表紙「森てるおの拡声器」インターネット版>森てるおの拡声器第37号

 森てるおの拡声器 <第37号> 2008年4月発行  (html版)


 ・事務所(自宅) 西東京市北町3-4-5     TEL&FAX.042-424-3410
 ・連絡事務所  西東京市中町2-8-13-102   TEL.042-439-7023  FAX.042-439-7024

拡声器7万枚を刷り直し<写真>

報酬が高ければ議員の質がよくなるのか?

市民の「怒りの陳情」は署名人数13,517人!
 12月議会で可決された議員や市長等の報酬や給料の引き上げを、元に戻すことを求めた市民の陳情が1万3,517名の署名とともに議会に提出されました。わずかな期間にこれだけの署名が集まったことは、市民の怒りの大きさを示すものでしたが、企画総務委員会では、わずか15分で不採択にされてしまいました。

市民の陳情をはねのけるのは「昼めし前」!!
 15分という時間の短さもさることながら、陳情の審査に入った時間が11時55分という点に違和感を覚えました。あらかじめごく短時間で終わることを想定していなければ、ほかにまだ議案があって午後も審議をするのだから、お昼前のそんな時間から審議入りすることは考えられません。さっさと片付けようという事前合意でもあったのでしょうか?

やっぱり自分が欲しかっただけ!
 賛成の議員たちは12月議会の中でしきりに「議会に優秀な人材を確保するため」と言っていました。そうだとすれば、次の選挙で報酬が上がりますよと宣伝し、当選した人たちの分から引き上げるのが筋でしょう。4月からの施行は先送りするという議案の提案くらいはするのかと思っていたのですが、そんなこともしませんでした。やっぱり自分たちが欲しかっただけだったようですね。
 引き上げに反対した人たちが提案してもよかったのですが、みんな市長の「与党」ですもんね。

「不当利得!」森てるお は辞退します!
 4月分の報酬は引き上げ額が支払われました。森てるお は「経過を考えれば、増額分を受け取ることは『不当利得』を得ることになる」等を理由に、市に返還を申し入れ、市が「寄付の禁止に抵触する恐れがあり、受領を拒否する」としたために、法務局の担当者に手続き方法などを相談の上「供託」をしました。それが、その後法務局の見解が変わり、5月分からは同じ方法が取れなくなりました。おかげで、拡声器7万枚は刷り直し。5月からは差額分の受け取りを拒否するつもりでいます。

議員の報酬は、生活費と活動費に分けるべき!
 「議員報酬を二分し、活動費部分については領収書をつけて報告し、使わなかった分は返す制度を!」という趣旨の私の一文が東京新聞に掲載されました。「議員にしっかり仕事をさせるためには、生活費はほどほどに、活動費(必要経費)を十分に!」そんな制度が必要だと思います。

議員報酬、増額分は受け取りません!
 森てるおは「報酬審議会の答申は結論に疑義がある。答申を踏襲した報酬引き上げの議案には瑕疵があり、引上げ分は不当利得で受け取れない」と主張しています。
 今までも、多摩六都科学館などの報酬を「議員報酬以外の報酬は二重払い」として、受け取り拒否してきました。この分は行政が法務局に供託しています。
 今回、議会事務局が負担の軽減を望んだため、法務局の担当者と協議の上で返還方式による供託を選択しました。裁量の範囲で問題ないとの説明だったのに、なぜか、5月分から返還方式ができなくなりました。法務局の見解変更です。拡声器刷り直しで20万円の大損害!
 大政党がこぞって進めた報酬値上げ、反対すればいろいろあるんでしょうね。まだ序の口、序の口、かな?
 筋からすれば受取り拒否のほうがわかりやすいので、5月からは増額分を受け取らないことにします。
 行政と「払う」「いらない」とやり取りしている対象は「森てるおの報酬」です。他の人には関係ない話です。「納得できない、いらない」といっただけで、何で周りが騒ぐんでしょうか。何が困るんでしょうかねぇ。
 初当選直後「森てるおの服装は議場にふさわしくない。」旨の発言に端を発して全国的な服装論議が起こりました。人様のことに口を出すのがお好きですね。

生活保護受給者の孤独死
 生活保護受給者で都営住宅に住む40 代半ばの男性が孤独死した。発見されたのは3月3日。死後2ヶ月ほど経っていた。生活保護は2月で打ち切りになっていた。  40代の男性が生活保護を受給するのは大変ハードルが高い。相当困難を抱えていたと推測することができる。打ち切りに当たって、受給時の状況が改善されたと確認できていたのか、私は疑問に思っている。生活保護は憲法第25条の「生存権」を根拠にしている。打ち切りが生死に直結する可能性は少なくない。国が高齢者や母子への加算をやめ、保護費の引き下げを行なっている中で、自治体が「生存権」を守り続けるとしたら、生活保護受給者の実態を正確に把握し、過不足なく給付するしかない。果たしてそれができていたのか。
 市職員が発見に立ち会いながら、市長は4日後に私が問い合わせるまで知らなかった!現場での出来事を市長が把握していないことになる。とんでもないことだ!

市民の怒りを止められるのか?
 議員報酬等の引き上げに怒った市民が、田無庁舎前で陳情への賛同を呼びかけていました。何人かの議員から「あんなことをやらせていいのか?」との声が上がっていました。目障りだったのでしょう。
 私に「どう思いますか?」と聞く議員もいたので、「市民が『原因を作った市長が管理者だから、市長が直接言いにくればいい』と言ってたよ」と教えました。他の市民にとって明らかに邪魔だと言うのならともかく、市長に抗議する市民を市長が排除したら、問題は別のところで一層こじれるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

後期高齢者医療制度
 後期高齢者医療制度への批判が強まっている。政府は「長寿医療制度」に呼び名を変えたが、実態は変わらない。医療費削減という「算術」で、高齢化社会の負担増を押さえ込もうとする政府の方針に、「現代版姥捨て山」とか、「年寄りは早く死ねという制度」などの批判がなされている。単純に考えて、医療を必要とする確率の高い高齢者だけを集めて「保険」が成り立つわけがない。給付率が高まれば保険料が高くなるのが保険制度。なけなしの年金から有無を言わさず保険料を天引きし、受診すれば一部負担と保険料の引き上げがその後を襲う。だから受診にブレーキがかかる。診療報酬が定額になる医師の側でも、必要な検査、治療が自腹になれば、診療行為にブレーキがかかる。崩壊するしかない制度だが、被害が拡大しないうちに廃止することが必要だ。
 地方議会がこぞって予算に反対したら、この制度の運用は始まらない。当面は旧制度を続けるしかなくなる。高齢者の怒りの前に、困るのは自治体か、それとも国か?

議会のルール、市民のルール
 前号で「本会議の一般質問、報酬問題を取り上げたのは森てるおだけ」と書いたことに対して、生活者ネットの保谷七緒美議員が「議会では・・・議案として、後日委員会審査に付託されるものについては、事前審査になるので、一般質問では取り上げないのがルールとなっています。」と自身のホームページに書いています。
 森てるおがこのルールを示さなかったとした上で「市民に間違った判断をさせないためにも、これは言わないと市民が判断を間違えるかもしれないと思われることは、しっかり伝えていくべき」「この議員の良心とも言うべき心構えの欠けている議員は、議員としての資質に課題があるといわざるをえません。」と書いています。
 議会で質問してはいけないことがあると考える議員がいるなんて、ビックリしました。そんなルールは知りません。質問するのは行政をチェックする議員の仕事、役目です。それを『自主規制』してしまう議員のほうが「資質に課題あり」だと私は思います。
 もちろん、行政が質問にどう答えるかは「行政側の事情」によります。納得すれば質問は引き下げます。
 「後日委員会審査に付託・・・」されていても、私はその委員会の委員ではありません。委員会審査に抜け落ちがあるので、会議規則で認められている「委員外議員」として質疑をしましたが、保谷七緒美委員長(!)はこれを「特別許可」と表現しています。「委員でない森てるおが質問するところは、本会議を含めてどこにもないんだ!」と言っていることにならないでしょうか。
 市民が疑問に思ったことを、市民がわかるように説明するのは行政の役目、不十分なら明らかにさせるのが議員の役目です。あらゆる機会を使って解明に努めることが求められます。議会のチェックが不十分だと行政は腐ります。議会のルールは市民のためにこそあるのです。

−自衛隊官舎ビラ入れ−最高裁判決を批判する
 立川の自衛隊官舎に、イラクへの自衛隊派遣に反対する内容のチラシを配布したとして逮捕され、75日間も勾留された市民3人に対し4年間の裁判の末、最高裁が有罪の判決を出しました。
 表現の自由は住人の生活権より下位にあるとした最高裁の判決は、事実の認識において間違いを犯しています。
 表現の自由も住人の平穏な生活権も、ともに基本的な権利として尊重されるべきものであることは間違いありません。しかし、表現の自由の対極には住人の「知る権利」があります。今回の判決は「住人の平穏な生活権は表現の自由を理由に侵害されるべきではない」というものでした。最高裁は「管理人は住人の知る権利を侵害してもいいのか」という問題を考慮しないという間違いを犯してしまいました。
 私は議員として、自治体で起こったことを知らせるのは議員の仕事だと考え、ニュース「拡声器」の配布をしています。ところが中には「こんなものいらない!」という市民もいます。もちろんお渡ししません。しかし、「俺のいらないものを隣の家に配るな!」と言われたらどうでしょうか。理不尽な要求ですよね。
 実際には、森てるおのニュースは見たいのだけど、他人に森てるおと関係があるように見られるのは嫌だという人がいます。他人に内面を覗かれることなく物事を知る権利は思想・信条の自由と同じ意味を持つ権利です。理不尽な要求こそ断罪されるべきです。
 自衛隊員にも「知る権利」はあります。官舎の管理人は配布者に対して「住人に迷惑がかからないように配る」ことを求めるだけで、住人の「知る権利(思想・信条の自由)」と平穏な生活権をともに確保できたのです。最高裁は、管理人が住人の「知る権利(思想・信条の自由)」を侵害するのを許し、表現の自由を含む基本的人権の侵害に道を開きました。判断を間違えたとしか思えません。

議員報酬の使い道(2007年1月〜12月)

収     入  8,583,300
 議員報酬    5,940,000
 期末手当    2,643,300

支     出  5,901,191
 事務所費     304,830
 事務委託費   1,200,000
 光熱水費      43,644
 什器備品費     79,428
 維持補修費     53,926
 情報関連経費    48,245
 通信費(固定電話) 54,638
 通信費(携帯電話) 88,396
 通信費(郵便送料) 79,688
 情報関連経費    55,056
 拡声器印刷費  1,131,375
 その他印刷費    39,507
 図書費       2,950
 研修費       62,720
 消耗品費     107,289
 活動費       33,340
 交通費等      11,700
 税等      2,563,580

差引本人生活費  2,682,109



森てるおと市民の広場
 拡声器37号をお届けします。お読みいただきありがとうございました。ご感想はいかがでしょうか。
 皆さまのご意見を伺ったり、市民の皆さま同士で意見交換ができる機会になればと考えて、「市民のひろば」を開いています。どうぞお気軽にお越しください。
――「拡声器」は協力者の市民と森てるお自身が各戸のポストに、手配りでお届けしています。年間4回市内各所に行きますので、町の様子、変遷がよくわかります。業者頼みでは得られない貴重な情報が手に入ります。「市民のひろば」までに届かないことも多々ありますが、ご容赦ください。ご購読くだされば、出来上がり次第郵送でお届けします。「市民のひろば」は2月・5月・8月・11月の、おおむね最後の週に行なっています。――
1.5月24日(土) 10時〜12時   市民会館     3階 第4会議室
2.5月24日(土) 19時〜21時   コール田無    4階 会議室B
3.5月25日(日) 10時〜12時   こもれびホール  1階 会議室
日時、会場をお間違えないようにおいでください。



拡声器のページへ戻る

表紙へ戻る