さなくなるだろうという憶測に過ぎません。
 また、「焼却炉は24時間運転だからごみの量が減りすぎたら困る、燃やすのに燃料(プラスチック)が混ざってなければ困る、エコセメントの原料(焼却灰)が足りなくなるのも困る」という本音もありそうです。ごみゼロに向かう施策になっていないのです。
増えた経費は市民に転嫁?
 可燃ごみに混入した「その他プラ」を分別、資源化すれば、焼却炉の中では水分の多い生ごみの比率が高まって、燃えにくくなります。その分、重油の使用量が増え、経費が増えます。戸別収集も経費を増大させます。「増えた経費は市民に負担させればいい」ということでしょうか。
 ごみ処理は昔から、伝染病予防など公衆衛生の向上と町の美観保護を目的にした行政の仕事です。今でも、生ごみの処理は税金でやるべき最優先の仕事です。その費用を市民から徴収するのは二重取りです。行政が市民に費用や労力の提供を求めるのなら、主人公の市民に目標を示し、施策の結果がどうなるのかを説明する責任があります。市民が何の費用を負担しているのか、何に協力しているのかわからないような有料化は間違っています。
ごみゼロに向けて
 ごみゼロへの展望は「混ぜればごみ、分ければ資源」の徹底から開けてきます。可燃ごみの中に混ざりこんでいる紙ごみや「その他プラ」を資源として取り除いたあとの生ごみも実は資源なのです。(中面参照)資源化するには分別の徹底が不可欠です。分別を徹底させる方策を持たない今回の市の施策ではごみゼロに到達できません。有料化するにしても、たとえば「その他プラ」を無料にすれば、可燃ごみから取り除くことに一層協力してもらうことができます。生ごみも分別の徹底を図り無料にして、資源化を目指します。ごみゼロに向けて、これくらいはやってもらいたいものです。

生ごみは資源として使おう
 生ごみは昔から堆肥や燃料ガスなど資源として利用されてきました。今の、ただお金をかけて燃やすだけの無策から抜け出すためには、もう一度このような資源化の利点を見直すことが必要です。広い敷地や堆肥の利用法がない都市部では、生ごみは堆肥化よりもメタン発酵させるガス化のほうが現実的でしょう。有機農業農家では小規模のものが実用されています。
 先日、東京スーパーエコタウン(大田区城南島)にあるバイオエナジー鰍フバイオガス発電プラントを見学に行きました。食品残渣を発酵させて取り出したメタンガスを、発電用ガスタービンの燃料として使っているのです。タービンから出る廃熱も利用されています。ガスは純度を高めれば自動車燃料としても使えます。
 ガスを取り出したあとの廃液は沼のヘドロのようなものです。農村ならばそのまま液肥として使えますが、ここでは液体と固体に分離して処理されていました。液体は浄化処理をして排水し、固体は堆肥にできますが、廃熱で乾燥させて固形燃料化されていました。堆肥にするには二次発酵が必要になります。そのための場所も必要です。
 これらの処理の要になるのが分別の徹底です。「混ぜればごみ、分ければ資源」は今でも有効です。その施設では10%くらいは不純物の混入を見込んでいるそうです。現状での家庭用生ごみの不純物混入率は30%くらいにはなるようです。まずは10%以下に抑える方策を考え、市民の協力を求めるべきでしょう。「ごみゼロをめざして、生ごみは資源化しましょう。そのために、分別の徹底にご協力ください。」このくらいのことは言ってもらいたいですね。
 京都に別方式の施設がありますので、見学に行くつもりです。

組織改正について
 今議会には組織改正の議案が出されていました。法律上、事務は分掌(分けて受け持つこと)することになっていますので、どのように改変しても縦割りになります。わかりやすくなる反面、わかりにくくなる部分も当然出てきます。程度問題に過ぎません。
 今回の改正が特殊なのは「安全安心対策室」という係が一つしかない部局を作る点です。担当する事務は防犯、防災、国民保護。職員数9名、予算額25億円余。そのうち22億円は東京都への消防委託費。人件費等を除けば2億5千万円弱の予算額になります。とても部クラスの仕事量ではありません。当然です。防災は消防、防犯は警察が常備組織として整備されており、市の役割はほとんど連絡調整にとどまります。
 部クラスとしては少なすぎる予算で、9人もの職員をつけて何をさせるのかという疑問が出てきます。私は、国民保護に名を借りた住民総動員計画、訓練の実施に主眼を置いているのだろうと判断しています。地域での戦争体制の準備です。
 部局を作れば仕事をさせないわけにはいきません。余計な仕事が作られ、無駄遣いも生まれます。この部局を独立させる必要性はまったくありません。

自衛隊による市民監視に抗議する
 自衛隊の情報保全隊がイラク派兵に反対する人たちを、反自衛隊活動をしているとして監視していました。議員の報告活動まで監視対象にしていたのです。軍隊の活動を批判する人たちを敵視し、監視したのが政府の指示だとしたら大変な問題です。また自衛隊の独自行為だとしたら、文民統制が機能していない証明になります。
 軍隊の自己保存の本能は、政府が教科書から抹消したがっている、60余年前の沖縄戦で自殺の強要・住民虐殺を引き起こした元凶です。軍隊の暴走とは、実は軍隊という組織の必然なのです。それを抑える文民統制が壊れている、大変な問題です。
 侵略の脅威よりも災害の脅威のほうがはるかに大きい日本では、軍隊よりも災害救助隊のほうが何倍も有用です。軍隊の暴走を心配しないで済む、自衛隊の災害救助隊への組織替えを支持したい、それが国際的な信頼と日本の安全保障につながります。

ふるさと納税って何だろう?
 住民税の一部を出身地の自治体に納税する制度を政府が考えているようです。
 税金とは一体何でしょうか。私は税金をサークルの会費にたとえています。年間の運営費と活動費をまかなえるようにするのが会費です。均等割であっても「応能負担(出せる人が出す)」や「応益負担(利益を得る人が出す)」であっても、言うならば、税金は「応分の割合」で負担する会費です。
 ふるさと納税は「別のサークルに会費を払っているから、その分会費を安くしてください」といっているようなものです。別のところに会費を払って、サービスをしてくださいといわれても困ります。
 税金、とりわけ地方税にこんな発想が出てくることが理解できません。

後援名義の使用について
 市民グループが行なった憲法擁護の集会を「市や教育委員会が後援したのは問題だ」との質問が公明党の中田議員からでてきました。
 憲法を変えるとか変えないとかで政治的な課題になっているものの一方を市や教育委員会は支持したのか、という趣旨だったようです。
 市や教育委員会の「後援」は市の意志として行われるもの以外に「名義貸し」として行なわれています。申請されたら要項にしたがって名義使用の諾否が決まります。市が好き嫌いで決めたらおかしい話です。
 まして憲法擁護の集会です。憲法第99条は「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と公務員の憲法擁護義務を定めています。
 名義貸しをしている以上、自治体が現行憲法を擁護しようという集会を後援するのは極めて当然のことです。問題視したこと自体が理解できません。
 憲法を変えろという集会だったら、後援するのは悩ましいところでしょうが。

秘密会
 議会の会議規則の中に「秘密会」という規定があります。公開すると差しさわりが出るような事柄について、非公開で審議をし、会議録も非公開というものです。しかし、行政にはプライバシーを除いて秘密にすべきものはないというのが私の考えです。しかも、ほとんどの場合、行政がプライバシーに触れないで答弁することは可能です。
 5月31日に開かれた駅周辺再開発等特別委員会が途中から秘密会になりました。「こんなことも秘密にしていたのか」とあきれました。また、秘密でもなんでもないことまで口止めされたような気がしています。
 議員の中には質疑をするためと称して、秘密会をすべきという人もいます。しかし、議員が行政と秘密を共有したら、市民が知らない間に、物事が進んで行きます。チェックは誰がやるのでしょうか。
 秘密会を開いてみて、行政はプライバシーを口実に必要以上に隠し事をしていたことがわかりました。これらを今後の質疑に生かし、情報隠しを許さない姿勢を強めていきます。そもそも、安易に秘密会をやろうというのは議員の特権意識の表れです。

参議院議員選挙、自民党が大敗!= 市民が自立する政治へ =
 今回の選挙結果は、三位一体改革の名の下に、地方分権を謳ってきた前小泉政権以来の政治路線が、地方を疲弊させ、地方の反撃にあって崩壊目前に至ったものと、私は見ています。
 さらに「上げ潮路線」と称された安倍景気拡大先行路線のせいで、都市と地方、大企業と中小零細企業、資本家と労働者、正規労働者と非正規労働者などなどあらゆる場面で格差が拡大し、生活苦や先行きに希望を見出せない人たちが非常な勢いで増加しています。さらに深刻なのが、進行する社会保障の制度的な崩壊です。
 安倍自民党の「金持ちが取るだけとって、おこぼれを庶民に分ける政策」は政治とは言いません。政治の第一の役割は富の再分配を進めることです。年金、医療を初めとする社会保障制度も、雇用政策も、すべての市民の自立を促進し、社会の活力を増大させるためのものです。
 この大敗を機に、政府が再び地方への財政バラマキを進めようとするかもしれません。票のために二つの大政党が競い合わないとも限りません。
 地方自治の流れを逆転させてはなりません。政府の過大な財政支援は、地方の自立を阻害してしまいます。誰が政権に就こうとも、市民の自立、地方の自立を制度として保障していくことが政治の役割であることには違いありません。格差の拡大は市民の自立を阻害します。
 市民が主人公として、この国で生き生き暮らしていくために、政府や政党に絡め取られない力と覚悟が必要です。今回の結果は、市民がいかに力を持っているかを示したものと受け止めています。おまかせ政治に戻らないようにしましょう。
 私はこの選挙で、私の推薦人でもある東京地方区の川田龍平さんを応援してきました。東京で42年ぶり、市川房江さん以来の無所属議員が誕生しました。私同様、事実を事実として伝え、市民が判断する政治状況を作り上げることに尽力してもらいたいと思っています。

議員報酬の使い道(2006年1月〜12月)

収     入 8,583,300
 議員報酬    5,940,000
 期末手当    2,643,300

支     出 5,322,665
 事務所費     435,250
 光熱水費      41,578
 什器備品費     87,921
 維持補修費     53,926
 情報関連経費    48,245
 通信費(電話)   35,747
 通信費(電話)   54,890
 通信費(郵便)   40,676
 消耗品費      56,751
 委託費     1,200,000
 図書費       90,940
 印刷費      931,022
 研修費       20,000
 インターン諸費   10,873
 活動費       19,000
 交通費等      31,666
 税等      2,164,180

差引本人生活費 3,260,635



お知らせ 「森てるおと市民の広場」 どうぞおいでください
 拡声器34号をお届けします。お読みいただきありがとうございました。ご感想はいかがでしょうか。皆さまのご意見を伺ったり、市民の皆さま同士で意見交換ができる機会になればと考えて、市民のひろばを開いています。どうぞお気軽にお越しください。
――「拡声器」は協力者の市民と森てるお自身が各戸のポストに、手配りでお届けしています。年間4回市内各所に行きますので、町の様子、変遷がよくわかります。業者頼みでは得られない貴重な情報が手に入ります。「市民のひろば」までに届かないことも多々ありますが、ご容赦ください。ご購読者には出来上がり次第、郵送でお届けしています。「市民のひろば」は2月・5月・8月・11月の最後の週に行なっています。――
1 8月25日(土) 10時〜12時 保谷こもれびホール 1階 会議室
2 8月25日(土) 19時〜21時 コール田無     4階 会議室 B
3 8月26日(日) 10時〜12時 西東京市民会館   3階 第1会議室
 日時、会場をお間違えないようにおいでください。



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