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 森てるおの拡声器 <第58号> 2016年5月発行  (html版)


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3館合築・庁舎統合方針は今年度に先送り
 「3月末までに決定する」と強引に進められてきた中央図書館・田無公民館・市民会館の市民会館敷地での一体建設、いわゆる3館合築は「今年度さらに検討する」として決定が延期されました。
 昨年度の検討は関係市民を集めた基本プラン作成検討懇談会(以下プラン懇)で行なわれました。しかし、プラン懇内外から、狭い敷地に三種類の施設を入れるのは不可能という声が噴出し、プラン懇では案の一本化を見送り、4案併記の提言を出すに至りました。
 行政は、庁舎統合方針は「三館合築とは無関係」と言い張ってきたものの、現実には保谷庁舎の受け皿にするつもりだった中央図書館・田無公民館が使えなくなり決定が先送りになりました。
 計画を立てる時に「不確定要素」を根幹に据えたら失敗する、そんな「見本」のようなものです。三館合築を市民合意のないままに進めようとしたこと、三館合築を庁舎統合暫定案の基本に据えたことなどです。
 こんな常識的なこともわからない行政になっていたのかと愕然としています。「行政主導」でチェックを受けない体質になっていたんでしょうね。更に庁舎統合暫定案では、いまだ敷地が確保できていない市中心部で新庁舎を建設するとしています。あきれてものが言えません。

今後の動きにご注目ください
 3館合築では、プラン懇の提言4案から、行政がつまみ食いをして「基本プランだ」として出してくる恐れがあります。プラン懇が付帯意見で「市民会館敷地 での3館合築は無理がある」としている以上、3館合築は白紙に戻すべきです。「図書館を分館にして公民館とともに現地に残し、市民会館敷地に中央図書館と 市民会館を合築する」などと言いかねませんが、3館合築ではありませんよね。「3館合築は無理」なんです。それなのに庁舎統合方針ともども強行する構えを 残していますので今後の動きにご注目ください。
 庁舎統合方針は図書館・公民館の転用が困難になったことから、仮庁舎の市民広場や駐車場への新設、駐輪場を取り壊しての建て替え、南町4丁目公園への新 設などが検討されています。市民広場案が前の図書館・公民館活用案よりコストが安いっていうんですよ。ご都合主義ですね。
 現在、合併で増えたと称して公共施設を整理・縮小することを目指した「公共施設適正配置計画」の作成がすすめられています。これは人口減少社会を見据えた「まちのあるべき姿」を描くことに他なりません。
 何を基準に構想するにしても、大まかな全体像、いわゆるグランドデザインを描かなければはじまりません。どんな施設がどんな密度で必要なのか、今ある施 設の活用は可能か、新たな機能を併設したり転用したりすることが可能かなどの検討が必要です。施設の持つ役割や意味を把握したうえで必要性を考えなければ なりません。公民館を貸館と認識しているようではだめですね。

今年度予算の特徴は・・・
 今年度は丸山市長の任期の最終年。来年の2月には市長選挙が控えています。
 そんな時期の予算は、通常選挙対策を兼ねて不要事業のてんこ盛り予算になります。しかし、西東京の今年度予算については、通常年度の予算程度のものに なっています。財政が厳しいと言ってしまえばその通りなのですが・・・。個々の予算に問題がないわけではありませんが選挙向けのばらまき予算でなかったの は何よりです。

予算組み替え動議を提出
 今年度予算の中で @三館合築複合化プラン作成委託料 A障害者福祉手当の削減 Bがん検診一部有料化 に反対し、@の削除とABの復活を求めて、2会派とともに予算組み替え動議を共同提出しました。
 @の委託費は、先送りされた三館合築複合化プランの作成を進めようとするもの。Aの障害者福祉手当削減は国の難病指定疾病の拡大によって福祉手当総体の 増大が予測されるとして、難病をあわせもつ障害者への難病者福祉手当の併給を取りやめるというもの。Bのがん検診については、無料制を実施してきた7つの がんのうち咽頭がんと前立腺がんについて受診者負担を求めるというものです。
 残念ながら動議は、提案に加わらなかったすべての議員の反対で否決されてしまいました。

勤労者福祉サービスセンター
 昨年も指摘しましたが、市からの補助金を受け取っているこの団体は、「自力では福利厚生事業を提供できない中小規模事業所の労働者に余暇活動等の機会を提供する団体」です。個人加入も可能です。基本的に会費収入で運営されます。
 現在の会員数は1530人、会費月額500円、年間会費収入918万円。一方、人件費が常勤職員一名、事務局長一名で年間約1100万円。「自力では」人件費も払いきれません。
 この団体に西東京市は1255万円の補助金を支出します。人件費を丸ごと負担しているのか、事業費を丸抱えにしているのか、どちらにしても市民の税金が垂れ流され、不適切です。
 市は行政にとって必要な制度だと説明していますが、だったら市が直接運営すればいいだけのことですね。枠組みだけ作って、業務委託することも可能です。

障害者差別解消法
 4月から障害者差別解消法が施行されました。この法律は、障害を理由として不当な差別をしてはいけないと定めています。また、障害者が等しく人権を享受 できようにするために「社会的障壁を取り除く必要かつ合理的な配慮」をしければならないとしました。行政機関にとっては義務であり民間事業者等については 努力義務になります。差別の解消に役立つことを望みます。


東京オリンピックは不祥事続き。スタートからして間違っていた。
おもてなし オリンピックは ウラばかり(参考:日刊ゲンダイ)



どうなった?

下水道ポンプ場
 前号で取り上げた下水道ポンプ場施設をめぐる国との交渉は、職員の努力の甲斐があって、補助金を返還することなく市に移管されることになりました。今 後、拙速な対応を避け施設のよりよいあり方を検討するとして、今年度の改修予算は見送られました。当面、東町市民集会所は消防団の移転後も現地に残ること になりました。

柳泉園の水銀汚染
 柳泉園の焼却炉から大量の水銀が放出された事故は、市民と議会の追及の結果、真相解明のための第三者委員会が発足しています。
 焼却場について、国は「重金属が発生するようなものは燃やされていない」と規制に後ろ向きでした。しかし、相次ぐ水銀放出事故と水銀を規制する「水俣条 約」の発効を見据えて、国の規制値を設けることにしました。何でもかんでも燃やしているのだから、水銀のみならず、他の重金属も排出されていると推測でき ます。西東京市は市民の生命と健康を守るために独自の規制を導入するべきです。

施設整備のあり方・考え方
 施設の整備を進めるにあたっては、庁舎を起点に各施設の配置を進めるという考え方を提唱します。庁舎は庁舎機能以外に別の機能をあわせもっています。し たがって庁舎の位置が変わったら、周辺は他の施設の空白地帯になります。新しい敷地では施設の重複が起こります。庁舎の位置がころころ変わったら、適正配 置など考えられません。
 暫定案での田無庁舎、その後の市中心部、さらに50年後の移転・・・、どんなまちを描くのでしょうか。
 私の提案は、庁舎の位置は長期的に固定する、そのために現地建て替えが可能な面積を持つ保谷庁舎の敷地を庁舎の所在地とします。また、駅至近の田無庁舎は文化・芸術・教育の拠点として改装します。こもれびホールは将来的には田無ホールとして建て替えます。
 ホールなど広域に開かれたものは駅至近が必須条件です。他市と連携し、民間活力を使って広域行政で作るのも一つの方法だと思います。
 今は市全体を見通したグランドデザインを描くときです。その中で新たな市民合意を見出していくことが大切です。田無だ!保谷だ!ではなく、西東京市としてのグランドデザインを描ける時期になったと考えます。またそうしなければなりません。
 これからのまちづくり、市民のみなさんが主権者として将来を見越して提案し、大いに議論して推し進めてしていきましょう。

ひばりが丘公民館が分室に
 合併後、ひばりが丘公民館は分館として位置づけられて、分館長の管理のもとで運営されてきました。
 公民館は地域に密着した課題解決に寄与するためにも、本来地域独立館であるべきと考えていますが、合併後は、行財政改革の名のもとに中央館‐分館方式に変更されていました。今回は分室として分館長の配置を取りやめたものです。
 行政は、分館から分室にして何が変わるのか、との質問に何も変わるところはない、と答えています。分館長の人件費を削るだけのもので、専門員を配置するために財政的にも大きな効果は見込めません。
 中央館が地域課題に十分に対処できるかという点も疑問が残ります。

STOP ABE
 集団的自衛権の行使容認の閣議決定や安保関連法の制定によって、政治・経済の軍事化が進行しようとしています。世界史的には、ドイツナチスが辿った「い つか来た道」を日本で、現在進行形で繰り返しているのです。麻生財務大臣がいみじくも「ナチスに倣えばいい」といった通り、また、不謹慎にも熊本地震を奇 貨として、菅官房長官が「緊急事態条項が必要だ」と言及したように、ナチスのたどった道を粛々とたどっています。第一次大戦後最も民主的を言われたワイ マール憲法、その中にあった国家緊急権こそがナチス独裁の元凶「全権委任法」を生み出した根拠でした。「非常事態」の名のもとに司法、立法、行政の三権を 首相が掌握することなど民主国家ではあってはならないものです。憲法もなんのその、「私が立法府の長」と言い放つ、三権分立の意味さえ知らない安倍首相、 歴史的事実は現在の安倍政権の危うさを示しています。
 なんとしても「STOP ABE!」 そのために国政選挙での野党共闘が求められます。夏の参院選に向けて野党統一候補が各地で次々と誕生しています。 安倍政権にとっては脅威でしょう。その恐怖から逃れようとして、衆参同日選挙を脅しの道具に利用しています。野党間の矛盾を押し広げることができると考え ているのでしょう。
 しかし、衆院選は小選挙区です。そこに野党協力を広げていけば良いだけで、野党は同日選をむしろ望むところと考えていいのです。同日選によって一気に政権交代にまで歩を進めることができます。臆することなく大胆に、野党共闘を積み重ねていくことを望みたいものです。
 参院選選挙区、衆院選東京19区ともに、市民が野党共同候補の実現を模索しています。「安倍政権が続くより、まだまし」という考えで共闘を進めていくべ きです。安倍首相を政権から放逐し、そののちに各施策の良しあしを議論すればいいのです。すべては安倍政権を終わらせてからのことです。政権を取ったのち に分配、というのは自民党利権政治の基本です。選挙では政権を取ることがすべて、自民党は実に忠実に基本を実践しています。分裂していて勝てるわけがあり ません。
 歴史が教えていますが、安倍政権と同質の過去の政治はナチスドイツにしろ、大日本帝国にしろ、敵を作ることによって結束を高めるという考えを持っていま した。外部に敵を作り過激に攻撃する、敵が排除されたら内部に新たな敵を作るということをやってきました。今、安倍による排除を恐れて従順にしたがってい る保守リベラルは、いずれ次の時点で排除の対象になっていくことでしょう。もしそれを望まないなら、与党内での努力によって安倍首相を交代させるべきだと 呼びかけてきました。今、安倍政治を終わらせる先頭に立つべきではないのか、と改めて呼びかけたいと思います。与党自民党、公明党のみなさんは、本当に安 倍政権でいいと思っているのでしょうか?
 今からでも遅くありません。ぜひとも「安倍おろし」をしてもらいたいものです。

森の談話室にお越しください!

 今後の予定・・・
 7月10日・10月9日・(2017年)1月8日・4月9日
 いずれも、第2日曜日:午後2時〜4時半  西東京市民会館  会議室(予定)
 「市民のひろば」改め「森の談話室」の開催は1月、4月、7月、10月の第2日曜日の午後2時からを予定しています。過去には市の行事で会場が確保でき ず、やむなく開催を見送ったことがありました。念のために、ホームページをご覧いただくか、市民会館にお問い合わせください。


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