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 森てるおの拡声器 <第52号> 2012年10月発行  (html版)


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市民まつり会場で<写真>

坂口市長の限界を乗り超えよう!
 坂口市長が初当選した当初から「市長として何がしたいのですか?」と問いかけ続けてきました。しかし、いつも抽象的で曖昧な答えしか返ってきません。
 今回の質問では、市民が直接物事を決める「住民投票」の制度づくりと、市長退職金の廃止、及びこどもの権利条例が頓挫したことなどについて市長の考えを聞いてみましたが、残念ながら徒労に終わりました。

議会内多数派の傀儡、坂口市長
 坂口市長はいずれの質問にも、議会の議決をもらわなければ・・・と答えています。行政執行に議会の議決が必要だというのはその通りですが、坂口市長には議会を説得するために努力した形跡が見えません。「議会内多数派の言いなり」ということです。
 議会の住民参加は驚くほど遅れていますが、行政の市民参加はそれよりは進んでいます。市民の意向をもって議会を説得しようとは考えないような市長なら、存在価値がありません。議会が議決した合併特例事業を「着実に実行する」だけなら職員がいればいい、市長は不要でした。
 3・11(東日本大震災)後の放射能問題やエネルギー問題といった事態に坂口市長は迅速に対応できませんでした。いつも私の提案をいったん拒否し、その後実施するという姿勢で、一歩も二歩も出遅れになりました。市長の決断でできることすらやろうとしなかった坂口市長には、3.11 後の状況変化への対応が求められる時代に、西東京市のかじ取りは無理でしょう。

市民が主権者、住民投票の制度が必要
 新しい市政は市民が主権者として責任を担えるものにすることが必要です。もはや、選挙が終われば4年間は白紙委任という「お任せ民主主義」の時代ではありません。市長と議会は市民が主権者になる条件を整える役割を、それぞれが果たさなければなりません。
 地方行政の本質は「自治」です。その根幹は直接民主制です。市の将来を左右する施策の最終判断は市民全員で決めるのです。それには、市民の最終意思を確認する住民投票の制度が欠かせません。行政運営のあり方を定める自治基本条例とともに住民投票の制度を作っていきましょう。

市長退職金を廃止しよう!
 市長の退職金は1期4年で1400万円余りになります。2期8年だと2800万円。一部上場企業の大卒サラリーマンの平均的な退職金2400万円に比べてかなりの高額です。収入不足で市民に負担を求めることが多い昨今、市長退職金は時代にそぐわないと思います。全廃でいいのではないでしょうか。任期を終える坂口市長は、議会が議決した条例の定め通りの金額を、当初の約束通りどうぞもらってください。ただ、次期の市長にはぜひとも市長退職金の廃止を公約してもらいたいものです。

アスタ市営駐車場の指定管理
 (株)アスタ西東京(以下、アスタと略)の5年間にわたる指定管理業務が本年3月に終了した。監査委員から経理に一部問題があるとの指摘がなされた。
 市営駐車場は開設当初からアスタに業務委託しており、指定管理者制度の導入時には随意契約で、その後は公募で、一貫してアスタに指定管理業務を委ねてきた。今回、その全期間にわたって、アスタが管理運営を下請けに再委託していたことが分かった。
 指定管理者の募集要項には「商業施設に併設した駐車場の管理運営に実績のある企業」とある。また、契約書には「本来業務を再委託してはならない」と書かれている。アスタに応募資格があったのかは疑わしい。
 アスタは旧田無市長が社長を兼務していた。しかし、市長選落選後もそのまま居座った。当時の市の出資比率は88%、市長交代で社長交代とならなかったのはおかしいことだ。アスタが市に影響力を残したかったのだろう。
 市長時代に部下だった退職部長の天下りを受け入れ、落選した与党幹部を受け入れたのも、影響力を残そうとする意図の表れと見ることができる。
 今、市営駐車場をアスタに売却する交渉が進められている。市とアスタとの不透明な関係を残したままでは、売却交渉が捻じ曲げられかねない。財産価格審議会が示す市の売却価格での取引に同意しないのならば、市はアスタ以外の新たなに指定管理者を選定し、市営駐車場として存続させることを選択肢とするべきだろう。

プレミアム商品券
 リーマンショック後の景気対策として、国が地方にばらまいた交付金を原資に、最初のプレミアム商品券が発行された。以降4回発行されたうち、国の交付金は2回だけ。
 商店街振興を目的に謳っているものの実態はバラまき。当初予算で打ち切られたものが、自民党の言いなりに、補正予算で復活したもの。新規需要の掘り起こしはなく、抜本的な商店街振興にはなりえない。市民の税金を使った単なる10%オフセールだ。市民の税金を使う以上、商店街の体力強化につながる施策でなければならない。
 継続的に顧客が買い物を続けてくれるのには何が必要か、商店街自身がもっと知恵を絞るべきだと申し上げたい。

市長選挙の日程決まる
 坂口市長の2 期目の任期が満了することに伴う市長選挙が、来年(2013 年)2 月3 日投開票で実施されることになりました。
 合併関連事業が終了し、借金を抱えた不安定な時代に、市民の力で、納得して暮らせる西東京市を創っていくことが問われています。主権者は市民、投票で主権を行使しましょう。

PPS(特定規模電気事業者)について
 私が議会で、PPSから電力調達せよ、と提案した時には「検討するつもりもありません」と答えていたのに、来年度から市立学校で試行的に導入することにしたそうです。議会内多数派の要求に応じたもので、数に驕った大勢力におもねったのでしょう。「誰が提案してもいいものは良い」という姿勢が坂口市政には見られません。
 対応が出遅れたせいで、東電による電気料金値上げ前に契約することができず、無駄な費用を支払うことになってしまいました。
 東京電力の電気料金値上げを背景にして、PPS は供給能力を拡大させています。主に天然ガス火力発電によるものですが、再生可能エネルギーへの橋渡しの電力として、PPS のシェア拡大に協力することで、原発ゼロに向けた貢献ができるものと考えます。

補助金は時代に即し見直そう
 中小規模事業所に勤務する従業員を対象にした福利厚生事業の一端を担うものとして勤労者福祉サービスセンター(発足時は勤労者互助会)が創設された。以来30 年、今では従業員のいない事業所が過半を占め、「事業主福祉サービスセンター」の様相を呈している。この10 数年は分不相応な事務局の拡大を続け、市の補助金頼みの団体になってしまった。30 年も補助金が当たり前の状況は補助金本来の機能を失わせてしまう。
 補助金はあくまでも「補助」だ。今ある全ての補助金をいったん廃止して、改めて申請を受け付けて審査することで、時代に合致した補助にしていく必要がある。

暴力団排除条例は不要!
 暴力団の壊滅は警察の主要な任務です。しかし、今に至るも成功していません。そこで、政府は暴力団がなくならないのは暴力団に協力している市民が悪いと考えたのでしょう。これまでの「暴力団対警察」の構図を「暴力団対社会」に変えることにしました。社会とは突き詰めれば市民のことです。
 政府の方針通りに条例を制定した東京都にならって、市は暴力団排除条例を提案しました。市の条例は都の条例とほとんど同じです。都の条例は西東京市も包み込んでいます。同じ内容の条例なら作る必要がありません。
 市の説明では、都条例には市の施設貸し出しを中止する規定がないということでした。西東京市にはすでに、入札をはじめとする市の業務全体にわたって、暴力団の関与を認めない規定があります。もし抜け落ちがあれば加えればいいだけのことです。
 この条例の一番の問題点は、「暴力団対社会」の構図を作って市民の責務を定めたことです。これによって市民が暴力団と直接向き合うことになりました。
 北九州市では「暴力団員立ち入り禁止」の標章を張り付けている店の経営者などが相次いで襲撃される事件が起こり、いまだに犯人が逮捕されていません。市民を矢面に立てた挙句に、市民に危害を加えられ、警察には為す術もないのが現実です。
 警察官が暴力団に捜査情報を流す不祥事や、その他の不祥事も頻発しています。綱紀をただし、市民の信頼を勝ち取り、暴力団壊滅に努力することが警察の使命です。警察を頼れないと思うから、みかじめ料などを払わざるを得ない市民が出てくるのです。危ない条例を作るより、警察の奮起をこそ望みます。

市長は職員を指導しろ!
 去る4月、震災ガレキ引き受け問題での説明会の席上、市民の一人が説明に激怒して職員に詰め寄り、大声で怒鳴っていました。この市民に対して、部長が二度にわたって「ほえるな」と言い放ったことについて、6月議会で、「何を言われたにしろ市民をなじるのは問題だ」と指摘しました。
 今回、共産党の安斉慎一郎議員が私の発言を取り上げて、部長の発言を認めるわけではないがと前置きしつつ、私の発言は市民が発した言葉には何も触れておらずフェアではないと批判しました。
 安斉議員は市民の発言を引用しつつ、こんなひどいことを言ったんだと強調していました。しかし、市民の発言を問題視すれば、「だから部長の発言は仕方がないんだ」と、職員が売り言葉に買い言葉で応酬するのを認めることにつながります。部長の発言を認めるわけではないという安斉議員の発言は矛盾しており、論理破綻をきたしています。
 坂口市長がこの問題で目に見える対策を取らないから、与党の重鎮、安斉議員が無理筋の論理で、市長や職員をかばおうとするのです。
 繰り返しますが、市民がどんな言葉を浴びせようが、職員は売り言葉に買い言葉で応酬してはいけないのです。市長はきちんと指導しなければいけません。

震災ガレキの広域処理について
 国の震災復興予算が、現地の復興要請を拒否しながら目的外に浪費されている実態が明らかになってきた。ガレキの広域処理にも同様の問題が潜んでいる。
 阪神大震災時のガレキ総量は2000万トン、処理単価が2万2千円/トン。今回の総量は2200万トン。処理単価は岩手県宮古市で1万6千円/トン。東京都で処理した場合は5万6千円/トン、しかも被災地にはお金が落ちない。西東京市の焼却施設柳泉園でガレキを受け入れると6900万円の処理料が手に入る。それをバグフィルターの交換や施設修理費に充当することになっている。広域処理はオイシイのだ。その分、被災地にはお金が落ちない。何が絆か、何が復興支援なのか。
 次に二重契約問題。宮城県は石巻地区のガレキ全部の処理を2千億円で大手ゼネコンに委託した。しかも、途中でガレキの量が半分に下方修正された。石巻地区には広域処理に回すガレキは存在しない。それでも宮城県は東京都と広域処理の委託契約をした。二重になされた契約の支払いは全部国の負担、私たちの税金から支払われる。市民グループがこのことを暴露告発した。
 柳泉園と構成3市長は指摘があることを知りながら、問題ないとして受け入れを議会に提案し、柳泉園議会は関連の陳情をことごとく一蹴したうえでこれを承認した。
 被災地には復興資金が還流せず、周辺で関わった者だけがしっかり儲けているという構図になっている。復興予算の不適切使用と同じだ。




森てるおと市民のひろばにどうぞお越しください
1 11月18日(日)午前10時〜12時 保谷こもれびホール 会議室
2 11月24日(土)午前10時〜12時 西東京市民会館 第2会議室
3 11月24日(土)午後 7時〜 9時 コール田無 会議室B

 「森てるおと市民のひろば」は市民の皆さんのそれぞれが重要な課題だと考える事柄について、市民の皆さん同士で話し合っていただくために、森てるおが用意しました。大いにご議論ください。議論には森てるおも参加者の一人として加わります。
 今回は発行が大幅に遅れてしまいました。本号がお手元に届くころには「市民のひろば」が終わってしまっていることもあろうかと存じます。ご容赦のほど、よろしくお願いします。
 なお、森てるおの一層の活動を支えていただくために、購読料、カンパなどのご協力もお願いします。表紙下段の郵便振替口座までご送付ください。


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