森てるおの拡声器 <第54号> 2013年3月発行 (html版) ・事務所(自宅) 西東京市北町3-4-5 TEL.042-424-3410 FAX.042-424-3414 脱原発!3・9明治公園<写真> 森てるおは何を目指したのか 先だっての西東京市長選挙は残念でした。18,565票ものご支持を頂戴しましたが、森てるおは次点で敗退しました。ご支持、ご支援くださったみなさまには感謝申し上げますとともに、無念のご報告をさせていただきます。森てるおは西東京市政をおまかせ行政から脱却させて、「市民が決めるまち」「納得できる行政」に衣替えすることを目指しました。市民にとって都合のいいことも悪いことも、市民の納得を得て実行する、そんな市政にしたかったのです。 10年後の西東京市と市民に責任を持つことができるのは間違いなく市民自身です。未来がバラ色には描けない今、市民自身が決定に参加すべきなのです。そんな行政にするためには行政の中にそれを可能とするシステムを設ける必要があります。次世代に引き継ぐべきルールを作り、市民の政治参加を進めることが必要なのです。 市長として、他の自治体に先駆けてその第一歩を踏み出すつもりでいましたが頓挫しました。最近ではいろいろな場面で、市民の直接参加の機会が必要との指摘が数多く出てきています。しかし、今回の投票率の低さを見ると、とりわけ若い世代には自分たちの問題だと受け止めてもらえなかったのかもしれません。残念でした。 しかし、市長でなければできないわけではありません。引き続き、大勢の市民のみなさんの賛同を得ながら、地方政治への市民参加、市民の自治を求めて努力を続けていきたいと考えています。 「森てるおの拡声器」の今後 大勢の方にお読みいただいている「森てるおの拡声器」は森てるおの議会報告として発行してきました。しかし、森てるおが議員でなくなった今<議会報告>としての性格は皆無にはならないまでも、相当限定的なものになります。いろいろと検討した結果、最近も購読料をお支払いいただいたりしていることもあり、当面は発行し続けることにしました。 これまでは議員の責務と考えて、全戸配布するために大部数を発行してきました。今は議員報酬がなくなり、費用の出どころがなくなりました。「発行し続ける」といっても大幅な変更が必要です。 購読者や協力者にお届けする分や駅頭で配布する分は当然のこととして、戸別配布は縮小し、各号ごとに配布地域を順次移動することで続けたいと思っています。戸別配布をどの程度の部数にするかは、負担できる経費の額によって変更せざるを得ません。引き続きお読みいただける方にはぜひ、年額1,000円の定期購読をお願いします。 森てるおが行ってきた「すべての情報を市民に!」という活動を一緒に継続していく仲間を募って、市民が主権者の地域づくりに関わり続けていきたいと考えています。ぜひ仲間になってください。 公明党さん、どうするの? 現在西東京市議会には長期欠席中の議員がいます。2011年に議員に就任したあと、2回の定例会に出席したものの、その後の6回の定例会を欠席しています。この3月議会も欠席です。今後の出席についても見込みが立っていません。 欠席後2月末までに支払われた議員報酬は約1600万円になります。もしこのまま任期中の辞職がなければ、さらに1700万円くらいの報酬を支払うことになります。職責を果たしての報酬であれば納得できますが、復帰の見込みが立たないのであれば、報酬を支払うことには疑問が残ります。 議員報酬は当選の対価ではありません。生活保障に活動費を加えた「役務に対する対価」です。議員は4年が任期の公務員(非常勤特別職)ですから、病気療養による休業でも半年、せいぜい1年が生活保障の期間です。この議員は現在で任期の半分近くを欠席しています。議会として本人に辞職を促すべきです。 この議員の所属は「市議会公明党」です。生活保障をするのなら公明党が行うのが筋です。報酬は税金から出ています。これ以上、公明党の責任を市民に肩代わりさせるのは許されません。公明党の「公党」としての資質が問われています。 先日、「青山としや議員に辞職を勧告するよう求める陳情」を提出しましたが、「参考配布」(審議しないで配るだけ)となりました。税金の監視役なのに、議会ムラになっていませんか。 西東京市と(株)アスタ 田無駅北口の商業ビル(アスタ)地下に市営駐車場がある。今、商業ビル管理会社(株)アスタを相手方として、売却交渉が進められている。商業ビル併設の駐車場であり、市営のままにしておく理由がない。しかし、安値で売却されるのではないかと危惧している。旧田無市が手掛け、旧田無市長が在職中から退職後のつい最近まで代表者を務めていた同社と西東京市の間には、癒着などの不透明な関係が起こりかねないと考えている。(株)アスタだけを売却の相手方にするのではなく、別の会社への売却も考慮するべきだろう。 実は2011年度まで(株)アスタが行っていた指定管理にも、いくつもの疑問があり、森てるおが議会で指摘をしてきた。西東京市は事業を委託する場合、中心的な仕事について別の会社に委託してはいけない旨の規定を設けている。ところがアスタの開業以来、市営駐車場の管理は(株)アスタに委託されていた。そして、実際の管理業務を行っていたのは下請け会社だった。当然、市は熟知し、了承している。 さて問題の指定管理者の選定はどうだったのか。指定管理者の応募には「商業施設に併設された駐車場管理の実績があること」が条件になっている。業務を下請け会社に丸投げしていた(株)アスタには駐車場管理の実績などない。それなのに市は(株)アスタの入札参加を認めた。受託後には再委託することまで知っていて容認したのだ。この入札での(株)アスタの提示額は最低価格ではなかった。むしろ高いほうだった。最低額を提示した企業とは5年間で1500万円を超える差額が生じた。はじめから(株)アスタに落札させることを決めておきながら、形式的に入札が行われたのではないかとの疑問が残っている。 市営駐車場の売却の前に、(株)アスタとの不透明な関係を終わらせなければならない。 議員には身を切る覚悟を求めましょう 市長選挙後の臨時議会で議会人事が決まりました。人事の中に議会外の役職があります。多くは報酬が支払われます。議員になってわかったのですが、大きな会派が報酬の高いほうから順番に取り分けていくのです。目が点になりました。報酬が出ないとなり手がないのだろうかという感想を持ちました。森てるおはこの報酬は廃止するべきと主張して受け取りを辞退し、議員でなくなったのを機会に全額を西東京市に返還しました。 ポストの一つに農業委員があります。その選出に「当該市町村の議会が推薦した農業委員会の所掌に属する事項につき学識経験を有する者」という区分があります。この区分のすべてを議員が占有してしまっているのに違和感を抱きました。報酬は議会外役職とすれば最高額の部類に入ります。あぁ、それで・・なぁるほど、というのが実感です。東大農場がある自治体で、大学の先生方を差し置いて厚かましいというか、なんというか・・・。 職員の旅費規定で「宿泊料の額は、別表第1の定額による。」として、14,000円と定められています。こんにち宿泊費が一泊14,000円もかかることはありません。実費精算をさせる規定に改めるべきだと要求したのですが、いまだに改正されていません。行政は議員の視察旅費に影響が及ぶと考えて躊躇しているのです。ここでも、議会がネックになって適正化が妨げられています。こういったことにはほとんどの議員が質問もしません。議会と行政のもたれあいの構図が現れた一例といえます。 税金を自分のために使う議員は、議員の資格がありません。 自治体は市民生活を守る砦 ひどい政治になってきました。安倍政権が始まってまだそれほど時間は経っていません。しかし打ち出されてくる政策には驚愕します。事故の影響を過小評価させることが目的としか思えない原発維持推進。小泉政権が拡大した格差をさらに広げるアベノミクス。生存権を脅かす生活保護基準の切り下げ。改憲、国防軍へと戦前回帰。アメリカ基準に国を売り渡すTPP。度重なる沖縄処分の推進。どれを取ってもとんでもないことです。 アメリカのご機嫌を取り結び、経済界の要求に盲従し、官僚の利益を温存することで政権維持、あわよくば長期政権を目論む安倍政権の私利私欲による政治というしかありません。 こんな時代、生活を破壊させないようにするためには、足元から市民自治を実現させ、市民が舵取りする政治にしていくことが必要です。地方自治体はそのための手段になります。あきらめることなく声を上げていきましょう。 地方自治体は、時として国に先駆けて、また国に抗って住民福祉の向上に努める責務を負っています。国が格差拡大を推し進めて市民生活を困窮させていくのなら、地方自治体が市民生活の維持を図らなければなりません。 地方政治には不十分ながら、市民が主権者として物事を決める制度があります。政治に背を向けることなく、すべてを「お任せ」するのではなく、そしてあきらめることなく、市民が使える手段を余すところなく使って、自治体に市民生活を維持させる仕事をさせていきましょう。 二重取り報酬(360万円余)を返還しました。 森てるおは初当選時の公約に「報酬の二重取りをやめよう」と掲げました。議員には議員であることによって就任するポストがいくつかあり、それを議員が分け合っています。それらは議員の仕事の一部、そこで報酬をもらおうとは考えていませんでした。 しかし現実にはそれらは議員の「副業」になっていて、税金の中から決して少なくない金額の報酬が支払われています。 森てるおはこの報酬を「支払う必要のない報酬」と指摘し、受け取りを留保してきました。また、2007年に市民の多くの反対の声を押し切って、議会の権限を悪用して議決し、2008年4月から実施された議員報酬の引き上げについて、反対の立場からこれも留保してきました。 「留保」したのは、現職議員が選挙区内で物品を提供するのは、たとえ相手が市であっても公職選挙法で禁止された「寄付」にあたるとされているからです。これら「留保」した報酬を、議員を辞職して公職を離れたこの機会に市に返還しました。 市に返還せずに、もっと別のところに寄付するなどして有効に使えばいいではないかというご意見をたくさんいただきました。しかし、もともと市にとっては支払うべきではなかった報酬、森てるおの側からは「受け取るべきではないお金」ですから市の財布に戻すのが当然だと考えています。 別のどこかに寄付したら、それがどこであっても「森てるおの意思」が反映されることになり、「受け取らなかった」とは言えなくなります。 議員報酬や市長給与は2008年のお手盛り引上げ以来そのままになっています。公務員給与が引き下げられ、生活保護給付も削減される昨今ですから、潔く引き下げるべきです。 議員報酬の使い道 (2012年1月〜2013年1月) 収入 報酬 9,333,290 支出 事務所費 946,626 広報費 2,032,659 交通費等 15,300 研究費 45,099 備品費等 99,632 税等 1,238,250 4,377,566 未払い金 1,100,000 市への返還金 544,700 政務調査費 収入 200,000 支出資料費等 200,000 「市民のひろば」はみんなの広場 どうぞお越しください 1 5月11日(土) 10時〜12時 保谷こもれびホール 会議室 2 5月12日(日) 14時〜16時 西東京市民会館 第1会議室 長い間続けてきました「森てるおと市民のひろば」は、森てるおが用意した、市民の皆さん同士で話し合っていただくための場所でした。このたび、森てるおが議員でなくなりましたが、「森てるおの拡声器」の発行継続に合わせて「市民のひろば」を当面継続することにしました。 その時々の、市民に関係する課題を出し合って、解決のための知恵を出し合っていきたいと考えています。ぜひともふるってご参加ください。 議会報告の継続的な発行など、あとを続けてくれる議員が出ることを期待したいと思います。 拡声器のページへ戻る 表紙へ戻る |