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 森てるおの拡声器 <第41号> 2009年4月発行  (html版)


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汚染東京一の下保谷測定局がある第一小学校<写真>

坂口市長、給料を20%削減!
― でも、ボーナス、退職金は削減なし。ご存知でした? ―
 坂口市長が選挙直前に公約にもぐりこませた「市長給与の20%カット」が3月議会で可決されました。4月以降任期満了まで市長の毎月の給料は 20%減の84万円です。しかし、期末手当(ボーナス)と退職金は除かれ ました。全部が20%減額されたら4年間で1755万6千円の減額になりま すが、議決後の4月から46ヶ月で966万円が削減額、差額の789万6千 円は市長の懐に入ります。企画総務委員会では自民党がボーナス、退職金 も減額する修正案を出しました。ふつう、給料が上がっても下がってもボ ーナスや退職金はそれに連動しますから、修正案のほうがよほど筋が通っています。 でも、民主・社民、共産、納田議員が反対し、なぜか公明党が退席していたため、修正案は否決されてしまいました。 まったく議会のやることはよくわかりません。会派主義、団子政治の弊害でしょうね。
 結局、その後の本会議では、市長提案に自民が反対、公明はここでも退席、 民主・社民、共産、生活者ネット、納田議員、森てるおが賛成して、月々の給料だけの削減案が可決されました。

次は議員報酬?
 議員報酬の額について、市長は報酬審議会で審議して決めると表明しました。市長の立場では当然の手続きです。しかし、議員報酬は議会の議決で議員が決めます。引き上げだと「お手盛り」と批判されることになりますが、引き下げなら報酬審議会に諮るまでもなく、議員3人で議案を出せばいつでも審議の対象にできます。一部議員が「報酬審議会で・・・」と言っているのは欺瞞です。
 また、議員報酬には基準がありません。報酬審議会といえども上げるにしろ下げるにしろ、もっともらしい理屈を作る必要があります。市長が「政治判断」で給料を下げたように、議員も「政治判断」するしかありません。次の議員選挙までは1年9ヶ月です。報酬審議会の結論を待っていると選挙が近づいてきます。どの議員がどんな態度を取るのか、よ〜く観察できていいかもしれませんね。

森てるおの報酬は、まだ・・・
 街角などで出会った人からは、挨拶代わりに「報酬はもらえているの?」と聞かれます。「まだなんですぅ〜」と答えていますが、「兵糧攻め」ももう1年、まだまだ続きそうです。私は意地っ張りですので意地悪されてもへこたれませんが、報酬は生活費でもありますから「兵糧攻め」に耐えられる議員はたぶん皆無だと思います。そのことを承知の上でのこの措置ですからひどいものです。
 それにしても、制度上、議員の報酬支払い義務は議会(議長)にあるのに、ここまで市長に干渉されて黙っているのだから、議会(議員)はえらそうにしていても自立していませんね。


えっ、傍聴に診断書がいるの?
 議会の傍聴規則の中に帽子、コート、マフラーの類を着用しないこととの規定がある。「ただし、病気その他の理由により議長の許可を得た場合は、この限りではない」と付記されている。
 主権者は市民なのだから、審議の妨げにならない限り、議長あるいは委員長が幅広く認めればいいだけのこと。審議に参加している一介の議員にしてみれば気にもならないし、特別な違和感もない。
 ところが、それを気にした議員がいた。議会運営委員会の席上、小林たつや委員(自民)が「傍聴人に帽子を取るようにいってください」と委員長に求めた。当の傍聴人は足繁く傍聴に通っている市民だが、持病があることを議会事務局も知っている。「病気なんだったら診断書を出すのが当然」と小林議員は言う。言外に『出さないのなら傍聴させるべきではない』と聞こえてくるようだ。
 結局、委員長が許可するということにはなったが、市民の傍聴は議員監視でもあり、市民の権利に属する。会議は市民注視の中でやるのが当たり前。むしろ市民には自分が選んだ議員の監視を義務と考えていただきたいくらいだ。
 市民は自分の格好は自分で決める。服装などを問題視するほうがおかしい。傍聴規則が市民の権利、選んだ責任の履行を阻害するものならば、撤廃したほうがいい。

借金はほどほどに!
 地方自治法は自治体に「最小の経費で最大の効果」を上げることを求めている。ふつうに解釈すれば「無駄遣いをするな」ということだ。しかし、行政担当者は違う解釈をして、「国や東京都から補助金を得て事業をすれば、起債(借金)もできるし、市の持ち出しが少なくて済む」と考える。必然的に「必要な事業より補助金の出る事業」の優先度が高められてしまう。これらの事業の中でも、国の政策誘導に適った事業では、借金の返済に当たってその何割かを国が負担してくれる。(たとえば国負担7割の合併特例債、また国に代わってしている借金、減税補填債、臨時財政対策債(各10割)などもある。)。
 しかし、この制度には盲点がある。借金の国負担分は「地方交付税措置をする」と表現される。簡単に言えば、地方交付税の計算のときにその分だけ下駄を履かせるということだ。直接払ってくれるわけではない。だから、国の政策誘導に乗って2階に上がったのに、ハシゴがなくなることも起こりうる。地方交付税の不交付団体になったら、全額を自治体が負担することになる。
 西東京市では2007年度、2008年度に合計で約7億円が戻ってこなかった。国が負担を約束した借金の返済額より地方交付税と臨時財政対策債(赤字穴埋め借金)の合計が少なかったのだ。建設関係の借金はまだハコモノが残るからいいとしても、「赤字穴埋め借金(臨時財政対策債など)」は将来の税金の先食いだから、全額戻ってこなければ親の借金を子どもが払う状態になる。
 市民にとって必要な政策の優先順位を国の口車に乗せられてねじ曲げたり、将来の市民の負担につながる安易な借金をすることなどを許さないように、議員がやらないのなら市民が厳しく監視をする必要がある。

「個人的対策は、できるだけ歩くこと」?!
 3月議会の一般質問、「東京一大気汚染がひどい旧保谷地域に大型道路(調布保谷線)を作って、市民の健康をどうするのか」という私の質問に対しする坂口市長の答弁です。 この道路を日常的に使うのはほとんどが通過車両で、地域住民ではありません。地域住民が車を使わなくても通過車両は通ります。通過車両の乗員も歩けというのなら、この道路は不要です。
 続けて「市民の努力が必要。自治体や東京都や国にだけおねだりしていては解決しない」と市民にお説教までする始末です。
 旧保谷北東部地域は地理的(関越道、外環道の風下)にも、気象的(風の収束帯)にも、また地勢的(低地)にも汚染物質が溜まりやすい地域です。大気汚染対策がないまま大型道路を作るのは、市民の健康をないがしろにするものだと指摘しました。
 市長は総合的な対策が必要だと言っています。その間にも健康被害は発生し続けます。だから、道路を作るのなら、対策が終わってからにするように要求しているのです。  行政の怠慢を批判するのは市民の当然の権利です。市民の切実な健康確保の願望を「おねだり」と表現するのは許せません。
今ある道路の交通量は減少しており、若者の車離れも進んでいます。今の道路を改修すれば十分です。それなのに、東京都は地域住民に健康被害を押し付けても道路作りをするつもりでいます。
 坂口市長は西東京市民の代表として、市民の健康を守る責任があります。元都議会議員だったせいか、東京都の立場で発言しているように聞こえてなりません。

生活協同組合(生協)と政治
 私はいくつかの生協の組合員です。それぞれを必要に応じて利用しています。また、各生協が取り組んでいる活動に共感したり、協力したりもします。しかし、それが政党の利益のための活動だとなると、協力できません。生協を母体にして政党が形作られると、組合員の善意の活動が政党の利益に変わってしまうのです。
 法律的には生協は政治活動が禁止されています。特定の政党を支持することも生協として不適当です。
 もちろん、消費者市民の立場で政治的課題に取り組むことには何の問題もありません。しかし生協が政党として政治に関われば、組合員が生協を利用すること自体がその政党を支援することになってしまいます。
 政党が生協と完全に分離されているのならまだしも、ある生協では「代理人リポート」という政党の活動報告が掲載されている冊子が、生協の配送ルートに乗せて届けられます。これって生協が政党活動をしていることになると思うのですが、明快な説明はありません。「政党活動」と市民運動を区分しないで、勘違いさせておいたほうが得策だと考えているのかと思ってしまいます。

ト ピ ッ ク ス
☆ 議員が市長選挙に立候補したが、事前に辞職しなかったので補欠選挙はなし。
  この元議員の見識やいかに。
☆ 「政策協定」とは「事前談合」の別名。これで「与党」になった以上、市長批判はできないで
  しょうね。
☆ 世紀の愚作「定額給付金」。政府の思惑とは別に、出る以上は受け取るという市民の声。
  それも賢明ですね。
☆ 野良猫(地域猫)の不妊、去勢に補助金。温暖化で年間妊娠回数が3回にも4回にもなっている
  という。不用意に増やさないのが肝心でしょう。
☆ 「ゴミ料金の値下げ」は実行するにしても二つの審議会を経たあとのこと。
  今年中にできるかどうか。
☆ 新年度から教育長が不在。任期が切れるのは分かっていたはずなのに、どうして?

<議員報酬の使い道>
  2008年は4月から議員報酬が引き上げになりました。森てるおは市民合意を得ていない引き上げには納得ができないので、引き上げ分の受取りを断ったところ、5月分から報酬の全額を供託されてしまい、「手取り0円」の状態になってしまいました。
 森てるおが支払いを求めている年間報酬は841万8600円。実際に手にできたのは1〜4月分の203万5千円です。そのうち税等の天引き分が55万1210円、国民健康保険料が16万5600円、4月分のうち市に返還するための供託分が4万2050円です。私の手元には127万6140円が残りました。右に書いた議員活動のための経費に対して174万2227円が赤字です。事務委託料のうち支払いを待っていただいている分が70万円ありますので、その分を加えると赤字額は244万2227円です。赤字分は篤志家の市民から借金をしています。
 生活費は一切ありません。議員をこんな状態に追い込んで、自分は「給料を20%削減しました」というのですから笑ってしまいます。

調布保谷線道路工事差止請求裁判−1審の審理が終わりました−
  足掛け5年にわたって争ってきた裁判が結審し、6月に判決を迎えることになりました。裁判の過程で私たちの主張、立証に対して、東京都は満足な立証ができませんでした。余りにも稚拙な論理に「こんな人たちに税金を払っているのか!」と怒りさえこみ上げてきました。
 しかし、どんなに稚拙な論理であっても、裁判所は行政の肩を持つのがこれまでの実態でした。稚拙な論理で通用したから、行政は鍛えられず、成長しないで済んできたのでしょう。私たち原告は裁判所が証拠に基づいた公正な判決を下せば勝訴しかありえないと考えています。

裁判所に公正な判決を求める署名はがきにご協力ください
   裁判官が、市民の皆さんがこの裁判に注目していることを理解すれば、行政の権限の範囲だとか、事業が進展しているとの理屈での安易な判決は出しづらくなります。市民を裁判に動員する裁判員制度さえ始めようという時代です。裁判所自身が証拠に忠実な判決を出さないようでは、裁判員に示しがつきません。そうは言っても、裁判所が正しい方向に舵を切るに当たっても市民の後押しが必要になります。署名はがきにご協力ください。ご連絡をお待ちします。

森てるおと市民の広場にどうぞおいでください
 拡声器41号をお届けします。お読みいただきありがとうございました。ご感想はいかがでしょうか。「市民のひろば」は市民の皆さまのご意見を伺ったり、皆さま同士で意見交換ができる機会になればと考えて開催しているものです。どうぞお気軽にお越しください。
―「拡声器」は協力者の市民と森てるお自身が各戸のポストに、手配りでお届けしています。年間4回市内各所に行きますので、町の様子、変遷がよくわかります。自分で見聞きする貴重な情報が手に入ります。「市民のひろば」までに届かないことも多々ありますが、ご容赦ください。「なんでもリポート」のご購読者には郵送します。「市民のひろば」は2月・5月・8月・11月の、おおむね最後の週に行なっています。―
1 5月30日(土)午前10時〜12時 市民会館  3階 第1会議室
2 5月30日(土)午後 7時〜 9時 コール田無 4階 会議室 B
3 5月31日(日)午前10時〜12時 保谷こもれびホール 会議室
今回は最終週ではありません。日時、会場をお間違えないようにおいでください。

日時、会場をお間違えないようにおいでください。



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