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 森てるおの拡声器 <第51号> 2012年7月発行  (html版)


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さよなら原発10万人集会で<写真>

住民投票の制度を作ろう
 以前から何度か同様の呼びかけを行わせていただいています。町を二分するような、また、町の将来を決定づけるような課題については住民投票で決めるべきだ、というのが私の考えです。
 今この時点である決定をするとして、そのことに将来にわたって責任を背負い続けることができるのは、当の住民以外にありません。たとえ、年間10%の住民が入れ替わる西東京市といえども、そこに暮らす住民こそが重要な決定に参画するべきです。市長も議員も任期は4年です。長期にわたり責任を担い続けることはできません。

住民投票は当たり前の制度
 西東京市には前史として、合併の際に旧両市で市民が直接請求で提案した「合併の是非を問う住民投票条例案」を議会が「議会の権能を犯す」として拒否、否決した恥ずかしい歴史があります。重要なことは市民が直接意思表示して決める、という住民自治の原則が理解されていなかった結果です。
 ちなみに、西東京市の合併よりあとの「平成の大合併」では、当たり前のことですが、多くの地域で合併する、しないを住民投票で決めています。
 西東京市は市民のものです。市長のものでも議員の所有物でもありません。市民の意思表示の機会が選挙だけということではいけないのです。選挙は人を選ぶもの、それと合わせて、事柄を選ぶ住民投票があってこそ、住民自治が成り立ちます。

住民投票は市政への信頼を高める
 市長や議会の決定は尊重されるべきです。しかし、大勢の市民が「それは違うだろう」と考えた時に、住民の過半数の意志で物事を決定するという制度が必要不可欠です。市長や議員の職を奪うリコールには有権者の3分の1の署名が必要ですから、事柄の是非を決める住民投票のほうでは、有権者の10分の1くらいの署名が適当でしょう。それでもハードルとしては高いですね。
 住民投票の意義は、市民が市長の施策や議会の議決を覆す権限を持つこと、つまり、市政に市民が主体的に責任を持つというところにあります。市民が主権者として市政に関わるということです。
 住民投票が背景にあれば、市長の施策や議会の議決は、今以上に市民の意向を反映させざるを得ず、住民投票にならなかった事柄は、市民が承認したものと市長や議会は胸を張って言えるようになります。選挙で選ばれた市長や議員に対する市民の評価は高まります。「住民投票は議会の権能を犯す」などと遅れた、権威主義的なことを言っていては、議会に対する評価が低下しても当然です。
 「いざとなったら自分たちが決める」そんな背景があれば、市民も安心して市長や議会に市政を委ねておけるのではないでしょうか。住民投票の制度はそんな効果を持っています。

熟議と民主主義
 「熟議民主主義」という言葉が流行っています。しかしこんな言葉を聞くと「民主主義」というものにいくつもの種類があるように見えてしまいます。しかし民主主義にはせいぜい直接民主主義と間接民主主義があるにすぎません。日本人の「民主主義」の理解が間違っているのです。「民主主義とは?」と聞かれて「多数決!」と答える人のなんと多いことでしょう。
 民主主義とは熟議を経て総意の形成を目指すプロセスのことです。多数決は総意が形成されなかったときに少数者に引き下がってもらうための手段で、これはこれで物事を前に進めるための手段です。
 しかし、「民主主義は多数決だ」と言った途端に議論は不要、不毛になります。熟議のプロセスが要らなくなるのです。
 今の議会を見てください。党派・会派の数合わせで全体の賛否が決まっています。党派・会派の中では議論があるのでしょう。しかし、議会の場での議論は必要がなくなっています。
 熟議は、より良い結論を出すために行います。熟議を通じて個々の議員の意識は変わる可能性があります。しかし、党派・会派の結論は談合でしか変わりません。
 この点が改善されない限り、議会制民主主義は「死んだ民主主義」です。「地方政治に政党はいらない!」とわたしが唱えているのはそんなで理由からです。

どこの国の議会?
 田中のりあき議会運営委員長から来年のスポーツ祭東京(国民体育大会東京大会)が盛り上がりに欠けているから、議会としても盛り上げに一役買おうという提案があった。
 具体的には、9月議会の開会日に議員全員がスポーツ祭東京の公式Tシャツを着て、議場に臨もうというものだった。私はその光景を思い浮かべて背筋がゾワーっとしてしまった。
 他の議員には異論がなかったようだが、私は反対した。
 スポーツ祭東京への思いも、盛り上げ手法も人さまざまだ。どこかの国のマスゲームじゃあるまいし、「一糸乱れぬ」が必ずしもいいことだとは思わない。
 結局、自発的に協力を求める、強制するものではないとの説明があり、「あえて反対はしない、どうぞご自由に」ということにしました。

議場への日の丸の掲揚問題
 既報の通り、議場に日の丸を掲揚することが多数決で決議されています。「第1回定例会(3月)から」という決議だったので、私は賞味期限切れだと考えているのですが、小林たつや議長は何としても実施したいようです。
 だいたい、こんなことを多数決で決めたりしたら、議会の人数構成によっては揚げたり揚げなかったりするようになるわけで、そのこと自体がナンセンスです。
 議長は9月議会で掲揚したい、ついては補正予算を市長に求めたいと打診をしてきました。しかし、議員は市長が提出する補正予算については「当初予算になぜ載せなかった?緊急性はあるのか?」など、厳しく問いただしていく立場なのです。
 「議場に日の丸」など緊急性の欠けらもありません。市長に補正予算を請求すること自体が本分を忘れた行為というべきものではないでしょうか。

市民と行政
 市民が大声で苦情を言っているときに、職員が「吠えるな!」と言ったらどうでしょうか?その職員は叱責されて当然だと私は考えます。その職員が叱責するべき立場の幹部だったらなおのことです。一般の職員に示しがつきません。
 幹部職員が市民に「吠えるな!」と言った事実があったことを、6月議会で指摘しました。しかし、この事態に市長がどう対応したのか、全く見えてきません。きっと、市長にとっては「たいしたこと」ではないのでしょうね。

原発の再稼働と住民投票
 32万3076人もの有効な署名数を持って提案された「原発都民投票条例案」が東京都議会で否決された。
 原発住民投票の第一号は新潟県巻町。熟議を経て行われた住民投票で、住民は明確に原発を拒否した。新潟県には柏崎刈羽原発があるが、新潟市と合併した巻町には今も原発はない。
 住民投票には原発を終わらせる力がある。だから、政党は住民投票を恐れる。政府はいま、再稼働の途をひた走っている。市民は今、「為政者には任せておけない」と思っていることだろう。

震災ガレキと柳泉園議会
 前号で取り上げた震災ガレキの広域処理について、「すでに必要がなくなった」という話になってきました。「これまでの分も本当に必要だったのか」というのが疑問として残ります。
 北九州市に搬入されるガレキは、すでにゼネコンの鹿島に委託された分のダブルカウントではないかとの疑いが出てきました。東京都が引き受けた分はどうでしょうか。
 柳泉園議会でこれらの点が十分に審議された形跡がありません。放射能の問題も検討不足です。燃やす時に混ぜるのは2割ということになっていますが、放射能はなくなりませんから、薄めればいいということにはなりません。放射能の総量としては、同じ量が排出されます。低線量被曝という指摘について、どんな科学的な議論をしたのでしょうか。
 また、細野原発大臣はテレビで、ガレキには様々な有害物質が付着しているから埋められないと言っていました。そんなものを燃やしても大丈夫なのでしょうか。世田谷では試験焼却でアスベストと水銀が検出されています。
 議員は、自分たちが市民の健康を守る最後の関門だ、という意識が欠如しているのではないかと思わざるを得ません。
 絆という情緒的な判断で市民を放射能の危険にさらすことにも、税金をむだに費やすことにも、厳しいチェックをしてもらわなければなりません。それが議員の職責というものです。

報酬、給料の考え方
 2011年にいただいた議員報酬のうち、議員としての活動に使った分のご報告をします。私は情報公開の徹底を議員活動の柱にしてきました。行政や議会が何をしているのかをつまびらかにすることで、市民が行政や議会を監視・評価する手段を提供することができるものと考えてきました。その中心をなすのが議会報告「森てるおの拡声器」の発行・配布です。一番大きな金額を費やしている委託費の半分と印刷費がその部分に当たります。
 さて、この際ですから議員や市長など公職にある者の報酬や給料はどのくらいが適当なのか、私なりの考えを述べてみます。
 議員は非常勤ですから、「報酬」です。しかし、今の西東京市でまともな議員活動をしようと思ったら片手間では困難です。従がって、生活保障をしなければなりません。ではその水準はどのくらいが妥当なのでしょうか。市民の平均給与程度というのが私の結論です。今よりもうんと低くなります。
 もちろん生活保障をしても仕事をしてもらわなければ意味がありません。議員の仕事は多岐にわたり、見識を養うこともその一つです。そこで、減額になる分を様々な活動の必要経費として支給し、使った明細を領収書付きで報告してもらうことにします。使わなかった分は返還するのが当然です。用途は法律に触れなければ制限をしません。そのほうがその議員が考えている議員像がよくわかり、次の選挙の時の判断材料になるからです。
 さて市長の給料ですが、市長は常勤であり、全額が生活給です。議員は見識を深めるのも仕事のうちですが、市長は常勤ですからそんな時間はありません。十分な見識を持って就任してもらわなければ困ります。活動費は不要です。給料としては、今の半分、現在の議員報酬と同等程度でいいのではないかと思います。
 また、市長には4 年間で1400 万円を超える退職金が支払われます。私に言わせれば、退職金は不要です。支払う必要はありません。
 高い報酬、給与を目当てに公職に就いてもらうより、仕事に意欲を持った人材に就いてもらうための給与、報酬の体系にしたいものです。

議員報酬の使い道
事務所費   492,671
委託費   1,903,770
印刷費   1,332,290
会費・交通費  55,600
消耗品費    13,804
備品費     11,760
通信費     22,830
合計    3,834,925

いただいている議員報酬の中から、2011年度は上記に金額を活動費に使わせていただきました。
このほかに、活動費の一部として政務調査費(月額2万円)が支給されています。こちらは主に新聞等、資料購入費として、満額を使わせていただきました。



森てるおと市民のひろばにどうぞお越しください
1 8月25日(土)午前10時〜12時 西東京市民会館 第1会議室
2 8月25日(土)午後 7時〜 9時 コール田無 会議室B
3 8月26日(日)午前10時〜12時 保谷こもれびホール 会議室

 「森てるおと市民のひろば」は市民の皆さんのそれぞれが重要な課題だと考える事柄について、市民の皆さん同士で話し合っていただくために、森てるおが用意しました。大いにご議論ください。議論には森てるおも参加者の一人として加わります。
 「拡声器」をお届けするのが遅くなり、市民の皆さんからお叱りを頂戴することが多々あります。以前は森てるおが3分の1くらいは配布していました。今はそこまでできませんので、お届けが遅れたり配布しきれなかったりという事態が発生しています。ぜひとも、配布にご協力ください。いろいろなご案内もお届けさせていただきます。また、定期購読もよろしくお願いします。



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