森てるおの拡声器 <第42号> 2010年4月発行 (html版) ・事務所(自宅) 西東京市北町3-4-5 TEL&FAX.042-424-3410 ・連絡事務所 西東京市中町2-8-13-102 TEL.042-439-7023 FAX.042-439-7024 ここで分断!富士街道<写真> 特報…どうなってるの?議員報酬 ☆ 報酬微減、そのココロは? 「報酬審議会」の答申を受け、12月議会では、議員の報酬、市長等の給与がわずかに減額改定された。2007年に市民の大きな批判を浴びた大幅な 増額改定の結果を追認し、同時に市民の怒りを沈静化させるために何らかの基準を作り、結果として微減の改定をするという考えは、増収の恩恵を 受けている議員らの本音としては実にわかりやすい。「報酬審」での再審査を求める一部議員らの意見に、私は当初から「結論は微減にしかならない」 と言ってきた。事実そのように調整された。 ☆ 議員報酬と市民負担 立正大学の渡部記安教授によると「『住民一人当たりの議員報酬』はニューヨーク市が56円。だが、日本では横浜市が422円、大阪市が581円、名古屋市も584円」と、 欧米に比べるとはるかに高いという。(2月21日東京新聞) ちなみに西東京市は1547円(!!)西東京市議会はニューヨーク市議会の28倍、その他の市議会の2.6倍以上 の仕事をしている(!? ) 今後、議員の仕事は何なのか、議員が不足なく仕事をしているのかなどが問われなければならない。 ☆ 報酬は市民が決める! 以前から私は「重要なことは市民が決めるべき」と言ってきた。住民投票ができればいいが、制度がない以上、当然、選挙が次善の手段になる。昨年の市長選挙で「20%削減」を訴えた市長が当選したのは、住民投票と違ってもどかしいが、いちおう「市民が決めた」ことになる。 議員報酬について、今回「報酬審」が示した基準を採用するには、選挙で市民の承認を得る必要がある。もちろん大前提は、まず問題の出発点(2007年12月)に立ち返って、報酬を引き上げ以前の額に戻し、もらっている議員には差額を返納させることだ。 基準をあとから作って「もうもらってます」では話にならない。「新議員から新基準での報酬にしてもいいか」を選挙で問い、市民の承認を得るのは、民主主義の基本だ。市民に無断で引き上げて、ポケットに入れてしまうなど許されない。 雇い主の市民にお願いしまくって議員にしてもらったのに、当選したとたんに市民より偉くなって、次の選挙まで「ものごとは議員の自分らが決めるんだ」とふんぞり返ったりしていないでしょうか。そんな議員ばっかりなら意味がありません。定数は仕事の中味と一緒に市民が決めるべきです。 ☆ 森てるおは無報酬を継続中 2008年5月から無報酬が丸2年になりました。手取り1300万円ほどが入って来ません。私の手術とその後の医療費が、健康保険をフルに使っても100万円以上持ち出しになり、私の家計は市の財政並みにたいへんです。西東京市は法律上、引き上げ前の報酬額を私に支払って、引き上げ分だけを供託することができます。しかし、市長らはなんとしても、私が全額を受け取ったことにしたいのです。「受け取ったあとでどう使おうが森てるおの勝手。市は支払った!」と。しかも、私が筋を通して供託金に手をつけない、従って生活費さえ手にできないのを承知しているから悪質です。降伏か餓死かを迫る「人身攻撃」、「兵糧攻め」ですね。筋を通すのもたいへんです。 今年の予算 今年度の予算は貯金の取崩し45.8億円、借金90.7億円、地方交付税36.7億円、国、都の交付金等194億円などを積み重ねた676億9600万円。西東京市始まって以来の大型予算です。しかし、市税収入はガタ減りの287億円余。収入全体の42,5%に過ぎず、予算の半分にも届きません。 「身の丈に合った」「将来に負担を残さない」という二つの観点から見たら、支出過多の無謀、無責任な予算です。 ☆ 西東京 坂口あたりで つんのめり おっと!危ない、危ない。転がり落ちないように・・・ ☆ 無い袖を 振って食する タコの足 将来の収入の先食いはどんな味がするのやら・・・ 中学校給食の実施 親子方式による中学校完全給食が2013年度までに全校実施されることになりました。 私を除く全議員と市長が中学校給食の実施を公約にしていましたから、皆さんこれでよかったのでしょう。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」です。 しかし、これから毎年3億6千万円の経費がかかります。国や都の補助はありません。本当に税金を使うべきところだったのでしょうか。教育の質的な向上に繋がるのでしょうか。教育予算はどの部署も足りていません。 この時代、私は必要な人に必要な手助けをするという観点から見て、お弁当を作れる家庭まで含めて給食を提供するというのは、過剰サービスなのではないかと指摘しています。社会保障費も増大します。子どもにとっても、大人にとっても、必要なセーフティネットはまだまだ整っていません。 市民の皆さんはどうお考えでしょうか。中学校給食の問題を通して、行政の役割を考えてみませんか。 傍聴は市民の権利か、議会のお情けか? 前号で「えっ、傍聴に診断書がいるの?」と、驚きの記事を載せました。一年前のことでした。ばかげた話なので、それでお終いと思っていました。ところが、私が手術入院で欠席した6月議会、服装をきっかけにして傍聴人に退場命令が出される事態に「発展」し、9月議会では、病気を理由に被り物の着用を求めた傍聴人に、いったん服装規定の例外(議長が認めた場合)を適用しておきながら、スカーフはいいが帽子はダメと、一転して新たな制限を加えるという事例が発生しました。 傍聴規則は議事の進行を妨げる事態を防止するためのものです。服装は本来規制すべきではありません。1年前までは歴代議長、委員長の裁量で、体調不良の場合自己申告だけで何の支障もなく認められてきました。なぜ、今・・・? 他にも気になる動きがあります。議員が威張り始める前兆かもしれませんよ。 市民の皆さん、ご用心、ご用心! ゴミ袋の料金値下げ! ゴミ袋代が、今年の10月から値下げになります。市長がプラスチック用を半額にする提案をしてきたのに対して、議会が「プラ用は4分の1、不燃・可燃用は4分の3」に修正しました。10リットル袋10枚でプラ用は50円、不燃・可燃用が150円になります。 上から目線 「自助、共助、公助」というのは坂口市長の口癖ですが、「行政の流行り言葉」でもあります。だけど「公助」という言葉に、えらそうな上から目線を感じるのは私だけではないと思います。そもそも「公助」という言葉は広辞苑には載っていません。新しい行政言葉なのでしょう。 それはともかく「自助、共助でできないのだったら、行政が助けてあげる」といっているように感じてしまいます。お隣の記事、議会での傍聴規制の一件も似た様なものです。 公職にあるもの、つまり公僕ですが、市民のお金を自分のお金と、また、本来市民に属する権限を自分の権限と、勘違いしている向きがあります。 行政のお金は市民が納めた税金、公僕の権限は市民の付託によるものです。思い違いをさせてしまってはいけません。 地方の時代は市民の時代。ゆめゆめ「地域主権」を議員主権や行政主権にしてしまわないようにしましょう。 「不断の努力によつて、これを保持しなければならない。」と憲法を引用するまでも無く、市民が努力を怠れば権利は奪い去られてしまうものです。 「新人」はいつまで? 予算委員会理事会でのこと。生活者ネットの理事が、建設環境委員会でごみ袋代金を市長提案よりさらに値下げする修正案が可決されたことに異を唱えた。「あなたも建設環境委員だ。なぜそこで言わなかったのか。」と問い返されて「気がつかなかった。ごめんなさい。まだ一年生なもので。」と答えていた。 議員には任期の初めから高額の報酬が支払われる。新人も古参も同額だ。市民の立場からすれば新人だなどと甘えてもらっては困る。慣れないのだからと、古参の議員などが多少大目に見ることはある。しかし、3年も経って自分から「一年生だ」というのはどうだろうか。3年間で報酬を2800万円ももらっているのだ。お手当てもある。 皆さん、「新人」とはいつまででしょうか? 地方自治法第222条のこと 3月議会でのことです。建設環境委員会で市長提案のゴミ袋代の引き下げ案に対して、引き下げ幅が小さいとして修正案が出され、可決されました。ゴミ袋代を収入に当て込んでいた市長側は、当然収入が減るから大慌てです。 翌日の予算委員会で与党が「222条の趣旨に反する」と主張してきました。222条は要約すると「市長や市長機関は、予算が必要な条例を提案する場合、予算を確保してから出しなさいよ。」という規程です。議会が提案する場合も準拠すべしとする解説書もあります。議会の議案提案権が市長の予算編成権を侵害するのを防ぐためです。 だけど議案に修正を加えて議決することは議会固有の権限です。何の問題もありません。むしろ問題は、この議会の権限に議員自身が制限を加えようとしたことでしょう。与党として市長にすり寄っていると目が曇ってしまうものです。 二元代表制とはいっても議会に対して市長の権限は圧倒的に大きい。議員の何人かが市長の側に寝返ってしまったら、議会の権能は半減してしまいます。それよりも何よりも、行政をチェックする議員の基本的な役割を果たせないでしょう。 「与党」は議員の堕落だと私は思っています。 森てるおの病気と現況 拡声器41号の発行からすでに1年になります。この間、3回にわたって休刊とさせていただきました。議会や行政の動き、様子をつぶさに報告するという議員としての役割を十分に果たすことができず、たいへん申し訳なく思っています。いったいどうなっていたのかという疑問にお答えするために、この間の経過と近況についてご報告をさせていただきます。 発端は昨2009年3月頃。お尻の奥に違和感を覚えるようになっていました。3月議会が終わり、「拡声器41号」の編集などが一段落した4月末に医師の診察を受け、連休明けの5月中旬に内視鏡検査を受けた結果、直腸にがん腫瘍が見つかりました。すぐに入院し、6月初頭に切除手術を受け、成功裏に終わりましたが、その後、腸閉塞や手術部位の縫合不全という不具合で、一時的な人工肛門の設置手術なども受け、2ヵ月半という想定外の長期入院を余儀なくされてしまいました。 退院後、体力の回復は思わしくなかったものの、9月議会、決算委員会には出席しました。決算委員会終了翌日の10月初頭に人工肛門閉鎖手術のため再入院しました。手術後2週間で退院したものの、10月末には腸閉塞で緊急入院、このときは1ヶ月の長期入院になりました。退院後すぐに始まった12月議会にも出席しました。今号ではそのご報告も記載しました。 年末年始は不調でしたが、1月中旬、幾分体調のいい日があり、これからリハビリの日々が始まるとホームページ(雑記帳)に書き込んだ途端、2日後に、またしても腸閉塞で4度目の入院になってしまいました。続く3月議会も体調が万全とは言い難い中で開会を迎えました。市民が主人公の政治のため「つぶさに見て報告する」ことが必要、最後まで見届けました。不足の点はご容赦のほどよろしくお願いします。 直腸をほとんど全部切除したため、便を溜める機能がなくなり、先日までは、ひっきりなしにトイレに入り浸っていました。そのため夜眠れず、ぐたっとしている日も結構ありました。今では夜眠れるようになって来て、ずいぶん楽になりました。徐々に回復の階段を上っているものと思っています。それでも、難なくできていたことができなくて、ついつい気がせいてしまいます。知人からは「日にち薬だよ」とのんびり構えるようにアドバイスされています。 切除した直腸の機能を、残ったわずかの直腸と回り全体で肩代わりするため、身体全体がバランスを再構築している最中なのでしょう。時間がかかるのが当然だと思います。あせらずに、あせらずにと言い聞かせている毎日です。 思いがけず入院、手術、長期療養と、これまでなかったことを当事者として体験することになりました。「転んでもただでは起きない」が私の信条。今後に生かしていきたいと思っています。 森てるおと市民の広場にどうぞおいでください 拡声器42号をお届けします。お読みいただきありがとうございました。ご感想はいかがでしょうか。「市民のひろば」は市民の皆さまのご意見を伺ったり、皆さま同士で意見交換ができる機会になればと考えて開催しています。どうぞお気軽にお越しください。 ―「拡声器」は協力者の市民と森てるお自身が各戸のポストに、手配りでお届けしています。年間4回市内各所に行きますので、町の様子、変遷がよくわかります。業者頼みでは得られない貴重な情報が手に入ります。「市民のひろば」までに届かないことも多々ありますが、ご容赦ください。ご購読くだされば、出来上がり次第郵送します。「市民のひろば」は2月・5月・8月・11月の、おおむね最後の週に行なっています。― 1 5月22日(土)午前10時〜12時 西東京市民会館 第2会議室 2 5月22日(土)午後 7時〜 9時 コール田無 4階 会議室 B 3 5月23日(日)午前10時〜12時 保谷こもれびホール 会議室 今回は最終週ではありません。日時、会場をお間違えないようにおいでください。 政府が唱える「地域主権」が地方自治体では「議会の権限強化」に読みかえられていく傾向が強まっています。「地域主権」を議員主権ではなく市民主権にするためにどうすればいいのか、今後数年間の大きな課題だと思います。皆さんのご意見と議論に期待しています。 |